「カバン紛失とコンドーム」
私は11日間以内の海外旅行は、全て手荷物に納めることにしている。紛失を避けるのと飛行機の遅延等で数分を争う会合出席のための着替え時間を確保するためである。
海外旅行での荷物の紛失、遅延到着は日常的な出来事であり、職員には一泊分の着替えを手荷物に入れるよう指導している。ある旅行でジュネーブに到着した際、関係団体の女性幹部のカバンが未到着となり、空港の係の人にクレームをつけると、慣れた態度で一晩用のTシャツ、化粧品の入った「キッド」を渡された。ホテルで中身を確認すると、コンドームが1ケ入っていた。
私達の海外活動では、飛行場での待機時間が3〜5時間という場合が多い。従って話題は森羅万象に及ぶ。この時は「さすがスイスは洒落ている」と高評価。しかし、なぜ2ケでなく1ケなのか、に話題が移った。私にはこの討論に参加する資格がなかったので二つの話題を提供した。
○インドネシアで村人にコンドームを親指に被せて使用方法を説明。3カ月後に事後調査に行ったところ、若い女性が指導どおり使用したら妊娠してしまった、と言う。よくよく聞くと、コンドームを親指に被せて、ことに及んだと言う。
この話は、東京銀行札幌支店長を務め、日本財団で共に働いた高木氏の話なので信用に値する。
○1980年代、ソ連で注射器や医療品が不足した時期があった。特にコンドームの不足が深刻でスウェーデンから緊急輸入と相成った。スウェーデンの製薬会社は、この時とばかりに“ラージ(large)サイズ”を全て“スモール(small)サイズ”と表記して輸出した。入手したロシア人の驚きは相当なものであったらしい。
本当のところ、コンドームにスモールサイズはありません。なぜでしょう?
話は変わるが、地球環境、資源の枯掲、飢餓、貧困と連日のように報道される。根本問題である発展途上国の人口爆発については、近年議論されなくなった。アメリカの共和党政権と宗教上の問題があるからである。戦後、日本でも産児制限という言葉が流行ったが、正しくは計画産児と言うべきであろう。
岸信介、福田赳夫、両首相は諸悪の根源は途上国の人口爆発と喝破し、人口問題に関心を示された。国連人口基金への援助は今も日本が最大のドナー国であると思う。日本は途上国の人口爆発の抑制に積極的に協力してはいかがであろうか。