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産経新聞【正論】遺言で新たな社会貢献の決意を [2017年02月17日(Fri)]
遺言で新たな社会貢献の決意を


産経新聞【正論】
2017年2月9日


 遺言書の作成は遺産相続に伴うトラブルを低減させるだけでなく、人生を見つめ直す格好の機会となる。しかし残念なことに、わが国では寄付と同様、遺言文化も低調である。

 ≪必要性を認める人は60%≫
 一方で人口の4人に1人を65歳以上が占め、さらに少子高齢化が進む現代は、1人でも多くの高齢者の社会参加が、次世代の負担を軽減するためにも欠かせない。

 高齢者の社会参加を促すきっかけとして本年から1月5日を「遺言の日」と決め、広く遺言の普及・拡大を呼び掛けたく考える。

 日本財団が昨年3月、全国の40歳以上の男女約2500人を対象に行った意識調査では、61%が遺言書を残す必要性を認めた。しかし実際に遺言書を作成していた人は3.2%にとどまった。

 「遺言は紳士のたしなみ」の言葉もある英国では、75歳以上人口の80%以上が遺言書を作成し遺言が文化として定着している。だからといって日本に遺言文化の下地がなかったわけではない。奈良時代の養老律令には遺言制度に関する記述があり、中世も庶民の間では遺言相続の慣行があった。しかし江戸時代の家父長的な家制度、さらに長男1人が戸主の地位や全財産を引き継ぐ明治以降の家督相続制度によって、遺言文化は下火になった。

 1947年の民法改正で家督相続は均分相続制度に変わったが、「老いた親の老後の面倒や家を継ぐのは長男」といった形で、今もその影響が残り、遺言文化が普及しない一因となっている。

 とはいえ公証人の助言を得て作成される公正証書遺言でみると2014年は約10万5千件(日本公証人連合会調べ)と10年間で1.5倍に伸びており、遺言に対する関心は徐々に高まりつつある。

 昨年末、実際に遺言書を作成した40歳以上の男女200人に、対象となった資産額を聞いたところ、5千万円超が61人、1千万〜5千万円が64人、1千万円未満が75人。遺言書の作成は金持ちや資産家だけでなく、ごく一般の家庭にも広がりつつある。

 ≪単なる財産分配ではない≫
 7割以上は遺言書の存在を家族に知らせ、「今後の生活や家族・親族間に相続争いが発生する不安が減った」と答え、希薄となった親子関係を再確認し、遺産相続をめぐる不要なトラブルを減らす効果も出ている。少子化の進行で法定相続人がいない人や遺産を公益性の高い団体などに譲渡し社会課題の解決に役立てる遺贈寄付も増え、受け皿となる組織も整備されつつある。われわれが昨春、開設した遺贈寄付サポートセンターにも69歳で亡くなられた女性から、「世界の恵まれない子どものために」と1億5千万円の遺贈寄付があり、全額、ミャンマーでの障害児支援施設の建設に活用された。

 以上が、わが国における遺言の現状であり、全体に望ましい方向に向かっていると思う。

 しかし本稿では、遺言書の作成に、単なる財産の分配ではなく、新たな社会貢献の決意という、より大きな役割を期待したい。死後に遺(のこ)す本人の思い(遺言)を書面にまとめる厳粛な作業を通じて過去を振り返り、残る時間を有意義に過ごす覚悟を固めれば、実りある終活にもつながる。

 わが国は20年後、3人に1人が65歳以上の超高齢化社会を迎える。大半が70歳前に現役を引退する現在の形で、次世代が高い社会負担に耐えられるとはとても思えない。高齢世代が戦後の日本の繁栄を担ったのは間違いないが、その一方で国債や借入金など「国の借金」も国内総生産(GDP)の2倍近い1050兆円に膨らんでいる。放置すれば次世代の負担はさらに膨張し世代間の対立も深まる。これを乗り切るには、高齢者が可能な限り社会活動に参加し、その一端を担うしかない。

 ≪次世代の負担を軽くする≫
 もちろん受け皿となる制度や仕組みの整備は欠かせない。しかし何よりも必要なのは、高齢者一人一人の自覚と覚悟である。高齢者による高齢者の介護や子供の貧困支援など社会貢献の場はいくらでもあり、そうした努力が次世代の負担を軽くする。

 本稿では遺言を題材に超高齢化社会における高齢者の生き方を論じている。違和感を覚える向きがあるかもしれないが、超高齢化社会に対する不安はそれほど深刻であり、よほどの決意がない限り乗り切れない。人類にとって未知の体験であり、それ故に国際社会も高齢化の最先端を走る日本が今後どういう社会を作るか、注目している。

 日本老年学会は先に「高齢者は体力、知的能力だけでなく身体能力も10年以上、若返った」として、現在65歳以上の高齢者の定義を75歳以上に見直すよう提言している。高齢者に対する社会参加の呼び掛けに他ならない。ひとりでも多くが、そうした決意を固める場として遺言書の作成に臨まれるよう、あらためて呼び掛ける。
(ささかわ ようへい)


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2月16日(木) [2017年02月16日(Thu)]
2月16日(木)

7:20 財団着
   書類整理、打合せ

8:50 財団発

11:00 成田発

16:30 ミャンマー・ヤンゴン着

ミャンマーの寅さん.png
ミャンマーの寅さん?


17:00 アウン・ミン前大統領府大臣
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「文楽へのご案内」―世界一の人形劇― [2017年02月16日(Thu)]
「文楽へのご案内」
―世界一の人形劇―


世界に誇る日本の『文楽』は、主に東京・大阪の国立劇場で上演されています。

日本財団では、この世界一の人形劇を一人でも多くの人に鑑賞してもらいたいと、『文楽』本来の姿である屋外公演を実施しています。酒を飲み、食事をしながらの鑑賞こそ、本来のスタイルであると考えるからです。

本事業は2015年から始まり、既に東京六本木ヒルズ、大阪難波宮、東京浅草観音と廻り、今回は日本文化の原点ともいえる伊勢神宮の外宮前で開催されます。

3月11日(土)〜14日(火)まで、1日2回公演で入場料は無料ですが、日本財団が発行する整理券が必要です。

日頃多忙な皆様。たまには女房孝行として、お二人でお伊勢参りと文楽を楽しまれては如何でしょうか。

なお、屋外ですので、雨天の場合は中止させていただきます。

文楽表.png 文楽裏.png


お詫び:酒を飲み、食事をしながら・・・と記しましたが、今回は奉納公演ですので、飲食は禁止とさせていただきます。お詫びして訂正させていただきます。

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2月15日(水) [2017年02月15日(Wed)]
2月15日(水)

7:20 財団着

9:30 理事会

11:30 香取照幸 アゼルバイジャン大使

13:00 テレビマンユニオン撮影

15:00 ミャンマー出張打合せ

15:20 スピーチ打合せ
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「ミャンマー出張」 [2017年02月15日(Wed)]
「ミャンマー出張」


明日、ミャンマーに出張いたします。

政府と少数民族武装勢力との和解のための活動で、今年最初のミャンマーは3泊4日になりました。

帰国は19日です。
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「中国の小話」その114―バレンタインデー― [2017年02月15日(Wed)]
「中国の小話」その114
―バレンタインデー―

 
近年、中国でも急速にバレンタインデーが定着してきた。
日本では本命とか義理チョコとの言葉がありますが、さすが中国は即物的ですね。


バレンタインデーの映画館

バレンタインデーの映画館は、熱々のカップルで一杯だった。
突然、映画館のスタッフがステージに上がって
「お客さんの中に他人の妻を連れてきた人はいませんか? 
 相手の主人は命がけでやり合う構えで入口で待ってますよ」
と叫んだ。

館内がシーンとしたところで、スタッフはさらに
「悲劇を見たくないので、これから映写を中断し、館内の照明も切って裏玄関を開けますので、早く逃げてください」
と呼びかけた。

照明が消されると、館内は一気に騒がしくなり、僅か数分後にスタッフが再度照明を付けてみたら、観客席は既に空っぽ。赤いバラの花だけが地面一面に捨てられていました。



バレンタインデーの食事

バレンタインデーの日、男性は電話で意中の女性を執拗に誘っている。
男性:今日電話したのは他でもなく、ただ君にご馳走したいと思っただけだ。
女性:本当?じゃ、どこで。どのランクのご馳走をしてくれるのかな?
男性:会ってくれさえすれば、君の行きたいレストランはどこでもいいよ。
女性:多分あたしの行きたいところに連れてもらうのは無理だわ。
男性:俺の実力を信用してくれよ。どこでも連れていくよ。
女性:じゃ、あなたの家に行って、奥様の手料理をご馳走になるわ。
男性:????
しばらくして、電話は切れた。
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2月14日(火) [2017年02月14日(Tue)]
2月14日(火)

7:20 財団着

9:00 第2回日本・イラン女性会議 開会
    基調講演:安倍昭恵 社会貢献支援財団会長

10:30 スピーチ打合せ

13:40 シャヒンドフト・モラベルディ イラン副大統領

17:15  麻生太郎 財務大臣

18:00 レセプション(挨拶)
  
18:30 ミャンマー タン・ミン商業大臣
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2月13日(月) [2017年02月13日(Mon)]
2月13日(月)

7:20 財団着

9:00 「にっぽん文楽」事業打合せ

9:30 玄 秀盛 日本駆け込み寺代表

10:00 山中Y子 元外務政務官

11:00  小澤 直 パラリンピックサポートセンター常務理事

11:20 孫 暁郁 中国国際友好連絡会高級顧問 
  
12:30 玉塚元一 (株)ローソン社長

14:00 加藤創太 東京財団常務理事

15:00 喜多悦子 笹川記念保健協力財団理事長
                  
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「トランプ大統領就任式に出席」―雑感― [2017年02月13日(Mon)]
「トランプ大統領就任式に出席」
―雑感―


1月24日、第9回B&G全国サミット(首長:市町村長223名、副首長41名、教育長200名、自治体関係者219名、報道関係者74名、来賓その他73名、総勢830名)で講演の機会をいだき、トランプ大統領の就任式に出席して帰国した直後でしたので、雑感をお話させていただきました。

*****************


ご紹介賜りました日本財団の笹川でございます。私はあまり講演を得意としておりませんので、昨今では、子どもたち以外にはあまり話をしないようにしているのですが、このB&G財団のサミットだけは特別で、9回連続で出させていただき、大変光栄に思っております。

私の話は、もともと実体験に基づいた話ですので、評論家的な話は大変苦手です。今回はトランプ大統領の就任式に出席をしましたが、面識のない方についてお話するのは初めての経験ですので、皆さん方にどれだけご理解がいただけるか分かりませんが、周辺情報を集めてまいりましたので、お聞き取りをいただければと思います。

私は過去30年ほどの間に466回も海外に出掛けておりますが、ほとんどがアフリカやインドの奥地、あるいはアジアの僻地、南米の僻地という所ばかりです。時間にしますと、記録を取っただけで約3000日ということですから、刑務所に入れられたと換算すると8年位、世界のハンセン病制圧のために海外を駆けずり回ったということになるわけです。お陰様で病気のデパートといわれるような地域を回っておりますが、いまだにマラリアをはじめとした各地域の風土病になったことはありませんし、前の便の飛行機が墜落したとか、私が出発した後に内戦が勃発したとかいうようなことは多々ありましたが、運だけが頼りで生きてきたわけです。これも多くの皆さんの支えがあってのことだと思っております。当年78歳になりましたが、今だに自転車操業のごとく、ひたすら前だけ見て走り、横も後ろも振り返らないということを信条として仕事をしています。

さて、私がトランプという名前を聞きましたのは今から25年ぐらい前のことです。どうして名前を知ったかといいますと、その時分は日本がバブルの時代で、ニューヨークの5番街という世界で最も華やかな場所にトランプタワーというビルが建ちました。これはマンションで、その隣には有名なティファニーという宝石店があります。今でも日本の若い女性は、婚約指輪はティファニーが欲しいという方が多いと思います。

実は、バブルのときにこのティファニーを日本人が買収しました。ところが、後でこれが大変な高値でつかまされたということが分かったのです。ティファニーは3階建ての建物ですが、横にトランプタワーが、確か30階以上の高層ビルでして、ティファニーがもし改装して高い建物が建ちますと、このマンションからの眺めが悪くなります。当時、日本には空中権という考えがなかったのですが、アメリカにはあったのです。トランプはこのティファニーの3階以上の空中権を買収していたのです。そのため日本人は知らずにこのティファニーの3階建てのビルを買収しましたが、トランプが自分のビルの景観を守るために空中権を買い入れていたため、日本人はえらい高い物をつかまされたということがありました。そんなことで、私はトランプという名前を、当時、知ったわけです。

この方のことはもう皆さんご承知だと思いますが、父親はドイツ人、母親はスコットランドの方で、白人で長老派のキリスト教徒で当年70歳。三度結婚しており、60歳のときに今の3番目の奥さんであるメラニア夫人と結婚し、その間にまだ10歳のお子さんがいます。不動産業を始めてから4回も倒産を重ね、その中から立ち上がり、大統領に当選しました。まさにアメリカンドリームを実現したのです。彼の年収は250億円です。従いまして、アメリカの有数の大金持ちの一人です。

トランプの性格は皆さんがテレビでご覧になっている通りで、格闘技・プロレスが大好きで、長老派のキリスト教徒でありながら、右の頬を打たれれば左の頬を出しなさいというような聖書の精神に大いに反し、右の頬を打たれたら倍返ししろ。相手がぶっ倒れるまでたたき尽くせと言いそうな感じで、非常に激しい性格の持ち主であるように見受けられます。大統領の就任式でも背広のボタンを外し、赤いネクタイぶら下げて肩を振って出てくるという姿を見れば、大体想像がつくと思います。しかし一方で、大変清潔好きだそうで、アメリカ人でありながら人と握手するのはあまり好きではなく、握手の後には必ず手を洗うという潔癖性でもあるようです。

トランプの頭脳はどうかといいますと、ペンシルベニア大学のウォートン・ビジネススクールの卒業生です。ビジネススクールとしては今や世界一と言われています。ハーバード大学のビジネススクールよりはるかにランクが高い世界一のビジネススクールであるウォートン校を出ていらっしゃいますので、秀才かどうかは知りませんが、相当秀れた方ではないでしょうか。就任式の演説は、皆さんお聞きになりました通り、政治に対する思想や理念の話があるわけではなく、実に現実的な商売人としての話でしたね。大変異色な方が大統領になられたわけです。

Cトランプ大統領就任演説.JPG
就任演説をするトランプ大統領


ご承知のように、アメリカの選挙は2年間にわたり激烈な闘いを繰り広げるのですが、民主党はもう絶対的にヒラリーで決まりでしたから、トランプは出る所がなく、17人の共和党の中の泡沫候補として立候補したわけです。17人の中には生粋の共和党員であるルービンや、ブッシュ前大統領の息子でフロリダの知事で実績を挙げた人などの候補を次から次へと蹴落とし、あれよあれよという間に共和党の代表になってしまったわけです。

どういうやり方かといいますと、既存の枠組みや権威ある人たち、そういうものを破壊しようと、徹底的に1人で、Twitterを唯一の武器として活動したわけです。トランプが敵にしたのは民主党だけではありません。共和党の大部分も敵に回し、しかもホワイトハウスを敵に回し、FBIを敵に回し、司法省を敵に回し、国務省を敵に回し、財務省まで敵に回したんです。いわゆる政治の中心地である首都ワシントンDCの権威というものと徹底的に闘ったのです。ですからワシントンDC特別区のトランプさんの得票率はたった4パーセントでした。これを見てもいかにすごかったかと思います。


@米国元連邦議員経験者連盟会長(筆者右)らと.JPG
元連邦議員経験者連盟の方々との夕食会では心配する声も


今や世界の大金持ち8人で世界74億人の人口の約半分、37億人と同じだといわれています。アメリカにはニューヨークの金融のセンターであるウォール街を中心にして、金儲けに狂騒する大金持ちが獲物を狙って集まっています。もちろん先ほど言いましたように、トランプも250億円の年収があるわけですからその一部ではありますが、ウォール街の金融の専門家や大財閥とも闘ってきたわけです。

彼の言動の中には、オバマ大統領、あるいはブッシュ大統領、クリントン大統領なども非常に汚い言葉で罵しってきたことは皆さんご承知のとおりです。ヒラリーとの論争におきましても、あれほど程度の低い大統領候補の論争はないといわれるような状況でした。そういう中でもっとすごいのは、テレビでいえばCNS、CBS、NBS、いわゆる日本でいえばNHKから全てのテレビ局を敵に回しました。新聞はウォール・ストリート・ジャーナル、ワシントン・ポスト、そしてニューヨーク・タイムズ、全ての主要新聞も敵に回しました。

彼は、この巨大なアメリカの近代国家を造った既存の指導者、メディア、そしてあらゆる既存勢力を敵に回し、唯一Twitterだけで、たった1人で闘ってきたと言っても過言ではありません。にもかかわらず彼は当選をしたわけで、多分、これからヒスパニックや移民の人口が増えてきますから、白人の代表が大統領になれる最後のチャンスではないかと言われており、泡沫候補が大統領になったということです。

私見ですが、既に述べたように、トランプには政治理念や理想はありません。これはオバマと正反対ですね。オバマは理想ばかりを言って現実問題としてほとんど何もやらなかったと言っても過言ではありません。最後にキューバ問題を解決したというところはありますが、私はオバマはあまり評価をいたしておりません。

トランプの政策の柱は六つの項目で、はっきりしています。TPPはやらない。NAFTA、メキシコ、そしてカナダとの貿易協定については見直すということを言っており、これが不動産屋の一つのやり方だと思うのですが、彼の優れた点はバイで、相対で勝負しようと。あまりグループでやるとうまくいかないし、そういうのは好きではないというきらいがあります。そういうことで、貿易協定を見直し、日本に対しても自動車批判が既に出てきております。

何よりも今一度、強いアメリカを作りたい。外部に出てしまった雇用をもう一度増やすために、製造業をはじめ、みんな戻ってこいと。戻ってこないと35パーセントの関税掛けるぞというブラフをかけられてあたふたとしている自動車業界は、既にご承知のとおりです。強いアメリカの中には、雇用をもっと取り戻して、特に中西部の白人の生活レベルを上げたいという、非常に強い意志を持っています。

それから外交は、力による平和ということで軍備の強化。どのように予算を組むのかは分かりませんが、軍事費を増大していくそうです。それと治安が大変悪くなってきましたので、特に黒人を中心とした地域での治安をきちんと回復したい。そして、エネルギーはシェールオイルがありますので、今まで輸入に頼っていたサウジ、あるいは中近東からの油も要らなくなってきますから、非常に強いアメリカを造りたい。

話はそれますが、東京でも今、小池知事が「都民ファースト」ということを毎日のようにおっしゃっていますが、あれはトランプの「アメリカファースト」の言葉を「都民ファースト」に言い換えているだけの話です。これは余談です。

大統領に就任した途端、何をやったかといいますと、宣誓式が終わりましてすぐ部屋に戻り、オバマ大統領が苦労した「オバマケア」、国民の2000万人が影響を受ける保険制度を廃止するというのに署名したんですね。これが彼の最初の仕事です。そうするとトランプさんってどんな人なのということになるのですが、簡単に申し上げますと、新興成金の不動産屋が、突然日本国の首相になっちゃったという感じです。

従いまして、共和党員の中にも知り合いはほとんどいない。握手したこともないという人ばかりで、どうしても身内を頼らざるを得ないという形で出てきて大統領になり、1月24日現在、まだ閣僚は2人しか決まっていません。国防長官のマティスと国土安全保障担当のジョン・ケリーのたった2人ですが、15人の閣僚が必要です。閣僚以外でもCIAやFBIの長官ですとか、いろんなポストがあります。アメリカは人口に関係なく各州から2人ずつ出てくる上院議員100人の公聴会を通らないと正式閣僚になれないので、まだ2人では片肺飛行どころの話ではございません。

そういう政治ポストが約3000人分あり、これをがらっと変えなきゃいけないわけです。閣僚はこれからの公聴会で順次決まっていき、各省庁の次官級から局長クラスが決まるのには通常で最低1年かかるのです。ですから霞が関の局長さんは、日本では約600人ぐらいといわれますが、それと関連する組織の人は全部退陣して新たな人が入ってくるという、大移動をするわけです。

特に外交官におきましては、ほとんどが「ポリティカルアポインティ」といいまして、献金が多かった人、選挙で活躍して汗をかいてくれた人、これが英国大使になり、フランス大使になるという具合で、職業外交官が一流国の大使になる可能性はありません。日本でもこの間までのケネディさんは、何の政治的な力、外交的な力はありませんでした。アメリカの一流国への大使は、ほとんど論功行賞です。

また、アメリカには100日ルールというのがありまして、100日間はハネムーン期間で、メディアは対立しないということになっておりますが、果たしてメディア側がそれを守り通すかどうかは、大統領自身のTwitterによっては変わってくるわけです。明らかにこの人は白人主義ですね。大統領就任式で周りを見渡しましたけれども、出席者はほとんど白人しかおりませんでした。閣僚名簿にも1人も黒人の名前が挙がっていないという、オバマのときとは全く状況が違う異様な大統領就任式でした。集まった人の数も違いますし、就任式後は大規模なデモがあったということも新聞を見ていただければ分かるとおりです。

B出席者はほとんどが立ち上がったまま.JPG
出席者はほとんど白人でした


従いまして、彼はそういう激しい気性の中からNAFTAやTPPを排除し、NATO・北大西洋条約も見直さなければと言っていますし、国連をどうするかということにもつながっていくわけです。果たしてどこまで持つか私には分かりませんが、非常に個性の強い現実的な政策を打ち出していくようです。

もう既にイスラエルのネタニヤフ首相がアメリカで会見をすることになっていますが、イスラエルのテルアビブにある外交団の大使館の中から、アメリカだけがエルサレムに大使館を移動するということになれば、中東は今にも増して大混乱になる可能性があります。特に長女のイヴァンカの旦那さんはユダヤ人でユダヤ教徒です。そしてホワイトハウスにも入りましたので、大変強い影響力を持っております。

ここで新たな火花が散る可能性がありますが、とにかくアメリカファーストで、アメリカが良くならなければ世界は良くならないという考えの下に、彼はディール、いわゆる取引を通じて、これからの政治をやっていこうとするわけですから、これから日本がどのように対応するか、やはり負けないようにしなければなりません。

あの大手の新聞、メディア、既存の勢力と、Twitterだけで闘って勝った男ですから、紳士的なことを言ってみたところで彼自身聞く耳を持たない。先ほどまで大統領だったオバマが、精魂込めて議会工作したにもかかわらず、難航に難航を重ねてもできずに大統領権限でやっとたどりついた「オバマケア」という制度を、ものの見事に破棄する文書に署名をしたわけですから、何が起こってもおかしくはないと思います。

そういう意味で、いろいろな人がいろいろ解説や論評をしていますが、正しく言えば、アメリカを中心に、何も分からない不確実性の時代が到来したと私は思います。イギリスはEUから脱退をしました。メルケル首相もドイツを中心とし、何とかEUの盟主としてやっていこうと努力しておりますが、右腕であったフランスがあのような状態で左翼勢力が大変強くなってきましたので、彼女自身も非常に不安定な状況下にあります。

G7の中で言えばメルケルの次に政権が長いのが安倍首相であり、世界の中で最も社会が安定している国は日本ですから、日本に対する世界の期待も強まると同時に、われわれに与えられた国際社会での使命・役割・存在というものは、ますます高いものになっていくわけです。もちろん、国内的にはさまざまな社会課題を抱えてはいますが、世界的に見れば、これだけ安定して豊かな国は世界にはありません。

それぞれの国が社会不安を起こす理由の一つは、民族対立と宗教上の対立です。私は今、ミャンマーの国民和解の政府代表として、懸命に政府と小数民族武装勢力との和平に心血を注いでいます。ノーベル平和賞をもらったスーチー女史が、アメリカでは聖女のごとく取り扱われ、イギリスの国会で演説もして、ここでも聖女のごとく取り扱われてきました。にもかかわらず、仏教国ミャンマーにおいて、イスラム教であるロヒンギャという非常に限られた地域の問題の対応を巡っての国際批判と彼女に対する落胆は、ノーベル平和賞受賞者たちがこぞって国連安全保障理事会にロヒンギャ問題の解決という抗議文を出したことからも分かりますように、世界からあれだけ評価された女性が、ちょっと言い過ぎになりますが、一夜にして評価が変わりつつあり、懸命に努力はされているのですが、具体的な成果を出せない状況にあります。政治とは難しいものですね。

かつて日本の古い政治家の川島正次郎という人が、政治の世界は「一寸先が闇」だという名言を吐いています。トランプがどこまでもつのかはこの100日間で大体決まります。しかしながら、少なくとも4年間はやれるわけで、日本がどのように対応するかは、先ほど申し上げたように、一喜一憂しないことです。とかく日本の識者といわれる方々、新聞記事を書いている皆さま方、そして学者・文化人と称する人たちは、常に悲観主義に立った日本しか論じないのです。しかし世界から見れば、これほど豊かで平和な、いわゆる先ほど言いました宗教対立がない、民族対立もない、政治的にも安定した国は世界ではまれなのです。従いまして、我々はきちんと世界に対応できる社会であり、政治状況も安定をしており、そういう意味で内向き思考ではなくて、もっともっと自信を持つ必要があります。世界になくてはならない日本という存在は、特に東南アジアを中心にして急速に評価を高めています。にもかかわらず、私たちが自信を持てないことの落差は残念でなりません。

戦後70年が経ちました。かつての国連、国際連盟というものが最初、アメリカのウィルソン大統領によってつくられましたが、その国際連盟において、「人種差別撤廃法案」というものを最初に出したのはどこの国でしょうか。あの当時、世界で初めて人種差別撤廃を提案したのは日本政府で、言ったのは新渡戸稲造です。国際連盟の事務次長までして『武士道』という本を書かれた方です。現在、人種差別がいけないとか何とか、世界中で言っておりますが、最初に国際社会に発案したのは日本です。そして、その法案を否決したのは議長であるアメリカのウィルソン大統領で、同数になり提案を無視して破棄してしまったわけです。

そういうことで、日本は伝統的にも歴史的にも、国際社会の中できちんとした位置付けができる優れた国であるということに私たち一人一人が自信を持ち、そして素晴らしい日本国を造り上げたことで、既に世界の中で尊敬される国になっているわけです。そこを知識人やメディアのコメンテーターと称する人たちを含めまして、全く分からずに発言をしているということは、私たち日本国民の方向性を誤るだけではなくて、子どもたちに対しても良い影響を与えないのではないかと憂慮しております。

日々の報道によって一喜一憂することはありせん。日本国は世界から素晴らしい評価の対象になっています。別に私は安倍首相を持ち上げるつもりはありませんが、世界中を飛び回って、非常に高い評価を受けているのが分かります。個々の事例を見て、井戸の底から世界を見るのではなく、やはり鳥のごとく、1度空に舞い上がって世界を俯瞰してみれば、長い歴史と文化によって培われた日本という国がいかに素晴らしいものであるかということは理解できるのではないでしょうか。

どうぞ皆さま方におかれましては、日米関係も含め、イギリスのEU離脱、あるいはNATOの崩壊ということもあるかも分かりませんが、わが日本国はそういう国際的な評価の中でこれから生きていくので、一喜一憂せずに、自信を持ってじっくりと構えて、それぞれの与えられた分野の仕事をしようではありませんか。

最後に、日本財団はモータボート競走の収益金によって運営されておりますが、日本はもとより、世界中のさまざまな課題に対処をして活動しています。昨今、社会課題が非常に複雑・多様化してきております。特に子どもの貧困問題について関西地区での私たちの聞き取り調査によりますと、「君、将来何になるんだい。何になりたい」と聞くと、「うちはおじいちゃんもお父さんも生活保護でやってきたから、僕も生活保護でいくんだ」という答えが返ってくる。実話ですよ、これ。世界中回って子どもたちに聞けば、お医者さんになりたい、看護師さんになりたい、あるいは学校の先生になりたいという答えが必ず返ってくるのですが、僕、何になるか分からないという答え。これはやっぱり私たちに与えられた大きな責任ではないでしょうか。

次代を背負う子どもたちのためにご尽力をいただいている皆さん方です。どうか、日本財団はそういう貧困の家庭の子どもだけに特定はせず、第3の子どもの居場所づくりというものを作っていこうと思っています。私の子どもの時分には、学校から帰ればかばんをおっ放り出し、お米屋さんの前ですとか、炭屋さんの前に行けば必ず5、6人の子どもたちがいて、上は中学生から下は幼稚園児ぐらいが集まっていろいろな遊びをし、その中で「長幼の序」ありを自然に覚えたものです。現代はそういう仕組みがなくなって横社会といいますか、学校でも学習塾でも同学年との付き合いはあるが、学校から家へ帰るとスマホしかしないのです。

第3の居場所づくりを、これから全国的にやっていきます。そこには鉄棒もあれば縄跳びもできる。あるいは跳び箱もあり跳び方も教えてくれる。将棋も教える。そして時間があれば勉強もしてもらう。場合によってはおなかが空いたら食事の世話もすると。そして子どもたちだけじゃなく、年を重ねた大人も参加し、食事作りや昔話を聞かせてたり、工作の仕方を教えてくれたりもする。定年後、家庭にだけいては夫婦の間がぎすぎすしたものになります。老人も、老人っていうと失礼ですけれども、活動できる元気な人たちが、子どもたちと一緒に新しいコミュニティーをつくっていかないといけないのではないかということで、日本財団は「第3の居場所づくり」を全国展開していきます。

皆さまの所でそういうご要望がございましたら、われわれは喜んでお伺いいたします。とにかくすぐ仕事をするのが日本財団のポリシーです。難病を抱える子どもたちの施設を造るのも大々的にやっておりますし、皆さん方の地域で抱えている社会課題がございましたら、ぜひお声を掛けていただき、皆さん方と共に明るい未来を子どもたちに伝えていく責任が私たちにはあるのではないかと思います。共に汗をかいて仕事をさせていただきたいと思っておりますので、遠慮なく日本財団をご活用ください。ご清聴ありがとうございました。

訂正
トランプ大統領はウォールトンのビジネススクール出身と書きましたが、ウォールトンスクール(経営学部)出身の誤りでした。訂正させていただきます。
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「ハンセン病大国」―インド、ブラジル、インドネシア― [2017年02月10日(Fri)]
「ハンセン病大国」
―インド、ブラジル、インドネシア―


前回のブログで記した通り、上記3カ国は世界のハンセン病患者の約8割を占める。インドでは2005年に、国際社会からは奇跡といわれた人口1万人に1人以下の患者数になり、国家レベルでは制圧に成功。国父ガンジーの悲願が達成された。

しかし、国家レベルでは制圧されても州や県レベル、あるいは山岳部族などには未発見の患者が多いと想定されてはいたが、ここ10年ほどの患者数は横ばいが続いていた。

我々のささやかな活動が評価されたのか、ナッダ(J.P.Nadda)保健大臣の大号令のもと、ハンセン病蔓延地域を中心に、3億2000万人を対象にしたハンセン病発見大キャンペーンが行われた。

9月14日から10月4日まで、19の州149ディストリクトに対して約30万人のヘルスワーカーが投入された。対象となった地域では、隠れたハンセン病患者が多数発見された。最も多く発見されたのはビハール州で、4,400人にのぼった。この例からも、今後もハンセン病特有の隠れた患者を発見することの重要性を各地方政府に強調し続けていく必要がある。

モディ首相とは3回面談し、インドの宿痾(しゅくあ―長い間治らない病気)と呼ばれたハンセン病対策が又一段と強化されることになったことは嬉しいニュースで、私のインドでの活動も活発化され、数字で具体的な成果を実現したいものと、腕ならぬ足をさすって1月末からの出番を待っているところである。

面談.JPG
モディ首相からも力強い言葉をいただき・・・


インドネシアは人口3億人の多島国家で、2000年に制圧に成功したとはいえ、その後患者数は毎年16,000人〜19,000人の横ばい状態が続いている。その上、行政上の地方分権が進んだ為、中央政府保健省の指示が末端の行政単位まで徹底しない欠点がある。

昨年12月12日〜18日までインドネシアで活動したが、ハンセン病対策はほとんど前進しておらず、これでは駄目だと直感したので、「今年は貴国を6回訪問して各地方で徹底的に活動したいので、一年間の具体的計画を立案するように」と要請した。

保健省、WHO、日本財団、笹川記念保健協力財団が一体となって対策を立て、この一年精力的に活動して具体的な患者の減少が見られるか、保健省をその気にさせてモチベーションを上げてもらうにはどうしたら良いか、真剣に考慮しているところである。

世界唯一のハンセン病未制圧国はブラジルである。一昨年12月の訪問の折、「世界の貧困国でも制圧に成功しているのに、サッカーのワールドカップ、オリンピックが開催できる人材豊富なブラジルで、何故制圧達成できないのか」とある会合で話したところ、そのことが事前に保健大臣の耳に入り、不愉快な会談となったが、その直後、その大臣は退任された。

ルセフ大統領を中心にした大きな汚職問題から、ブラジル政府、特に保健省のハンセン病対策は機能不全に陥り、長年共に汗をかいてきた幹部は離職や転勤となり、打つ手なしの状況が続いている。

ジュネーブでWHOのマーガレット・チャン事務局長ともこの件について話し合ったが、有効な手段もなく、機会を見て私がブラジルに行くことにした。WHOとしては、天然痘撲滅に次ぐハンセン病の世界制圧は画期的な成果であり、チャン事務局長の退任(今年5月)の置き土産にしたいと心密かに努力してきたが、水泡になってしまった。

@チャンWHO事務局長と.JPG
チャンWHO事務局長とも話し合ったが・・・


「100里の道のりは99里をもって半ばとする」とは、困難な問題解決への私が常用する警句であるが、皮肉なことに、ブラジル1カ国の未制圧はまさにこの言葉通りになってしまった。しかし、残念至極の心境の中でも「困難な仕事を苦しみと考えず、詰め将棋のように、どのような手段・方法で解決するのかを楽しみとして考えよう」との持論を実践する大きな課題となってきた。

近頃、本番の将棋の試合でスマホを使った使わないの議論が話題となったが、私はアナログ人間でスマホも持たない。当方は一民間人、相手方ブラジル政府である。風車に立ち向かうドン・キホーテは槍を持っていたが、情熱と忍耐力と問題解決まで諦めない信念だけが私の唯一の武器である。
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