「ちょっといい話」その107
―遅れてきた博士号―
ウガンダのマケレレ大学はアフリカを代表する名門校の一つで、ウガンダ独立時の大統領ミルトン・オボテ、タンザニアの初代大統領ジュリウス・ニエレレ、タンザニア第三代大統領ベンジャミン・ウィリアム・ムカパ、ケニアの大統領のムワイ・キバキも卒業生である。
この大学から没後23年、故・笹川良一に名誉法学博士の称号を贈りたいとの連絡が、この春届いた。没後の名誉博士号の授与とは、浅学非才の私には理解できず丁重にお断りしたのだが、8月に検討委員会で決定され、この度、立派な一式が届いた。
亡父に代わり、記念に写真撮影をした。没後23年間も忘れず、亡父の功績を称えてくれたのである。
マケレレ大学博士号の衣装を纏い
父は何と言うでしょう?
1984年のエチオピアの飢餓に際し、「魚を与えるより魚の釣り方を教える必要がある」と、大学卒の農業の専門家育成に尽力し、今や、アフリカ22大学で6000人の卒業生が輩出されて各国で活躍している。
亡父の先見性に感謝を込めて授与されたものであろう。
※マケレレ大学からの功績文は、下記の通り記されていた。
名誉法学博士 故・笹川良一 殿
世界中の国々及び機関が評価する著名な平和を愛する指導者であり、寛大な博愛主義者であり、人類の発展、農業教育、ハンセン病、貧困と飢餓と闘う類まれな貢献を評価します。
貴殿は、真に自己の哲学を具現化した方です。
「世界は一家。人類はみな兄弟姉妹」