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笹川陽平ブログ(日本財団会長)

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5月16日(水) [2018年05月16日(Wed)]
5月16日(水)

7:15 財団着

9:30 シンガポール国際障害者芸術祭関係者

10:30 フィジー ジョサイア・ヴォレンゲ・バイニマラマ首相

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バイニマラマ首相


13:00 協力援助事業打合せ

13:30 武藤 浩 みずほ銀行顧問

14:00 西郷直道 駐ネパール大使

15:00 程永華 中国大使

16:00 菅井明則 笹川平和財団常務理事

17:00 田中明彦 政策研究大学院大学学長

22:30 羽田空港着

0:05 羽田発、ミャンマーへ
「趣味は草取り」―禅の修業に優る?― [2018年05月16日(Wed)]
「趣味は草取り」
―禅の修業に優る?―


筆者の近年の趣味は、30年前に購入した富士山麓山荘の草取りである。

冬はマイナス20度を越えることもある寒冷地ではあるが、4月中旬には早々に小さな芽が固い土から顔を出していた。昨年は200坪ほどの面積の草取りを4回行ったが、それでも草々の生命力に負けてしまった。

松の間を通るさわやかな風の音と巣作りに忙しい小鳥のさえずりを聞きながら、地面に両手・両膝をつき、無心に小さな草までも丁寧に抜き取るのである。茎の直径が3cm程で地面に張り付いている草でも、抜いてみると長さが10cm程の根が30〜40本もあるのには驚かされる。根まで抜かないと再生してくるので、小さな草を抜くのにも結構な作業となり、中にはトゲを持っているものもあるから注意が必要である。

5月は6回の海外活動である。寸暇を惜しんで連休の合間の2日間、朝5時から夕方6時まで、昼食のわずかな時間を除いて唯々無心に草と格闘した。時に立ち上がるには近くの木の幹に両手を掛けてゆっくり腰を伸ばさないと動けない時もある。腰が伸びたら仰向けになって何となく青空に浮ぶ雲の流れを見ていたら、犬の散歩をしている女性に「大丈夫ですか? 救急車を呼びましょうか?」と、顔を覗かれたこともあった。

父・良一は、禅の高僧であられた妙心寺派の管長・梶浦逸外(かじうら いつがい)氏に、「足も痛くなるのに、何で禅の修行には座禅が必要なんですかねぇ」と悪態をついた上で、「私は心外無悟道(しんがいごどうなし)、即ち、心の外に悟る道はないですから、便所の中でもできますよ」と言って、高僧を苦笑いさせたことがあった。

筆者に参禅の経験はないが、草取りは唯々無心に目の前の小さな草取りに徹するので、ストレス解消の妙薬であり、座禅の修行に似ているのかもしれない。しかし体の疲労感は、大げさな言い方をすれば、極限に近い。毎日ストレッチ体操で鍛えており足腰に自信があるはずだが、どうしても節々が痛くなる。結局のところ、禅とはまったく無縁のものであり、単なる筆者の意地かも知れない。

ここまで「雑草取り」ではなく単に「草取り」と書いたのには訳がある。かつて、東北出身の参議員議員であった伊藤五郎氏は、中央大学の夜学で勉強して弁護士になられた苦学力行の人であったが、趣味の俳句を上梓。一冊を当時の入江待従長を通じ昭和天皇に献本された。しばらくすると入江待従長より電話が入り、天皇が一句の誤りを指摘されたのでお伝えするとのことであった。

「名もなき草」とは誤りで、すべての草には名前がある。ここは「名も知らぬ草」とすべきと、植物にお詳しい造詣深い昭和天皇のご指摘に伊藤氏は恐懼感激(嬉しさのあまりに、恐れかしこまりながらも喜ぶこと)し、恥入ったとの逸話がある。このことを伊藤五郎氏の弔辞で話したところ、産経新聞の社会面で掲載されたことがあるが、これも遠い昔話になってしまった。

「やはり野におけるレンゲ草」と言うが、私が目の敵にする繁殖力が強く根の深いタンポポも、それぞれの場所を得て懸命に咲いている。植物学者でもあられた昭和天皇は、「名も知らぬ草取り」はご意思に反することであったかもしれない。自然は自然のままであるべきが正しく、私の趣味の草取りは、人間の単なるエゴなのかも知れない。
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