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笹川陽平ブログ(日本財団会長)

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「私は切腹覚悟」―新年度挨拶― [2018年05月02日(Wed)]
「私は切腹覚悟」
―新年度挨拶―

2018年4月2日
2階大会議室

 新年度で優秀な新人の方も入られましたので、総括的に話します。
世界中には多くの財団がありますが、日本財団のような組織は世界に一つしかありません。

 日本財団は、ボートレースを実施している地方自治体よりお金をいただいて運営しています。一時期は売上が8,500億円まで落ち込みましたが、昨年は11%も増え、1兆2,300億円を超えることができました。

 こういったお金が毎年自動的に入ってきており、今年の日本財団の予算は約500億円です。ここに集まっている皆様で500億円を使っていることになり、1人当たり5億円を扱う大変大きな責任を負っている組織です。今は金利が良くても2%くらいですので、500億円を得るのには2兆5,000億円が必要になります。2兆5,000億円の元金がなければ機能しないといった大きな組織が日本財団です。

 30年ほど前、日本財団は様々な財団をつくりました。そのことに対しては世の中から若干の批判もありました。当時はまだ民が社会のために働く組織というものが存在しなかったからです。しかし、存在しないものを待つばかりでは世の中は変化しないため、私たち自ら財団を作りました。

 例えば、30年前は競技スポーツ一点張りでした。しかし人々の健康を考えますと、子どもも大人も、生涯を通じてスポーツを行うことが健康を管理する上で大変重要なことで、それが社会福祉の費用の削減にもつながります。そのために競技スポーツではなく、国民の健康を考えるための生涯スポーツの組織として笹川スポーツ財団を、又、日本ゲートボール連合を設立しました。以前愛媛県で調査を行った結果、ゲートボールをやっている人は福祉の費用が県内で10%少ないというデータも出ています。

 また、当時の日本は県庁所在地に立派な競技場を作るのですが、使用されるのは年に数回で、ほとんど使用されていないというような状況でした。そうではなく、必要なのは財政難の貧しい町や村々に子どもたちが集える施設をつくることだと考えました。ヨーロッパではスポーツは全てクラブ組織で、日本のような学校スポーツ、企業スポーツは存在しません。日本でも町や村にスポーツ施設つくり、コミュニティを活性化していくことが重要だということで、B&G財団の名のもとに全国に600ヶ所近い施設を作りました。現在、それらの施設は単に子どもたちだけではなく、老人の健康管理といった過疎地におけるコミュニティのセンターになっています。当時から知育偏重で、現在は多少の体育がありますが、徳育教育は全くありません。教育というのは知育、体育、徳育の3つが揃って初めて健全な子どもたちが養成されます。B&G財団の施設は、今やそういう総合的な施設になり、特に施設の地域の教育長の皆様が全国のB&G財団のために熱意をもって集まり、未来を背負う子どもたちのために活動してくれております。

 現在、健康年齢と寿命との間に約10年の開きがあります。この10年の間に約4兆円のお金が使われており、この10年の開きを2年縮めるだけでも大変な効果があります。日本の財政赤字は現在約1,100兆円ですから、一人当たり900万ぐらいの借金を背負っていることになるわけです。戦後72年間、国民としての義務は果たさず権利ばかりを主張し、今や約1,100兆円もの借金をつくって次世代の子どもたちに託そうとしているのです。

 少子高齢化と言われていますが、こんな状況を次の世代に任せるなんて残酷極まりない話です。それにも関わらず、老人たちは近所に託児所ができると、時代錯誤的な考えでうるさくてしようがないと文句を言います。どこへ行っても子どもが元気に騒いでいる、泣いているということが健康な社会のあり方であるにも関わらず、逆に老人たちがこのような利己的な考えになっているということを、これから正していかなければいけません。

 日本財団は助成財団といいまして、アメリカのロックフェラー財団やフォード財団が始めたのですが、お金を必要とする人たちに支援金、補助金、助成金ということで資金を提供するのが仕事でした。しかし私は、助成だけで本当にいいのか、もっと世の中には必要なものがあるのではないかと考えました。財団は単に支援要請者に支援するだけでなく、社会課題をみつけて自ら活動することの大切さに気づいたのです。今、世界的にこの方法が大変優れていると言われ始めています。多くの財団が年間、何百何千と支援活動はしているけれども、具体的な成果がなかなか見えない。ましてや、政府まで動かすような活動というのはどこの財団もできておらず、そういう点でも、大変ユニークです。

 評価ということは昔からよく言われておりますが、日本財団では財団の中に監査部を設け、そこにファイアーウォール、障壁を設けて監査部が自分たちの意思によって調査できるようにしています。最近では、自己で勉強し、ある程度の事業の評価までできるようになってきました。どこを調査するかということは、会長も理事長も知りません。監査部独自で行い、やりたいことに対して我々はノーと言ったことはありません。

 世界には何万という財団がありますが、このように多種多様な事業を手がけるユニークな組織というのは、実は世界中に日本財団だけです。そこで私が常に皆さん方にお願いしていることは、日本財団があって皆さん方があるのではありません。一人一人の皆さんの活動の総和が日本財団を作っているのです。日本財団の職員ってすばらしい。よく気がつくし親切に教えてくださると、具体的に皆さんの仕事が評価してもらえるようになってもらいたいのです。一人一人の個性を評価してもらうことで、日本財団はすばらしい組織だと人々に評価される団体になりましょう。

 又、職員には広報活動もして欲しいと思います。色々なところに投稿し、文書を発表している人たちにはちゃんと原稿料を払います。少し柔らかい話では、インスタグラムをやってほしいと皆さんにお願しましたら、今、6割ぐらいの人が参加してくれています。財団職員の皆さんは日本中、世界中、色々なところに行って活動しているしょう。そういうところでの活動の一環をインスタグラムで出していくことが、SNSの時代、皆さん方が思う以上の大きな波及的効果を発揮します。

 かつては日本財団はこんないいことをしていますよ。ぜひ取り上げてくださいと言って雑誌社を回り、新聞社を回ってお願いしても、メディアというのはバッド・ニュース・イズ・グッド・ニュースで、悪いニュースはニュースとして価値があるけれども、良いニュース、良い話というのはニュースにならないんです。ところが今や、我々自身が自ら情報を発信できる時代になったんですから、これを活用しない手はありませんね。コミュニケーション部があるから任せるのではなく、一人一人が小さなことではあるけれども、意識を持ってインスタグラムに投稿をすれば、その総体としてはかり知れない波及的効果が生まれます。日本財団の職員、こんなところに行っているんだということを5年10年と続けていけば、大きな信頼を勝ち得ると同時に、困っていることを日本財団に頼めばやってくれるかもしれないという信頼関係が生まれ、国民との間を結ぶきっかけにもなり得るかもしれません。私が皆さん方にインスタグラムをやれと言うと面倒くさいなと思われる方がいるかも知れませんが、皆さん方には発信に協力して欲しいでのす。

 この1年間に使われる500億円という巨大なお金はほとんどボートレースのお金ですが、寄附も沢山いただいています。最近も遺贈の広告を打ちましたら、沢山の方々から反応がありました。これは私たちが稼いだお金ではなく、お預かりをしているお金です。500億のお金をこれだけの人間で使うということになるとコスト意識に欠けがちですが、一銭たりとも無駄遣いするわけにはいきません。自分のお金はどうぞご自由に無駄遣いしてください。しかし、公に預かっているお金ですから、きちっとコスト意識を持って使っていくということは片時も忘れてはいけない忠実義務であり、一番大事なことだと思います。そういう意味におきまして、今回も新人にはまず総務に配属しました。日本にはNPOが10万、財団法人が10万、合計20万あり、日本財団はその中のトップです。公のお金の管理ということで多少自由度に欠ける点はありますが、そういう仕組みをまず覚えていただいたいと思います。

 皆さん、公のお金のために使い勝手が悪いと思われるかも知れません。しかし、書類、その他も整備しなければいけないというのは日本財団に限った話ではありません。どこの会社に勤めても稟議書というものもありますし、もっと複雑な過程での審議というものもあります。そういう点では、日本財団の今の仕事の決裁への道筋というのは非常に短くなっています。東京都なら最終決裁するためのハンコは確か27個も要ります。ちょっと面倒だと思われるかもしれませんが、ほかに比べれば簡略された組織であることは間違いありません。

 日本財団は、事業部の皆さん方が先端を切って色々な仕事をやっていますが、バックオフィスの総務、経理、そして監査というものがしっかりと機能することは最も大切なことです。大概の財団では、バックオフィスがきちっとしておりません。良い仕事をすればそれでいいだろうということになりますが、これだけ日本財団が注目を浴びてきますと、ちょっとした金銭的な不都合が起これば、バッド・ニュース・イズ・グッド・ニュースですから、世間の話題になる可能性が大きいということを、常に心に留めて行動して下さい。

 日本財団の組織の特徴は、常に皆さん方の仕事がしやすいように変化をしていくことです。今日は昨日の続きではありません。我々の年代になると、どうしても過去の延長線上になってしまいます。未来に向かって変わっていくには、ここにお集まりの若い人たちが未来志向を持ってやっていただかないと、いつも申し上げていますように、強い組織が生き残るわけでも優秀な頭脳を持った人の集団が生き残るわけでもありません。常に変化し、未来志向で変わっていく柔軟な組織が生き残り、発展をしていくんです。これはダーウィンの進化論を読めば分かります。

 オフィスを変える。決められた机も椅子もなくなりました。多少不便かもしれませんがたったこれだけの職員ですから、皆さん方の間でのコミュニケーションをより豊かなものにしていく、相互理解をする、情報交換をする、誰それはどういうことをやっているということをお互いにわかるようにするには垣根をとってしまうということが大事じゃないかということで、オフィスも変えたわけです。組織があって人があるわけではないんです。皆さん方が働きやすい職場にすることが私たちの役目ですから、都合が悪ければまた変えればいい話で、その辺は柔軟に対応したいと思います。

 私は皆さん方に「日本財団という方法」という言葉を常々話してきました。これからの日本財団は、日本が抱えている膨大な財政赤字解消のため、今まで主張し続けてきた権利意識一辺倒を変え、国民としての当然の義務も果たしていただくために、日本が抱えている社会課題の解決に注力を注いでいく必要があります。今や政府や行政だけでは仕事ができません。やはり民の力も借りなければいけないということについて、政府や行政もようやく気がつき、その先鞭をつけてきたのは日本財団です。

 ミャンマーの例をとってみましても、世界的にミャンマーには国際機関、多くの国々の在外公館等が入っているのに、何故日本財団だけがこれだけの活動できるのかと評価を受けています。これは外務省が日本財団の活動を評価して100億円の活用資金を提供してくれたからです。金融庁からも仕事の依頼があり、また、児童福祉法の改正については厚労省からも色々な相談事も受け、法務省とは再犯防止について、国土交通省からは造船事業や海についての啓蒙活動についても相談を受けています。しかし、私たちは私たちのやり方でやるのであって、決して国や行政に魂を売ることはいたしません。

 「日本財団という方法」は、例えば、犯罪者の再犯防止に関しては法務大臣をはじめ法務省の担当官、メディアや専門家企業人にも参加して議論してもらい、ある程度の方向性が出たところで即、日本財団はこれを実行し、モデルケースを実現してNPOや地方自治体の活動の参考にしてもらいます。それが私の言う「日本財団という方法」で、社会課題を解決し、社会的コストを下げていくという非常に大きな存在になっていかなければならず、皆さん方に課せられた仕事は大きいのです。

 最近言われなくなりましたが、かつては陽明学という学問が日本では大変盛んでした。これは、持っている知識と行動が一致することです。難しい言葉で知行合一と言うのですが、今は知識を持った人は単なる口舌の徒、テレビに出て口先で知識を披歴するだけで行動が伴わずでは何にもなりません。知識のある人は行動をとらなければいけません。知識がなければ学べばいい話です。どうぞ皆さん方、日々、何となくこの財団に来るのではなく、常に何が社会課題なのか、何が問題なのかという問題意識を持って財団に来て下さい。私たちは柔軟に、可能な限り、若い人の意見を吸収してやっていきたいと思っています。

 最後に申し上げますが、世界で誰も言ったことのない言葉を皆さんに披露します。
皆さん方の仕事の失敗は全て私が責任をとります。私が責任をとると言っているんだから自信を持って、大胆に上司と相談して実行をしていただきたい。溌剌とした皆さん方の活動が、これからの日本国にとって必要であると同時に、世界にとっても必要な日本財団になるように、皆さん方の活動の責任は全て私が負います。私が腹を切ればそれで終わる話ですから、心配することはありません。

 新年度を迎えて、新たな気持ちで共に協力しましょう。
 ありがとう。
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