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「海の日」 [2017年08月14日(Mon)]

「海の日」


夏休み真っ盛りである。しかし気候温暖化のせいかことの他厳しい夏で、各地で集中豪雨が頻発しているが、体調に注意していただき、子どもたちにとって楽しい夏休みにして欲しいものである。

7月20日は世界唯一の「海の日」が祝日の日本。しかし、ハッピーマンデー制度で今年は7月17日が「海の日」となり、政府主催の「海と日本のプロジェクト」の総合開会式が、海運海事関係や子どもたちも参加して、晴海旅客ターミナルで開催された。

そこで思わぬ珍事があった。
総理大臣のメッセージの代読は通常、それなりの役職の方が壇上で読み上げるものだが、何と、女性司会者が壇上下の司会者席から読んだのである。各大臣のスピーチも型通りで、子どもたちへの話は皆無に等しかった。

そこで私は、即席で下記のような子供向けの挨拶をさせていただいた。

****************

「海と日本のプロジェクト」
―総合開会式 挨拶―

2017年7月17日
於:東京湾晴海客船ターミナル


ご紹介たまわりました日本財団の笹川と申します。よいこの皆さん、ようこそおいでくださいました。みなさんに「日本財団」といってもよくわからないと思いますが、2020年のオリンピック・パラリンピックでは、特に、障がいを持ったパラリンピックの選手を全面的に支援しています。また、オリンピック開催には9万人のボランティア活動をする人たちが必要ですが、そういう人たちを養成することも日本財団の仕事です。

皆さんのようにご両親に恵まれ、幸せな生活をされていらっしゃる方もいますが、不幸にして出来ない人もたくさんいます。また、難病に苦しみ、病気と闘っている子どもたちもいます。そういう人たちに勉強を教えたり、たとえ一時でも病院以外の施設で家族と一緒に楽しんでもらう。そのような活動もしている財団です。覚えておいてくださいね。

最近、北九州でも大雨が降りましたね。どうしてこんなに激しい雨が降るようになったんでしょうか。これも気候変動が原因といわれていますが、あまりにも地球上に人間が多くなりすぎ、たくさんのガソリンを使い、冷暖房を使用し、多くの熱を排出したため温度が上がってくるんですね。

南太平洋には小さな島がたくさんありますが、自分の住んでいる国自体が海の底に沈んでしまうという危険がある島もたくさんあります。海温が上がると魚がどんどん移動し、かつて沢山とれていたところでとれなくなったりしています。日本財団では世界中の学者と一緒に研究していますが、あと30年もすると日本の近くの海では、みなさんの好きなお魚がいなくなってきて食べられなくなることが心配されています。そんなことを想像できますか?

地球の三分の二は海です。海は、日本では「母なる海」といわれますが、それは全ての生き物が海の中から進化してきたからです。人間も何億年もかかって進化して今のような人間の姿になったといわれています。皆様方はお母さんが大好きで大切に思っているでしょう。それと同じように「母なる海」を大切にしてもらいたいのです。最近は皆さんの海に行く機会が少なくなってきているようですが、海は静かに悲鳴をあげて苦しんでいるのです。これ以上海を汚されたら魚が住めなくなりますよ。そんなことになると人間は生きていけませんよという悲しい声をあげているのですが、専門家の先生以外、誰も気がついていないのです。

世界の人口は70億人をこえましたが、日本は、先ほど大臣の先生方がお話しされたように、海がなければ生きていけない海洋国家なんですね。日本は世界でたった一国「海の日」が祝日となっている国です。お休みになっている国は世界194か国で日本だけなんですね。ただ少し残念なのは、海の日というのは7月20日と決まっていたのですが、少し昔に不景気なときがありまして、休みを増やして観光客を増やさないといけないということでハッピーマンデーと海の日をくっつけたんです。その時はそれでよかったんですが、今は外国からもお客さんがたくさん来る時代になり、もうハッピーマンデーは必要ないんです。ですから7月20日が海の日だと皆さん方や皆さん方の後輩にもちゃんと分かるようにしなければいけないと思います。来年の海の日はいつか、皆さん分からないでしょう。おじさんも分からない。それじゃいけない。世界で唯一海の日を祝日としている国ですから、これから国会議員の先生方にもお願いし、皆さん方の協力も得て海の日を7月20日に固定化したいと思っています。作るときは皆さん方のお父さんやお母さん、おじいさんやおばあさん、みんな署名してくれて海の日をつくったのです。ですから、もう一度皆さんの力を借りて、7月20日を海の日の祝日とし、日本はきれいな海を保ち、世界でもっとも海を大切にしている国になってほしいと思います。

海に関わる仕事というのもたくさんありますね。今日は皆さん方に大きな船に乗ってもらいますが、船を作る会社もたくさんあります。そして自動車会社やいろいろな機械を作っている会社は、作ったものを大型船に乗せて外国に輸出しています。そして食糧は、日本はたった40%しか作ることができないんですから、60%は外国から輸入して船で運ばれてきます。

そういうことで、海は私たちにとって大変大切なものです。皆さん方大きくなったら、造船会社で船をつくるとか、船に乗って外国に荷物を運ぶとか、あるいは外国に輸出できるような商品を作るとか、何らかの形で海に関わる仕事をしてほしいですね。今日は海のことを大いに勉強してください。

日本財団は日本政府と一緒に、今日から全国で1,500の海についてのプロジェクトを行い、150万人が参加する予定です。皆様方の仲間にも浜辺でゴミ拾いをお願いしています。海や浜辺のごみ問題も深刻です。みんなで協力し、お相撲さんたちも手伝ってくれて一緒にゴミを拾い、その後お相撲さんときれいになった浜辺で相撲をとる計画もあります。全国で40以上の地方のテレビ局がみんな協力参加してくれて、海のことをみんなに知ってもらおうという企画がたくさんテレビに出ます。是非テレビを見てくださいね。勉強になるテレビですから。お母さんはあまりテレビは見てはいけないというかも知れませんが、海の日のテレビだけは見てください。そして、今日は大いに楽しんでください。

ありがとう。
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