「読書運動」―
一年に30冊の読書―
私は日本財団の職員に一年間に30冊以上の読書を呼びかけてきた。30冊以上の読書終了者全員にポケットマネーで夕食をご馳走するという条件付きであったが、一昨年はたったの3人で、内心愕然とした。昨年は年初と秋にも発破をかけたので16人と激増し、夕食会の出費は増えるが、嬉しいことではある。
55冊読破が第一位であった。できるだけHow To本ではなく、歴史の風雪に耐えてきた名著といわれる古典を読んでほしいとの希望を伝えているが、正直なところそこまでは無理のようだが、職員の意識の中に読書の大切さを理解してくれる人が増加したのは喜ばしいことである。
全国学校図書館協議会の調査(2016年6月)によると、過去1ヶ月間に1冊も本を読まなかったと答えた高校生は57%もいた。15年度の内閣府の調査によると、高校生の場合、スマホでインターネットを使った時間が一日二時間以上は67%と、増加傾向にあるらしい。
出版界の業績が急速に低下している中、読書の大切さと読書の楽しさをもっと啓蒙してもらいたいものである。
「私が人生を知ったのは、人と接したからではなく、本と接したからである」
アナトール・フランス(ノーベル文学賞受賞者)