「中国の小話」その93―G20余話― [2016年09月07日(Wed)]
☆今、習近平政権は国内の言論統制を徹底しているが、それでもネットユーザーたちは一向におびえる様子はなく、冷めた目でその特有のユーモアセンスと巧妙な表現で政権党や政府に対する痛烈な批判と皮肉を毎日のようにまき散らしている。
「中国の小話」その93 ―G20余話― G20とは20ヵ国の首脳会議の事で、中国が初めての議長国となった今年のG20は、厳戒体制の中、杭州市で無事終了した。 報道によると、過剰警備によるトラアブルも多々あったようで、特にオバマ大統領が専用機で到着の折、外交儀礼の赤じゅうたんを用意せず出迎えた上、大統領が最も信頼するライス大統領補佐官らが大統領に近寄ろうとした際、中国側の警備に阻止されたり、同行記者団にも退去を求めたと、9月5日の日経新聞は伝えていた。 初めての議長国として厳戒態勢の警備となったのであろうが、地元杭州市民への監視体制は更に過酷だったようで、市民は悲鳴をあげ、下記のような笑い話がポータブルサイト上で爆発的な人気を集めたようだ。 ************** 夕食後、スーパーへ行って翌日の朝食用に紙パックに入った牛乳を買った。しかし、スーパーを出るところで警備員に止められ、安全チェックのため一口飲めといわれ、仕方なくパックを開けて一口飲んで、安全な液体であることを証明した。 その後、路線バスに乗ろうとしたら、運転手からも安全確認のため一口飲むように求められ、指示通りに一口飲んだ。バスを降りたら、警戒中の警察官の職務質問でまた飲まされ、更に団地の守衛からも安全確認のためといわれ、残りも全部飲まされてしまった。 空っぽになった牛乳パックを手にエレベーターを降りたら、隣の青年が、片手にサラダ油の空き瓶、片手に空のお酢のガラス瓶をぶらさげ、悲しげに立っていた。 ************** このような国だからこそ、世界で有名な北京のスモッグも、重要な会議の際には昔の「北京秋天」となるのです。その代わり、何百何千の企業はその間休業状態にさせられ、市民も石炭や練炭の使用が制限されるそうです。 |