☆今、習近平政権は国内の言論統制を徹底しているが、それでもネットユーザーたちは一向におびえる様子はなく、冷めた目でその特有のユーモアセンスと巧妙な表現で政権党や政府に対する痛烈な批判と皮肉を毎日のようにまき散らしている。
「中国の小話」その92
―総理が視察に来る―
李克強総理が市場を視察したときの肉屋の店主との対話。
総理:いい肉だね。商売はどうですか?
店主:平日はいいけど、今日は全然売れていません。
総理:それはなぜ?
店主:総理であるあなたが来たからですよ。
総理:じゃ、私が1キロ買うよ。
店主:いや、売りません。
総理:なぜだね?
店主:総理が視察に来るということで包丁が使用禁止になりました。
総理:しょうがないね。それでは包丁を使わなくてもいいこの塊をいただくよ。
店主:やはり売りません。
総理:これまたなぜだね?
店主:総理が来る前は500グラム20元だったのが、総理が視察に来るからといって500グラム
2元と決められ、売れば18元の損が出るのです。
総理:じゃ、500グラム20元でいいから、一塊ください。
店主:それでも売りません。
総理:またなぜ?
店主:私は実は肉屋の店主ではありません。本当の身分は武装警察です。
(注:店主に扮している)。
総理:なに?君の上長を呼んで来い!
店主:上長はあっちの店舗で魚介類を売っています。
某市場を視察する李克強総理の写真がネットで話題に
このような会話があったかどうかは不明だが・・・
【解説】
要人の行く先々で厳重な警備が敷かれる中国。総理が市場を視察して親民路線のアピールが狙いだが、商売で生計を立てている人たちにとっては正に災難。絶対安全を守るためにこの対話のような仕掛けをし、偽の店主たちをたてるケースも珍しくない。
これは指導者と市民の信頼関係を揶揄した小話である。