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笹川 陽平
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12月5日(金) [2014年12月05日(Fri)]
12月5日(金)

6:15 成田着

8:00 自宅着

13:30 財団着
    書類整理・打合せ

16:00 羽生次郎 笹川平和財団会長

18:00 ミンコーナイン ミャンマー88世代民主化勢力歓迎会
「脚光を浴びる北極海航路」―国際セミナー― [2014年12月05日(Fri)]
「脚光を浴びる北極海航路」
―国際セミナー―


北極海航路の開発が脚光を浴びている。地球温暖化により急速に北極海の氷が解け始め、不可能とされていた船舶の航行が可能なってきたからである。

1990年、ノルウェーの外務大臣が日本財団においでになり、チャレンジングな北極海の夢の航路開発を共同研究しようと提案され、私は即座に了解した。

研究は私が委員長として、ノルウェー、ロシア、日本の科学者や専門家によって10年間にわたり続けられ、横浜からロシアのムルマンスク港までの実証実験も行った。

当時は北極海の氷海域が今日のように大幅に縮小するとは考えられないことであった。しかし、今や現実なものとなった。

日本の関係者にその実情を理解してほしいと考え、国際セミナーを開催した。

以下はその時のスピーチの要約です。

―北極海航路の利活用に向けた国際セミナーin 東京―


2014年11月7日
於:ホテルオークラ


DSC_1568.JPG


海洋政策研究財団と日本財団の共催による北極海航路の利活用に関する国際セミナーは今年で2回目となります。今回もロシア、ノルウェー、デンマーク、韓国、中国の北極海航路に関する専門家及び海事産業関係者の皆様に多数お集まり頂きました。日本政府の菅沼健一北極担当大使、そして駐日ノルウェー王国大使館臨時代理大使ビョーン・ミットゥン氏にもご列席頂きました。これほど多くの方が御参加くださるということは、会議を主催する者にとりましてこの上ない喜びでございます。

また、北極海に対する関心がこれほど高いということも、日本にとってありがたいことです。先程司会者から紹介がございました通り、1990年代の初め、当時のノルウェーの外務大臣が突然、私の事務所を訪問され、北極海航路の可能性についてお互いに勉強しないかというお話をいただきました。ご承知のように、ノルウェーは北極や南極等の極地研究について世界最高水準の専門的知見を有する国でございます。私はすぐに「チャレンジする事は良いことだからやりましょう」とお応えしました。その後、ロシアの専門機関も参加し、本日お見えで、当時北海道大学の教授であられた北川先生が中心となって約10年間にわたり北極海航路の研究を行いました。

その研究の結果、北極海航路を商業利用することは技術的には可能であるとの結論を出しました。実際に横浜からムルマンスクまで船舶を航行させた経験もございまして、大変うまくいきました。当時、ノルウェーのオスロでまとめの会議を開催したのですが、一番多く参加されたのがスエズ運河の関係者だったことに驚きました。彼らからすると商売敵が出てきたという認識のようでしたが、「これは先の話で、可能性について研究しただけです」と慰めたことを覚えておりますが、こんなに早く北極海航路の本格利用というものが現実味を帯びてくるとは想像もしていませんでした。その後国際社会は、ロシアを中心にしまして大きく北極海の活用という方向に舵が取られてきております。

我々は北極海航路という新たな海の恩恵に預かろうとしているわけでございますが、それにはやはり相応の責任と貢献を果たしていかなければなりません。この件につきましては様々な国際会議等で問題提起されてきましたが、北極海という特殊性のためか効果的な対策が進んでいるとはいえない状況にあるのではないでしょうか。

そこで私は、昨年のこのシンポジウムでも申し上げましたが、日本財団並びに海洋政策研究財団は3つの分野で協力あるいは参加していきたいと表明いたしました。

1つ目は、商業利用の促進として、この利活用に関するセミナー等を開催することです。北極海航路の両端、つまりヨーロッパとアジアの海事関係者や企業が、今まで北極海航路の商業利用について話し合う場がございませんでしたので、そういう機会をぜひ作りたいという思いがございます。今年もロシア、ノルウェー、デンマークからキーパソンの方がお見えになっておりますので、コーヒーブレイクの時、あるいはレセプション等で幅広く意見交換をしていただければ、我々主催者としては1つ目的を達成したことになるのではないかと思っております。

2つ目は、北極海の総合的海洋管理を推進するために、海洋政策研究財団と共に包括的なガバナンス体制の構築を目指した調査研究を行います。ご存知の通り、海洋管理という点については、北極は南極と大きく異なります。北極には資源開発や環境保護等の様々な利害調整の枠組みがいまだ存在しておりません。さらに北極沿岸国が有する領域主権や管轄権の存在を前提に議論を進めなければいけないという難しい状況にあります。ですから、日本財団や海洋政策研究財団のような民間組織が、主導できる分野においては積極的に主導し、その打開策を図っていくべきだと考えています。

3つ目の支援でございますが、北極海という閉ざされた海に対する科学的調査をしっかり行うことが非常に重要だと考えております。万が一でも環境汚染につながる事故が発生すれば、北極海の生態系に与える影響は計り知れないものになるでしょう。そういう意味でも、国際共同研究用観測船を保有し、研究を積み重ねることで科学的知見を蓄積する仕組みが必要ではないかと考えております。日本は北極評議会のオブザーバー国であるわけですから、各国の研究者が活用できるような国際研究のプラットフォームとして、日本の役割として、観測船を建造する必要があるのではないかと考えております。この点については然るべき提言を日本政府に行い、ぜひ実現していきたいという熱い希望を持っております。

DSC_1561.JPG


世界の新たな大動脈となりうる北極海を航行ルートとして利活用していくことは勿論ですが、海洋管理や科学調査という面においても、我々は責任と貢献を果たしていかなければなりません。科学的調査の実施、管理体制の構築、そして利用の促進、この3つの分野を有機的に繋ぐことが北極海航路という海の国際公共財を適切かつ持続的に利用するために必要であると考えておりますので、この分野において、日本財団並びに海洋政策研究財団は引き続き協力してまいりたいと願っております。

既に多くの船舶が北極海航路を航海しておりますし、それぞれの国が専門的な知見を有しているかと思いますが、日本は若干の遅れをとっていることは否めません。しかし、1990年の初めに日本が既にノルウェーやロシアと協力して北極海の開発に挑戦したという実績があり、その際の報告書が日本語やロシア語で発表されていますので、今一度それをご覧いただきたと思います。

皆様には本日のシンポジウムを通じてさらに深い理解をいただきたいと思います。また、海外からお見えの皆様との意見交換を通じ、日本がさらに北極海の国際的な開発へ貢献できればと願っております。

どうぞ豊かな議論が行われ、多くの方々との交流の場になることを願って開会の挨拶とさせていただきます。
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