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笹川 陽平
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2月26日(水) [2014年02月26日(Wed)]

2月26日(水)

8:00 語り場

8:30 CSR事業打合せ

9:00 森田文憲 日本海事科学振興財団理事長

10:00 理事会

11:00 羽生次郎 笹川平和財団会長
    今 義男 海洋政策研究財団理事長

12:20 宮本正顕 笹川アフリカ協会理事

13:00 武部恭枝 プライムコーポレーション代表取締役

13:30 紀伊國献三 笹川記念保健協力財団理事長

14:00 テレビマンユニオン・ビデオ編集

16:00 西田陽光 次世代社会研究機構代表理事

16:30  テッ・ナイン・ウィン ミャンマー国境大臣
140226.JPG


18:00 モンゴル国会議員訪日団歓迎レセプション

19:30 アジア大洋州大使会議レセプション

「日本人としての誇り」その2―講演― [2014年02月26日(Wed)]

「日本人としての誇り」その2
―講 演―


「第6回B&G全国サミット」
於:笹川記念会館・国際会議場


講演会.jpg


世界は日本をどう見ているか。BBC放送が3年に1回行う調査では、世界百数十カ国の中で最も平和で安定した国は日本という結果が出ています。これまでに世界125カ国を訪れてみて、日本ほど四季が明確で、はげ山がない国はまずありません。山紫水明と言いますが、20世紀後半の世界の大問題である水問題ひとつをとっても、中国などは水がなくて、地下水を掘っても公害の水で飲めないということで、南の揚子江の水を黄河流域に流し込むことまでやっていますが、全然足りません。日本のように、ちょっと山に入れば手ですくって水が飲めるような国はありません。

日本には1000年もの昔に女性が書いた源氏物語を筆頭に、多くの小説や書き物があります。1000年前のヨーロッパは手で物を食べていました。その時代に日本人は箸を使って食べ、上流階級の人は詩歌を歌い和歌を作って恋愛をしていたんです。知的水準が高いのです。

人口が100万を超えた江戸の街には、近年、世界の人が望む、環境を重んじた循環社会が既にできていました。町民と言われる人たちは権力を持たないものの、歌舞伎や人形浄瑠璃を楽しみ、お伊勢参りをし、自由闊達な生活ができる環境があったんです。

ビクトリア王朝で活躍した英国の憲政学者ウォルター・バジョットは、国の理想的な体制は権力と権威を分離することが望ましいと言っています。そういう国はどこにあるんでしょうか。日本でしょう。天皇家は権威はお持ちになるが、権力は将軍家が持ち、権威と権力を分離したのです。英国の学者が言う素晴らしい制度が日本の中に、知らず知らずに誕生していたのです。

マーチン・ルーサーキングは黒人の人権運動でノーベル平和賞をもらいましたが、アメリカの人種差別はいまだに深刻な問題です。世界から人種差別をやめようという提案を国際会議で初めて行ったのは日本なのです。第1次世界大戦後のパリ講和会議・国際連盟委員会で提案し、議長をしていたウィルソン米大統領の拒否で通りませんでしたが、人類の普遍的原理である人種差別撤廃決議まで出した日本が、誇るべき外交成果を言わないまま、従軍慰安婦問題に翻弄されているは姿は情けない気がします。

サミュエル・ハンチントンは日本を世界の八大文明の一つに位置付けました。かつて中国から影響を受けたものの、それを消化しながら独自の文明を作ってきたのです。中国の近代化の関係で言えば、日本はマルクス、レーニンをはじめ、社会主義の文献の多くを日本語に翻訳していました。しかし中国にそういう言葉はなく、日本語を取り込んで今の中国共産党理論を作ったのです。中国の学生に「中華人民共和国」の中で中国語はどれかと聞くと、バカなことを聞いているなっていう顔をしますが、中華以外、人民も、共和も、国も日本語です。労働者、資本家、経営者、企業、賃金、芸術、文化、哲学・・・。中国で使われている約1400を超える社会科学系の言葉は、全部日本語です。中国は日本から言葉を輸入して今の共産主義体制を作り上げたとも言えるでしょう。

こういう話をほとんどの人は知りません。ですから私たちは、先人たちが築いてきた歴史や輝かしい文化を、きちっと次の世代に伝えていく必要があるのです。誇りを持つことと傲慢になることは別です。日本人は、謙虚で秩序ある国民性に立って、2000年の長い歴史を身に付け誇りを持つことが大切です。

国語教育の中に英語を取り入れるとか言っています。グローバリゼーションの時代、英語も必要ですが、日本のことを知らなかったら何もしゃべれない。勉強していないから外国人から聞かれても答えようがなく、「日本は特殊な国です」って逃げているうちに、「日本特殊論」が近年まで日本の位置付けになってしまった。これは学者や外交官の責任です。

日本は今、アベノミクスで経済が栄えようとしていますが、ここにも日本の特徴があります。世界で100年以上続いている企業はそれほどありません。アメリカでも100もないでしょう。マイスター制度、いわゆる匠の世界のあるドイツでも約2000と言われています。ところが日本には100年を超える企業が5万社もあります。自らの仕事に誇りを持ち、創業者の伝統を生かしながら社会の変化に対応してきたのです。

多分、韓国ではゼロでしょう。韓国は両班(ヤンバン)といって軍人か役人、この二つを目指します。それ以外の職業は下賤なものされ、有名な料理屋もお金が貯まれば息子を海外に留学させ、運動神経のいい子にはゴルフを教え、プロにするために店をたたんで家族ぐるみで海外に出て行く。中国、韓国人の多くは次に産まれてくる時には他の国がいいと言います。これに対し日本人は90パーセント以上が次に産まれてくる時も日本がいいと言いながら、自らの国に誇りを持っていないのは残念であり、不思議なことです。

笹川会長.jpg


江戸時代末期から明治時代初期にかけて日本を訪れた欧米人の手記や書簡を掲載したベストセラー、渡辺京ニ氏の『逝きし世の面影』を読むと、いかに多くの外国人が日本を絶賛しているかがわかります。東京から日光に抜け福島、秋田、青森を通ってアイヌまで旅をしたイザベラバードという女性は、日本の田園風景の素晴らしさ、貧しいながらも礼儀正しい、いつも笑いを持った国民は珍しいと書いています。相対性原理を発見したアインシュタインも日本を絶賛しています。黒船で最初に伊豆に来たハリスは「こんなに笑顔を持って、子どもを大切にする国を見たことがない。こういう国に西洋の文化を入れていいのだろうか」と日記の中に悩みを書き遺しています。

先般、産経新聞の正論誌に載った慶応大学生、山本みずきさんの「18歳の宣戦布告国家観なき若者に次ぐ」が評判を呼びました。高校1年生で福岡県から選ばれ大使としてマレーシアに行った時、『君が代』を知らず、恥ずかしい思いをしたということを書いています。アメリカでは学校の教室には必ず星条旗を置き、いたずらをすれば星条旗を持たせて「もう二度としません」と約束させています。

国旗や国歌は思想、信条を超えて存在する普遍的なものです。軍国主義と関係するとかしないとか、そんな議論をしているのは、世界広しといえども日本だけです。だから日本の常識は世界の非常識と言われるのです。どうか次代を担う日本の子どもたちが自信と誇りを持つよう、きちっとした教育、しつけをしていただきたい。日本人の顔をした無国籍の子どもを増やしてはなりません。

宗教争い、民族紛争のない国を世界の中から探してみてください。ほとんどないのは日本だけです。権威と権力が分離した普遍的な政治体制を持つ国も日本を除いてほとんどありません。世界には193の国連加盟国がありますが、私は自信を持って、日本は世界一素晴らしい国だと言えます。
(了)

(注)
戦後、日本の教育がGHQの深謀遠慮によってどのように捻じ曲げられたか。
占領文書250万ページを読破した高橋史朗著『日本が二度と立ち上がれないようにアメリカが占領期に行ったこと』(致知出版社 1890円)は一読に値する。

ご興味の向きはどうぞ。

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