「ミャンマー閣僚会談」その3
―鉄道大臣―
アウン・ミン鉄道大臣(右側)
アウン・ミン(Aung Min)鉄道大臣は、大統領から厚い信頼を受けている腹心である。鉄道大臣ではあるが、大統領の特命を受け、少数民族問題を解決すべくタイ在住の11の少数民族が加盟している「ビルマ統一民族連邦評議会」(いわゆる反政府少数民族武装勢力)と水面下で活発な和平の交渉を行う責任者でもある。初対面でもあり、少数民族福祉向上大使として日本財団のこの地域での活動と、今後の活動展開(20プロジェクト)を説明しただけで深入りは避けた。
ミャンマー政府の「ビルマ統一民族連邦評議会」との和解交渉については注意深く見守り、触媒の役割が必要な場合は、一助を担うべく準備を進めたい。
【笹川】日本には海外の鉄道支援協力について官民協同の組織がある。ミャンマーの鉄道については、大臣と相談しながら将来計画を作る用意がある。
【大臣】大統領訪日の際日本政府に要望した鉄道分野は、ヤンゴンとネピドー、マンダレー間のアップグレードで700km、14時間を8時間に短縮したい。またヤンゴン環状線のアップグレードで、これは丸紅が調査を開始した。日本からの協力を一層プッシュしてほしい。
【笹川】了解した。日本財団の支援組織に運輸政策研究機構がある。帰国次第ミャンマー全体の鉄道網の整備について調査団を派遣するよう依頼する。
【大臣】少数民族情勢は武装勢力が11もあり60年以上活動してきた。現在11のうち10の和平・停戦が終了。残り一つのカチンについても和平交渉が進んでいる。近い将来、和平が成立する。和平後はやることが沢山ある。
@ 少数民族10万の兵力帰順。
A 国内の避難民45万人帰還。(カチン付近、中国側)
B タイ側の難民35万人も帰国。
C 国内に雇用がないためタイ側に行っていた200万人も帰国する。
彼らが居住する地域の地雷除去が必要。住居の建設、食料確保、本来の仕事・農業の環境整えないと。国境地域の住民で農業ができない人のために工場を設置して雇用を確保したい。これらが出来ないとまた元に戻ってしまい和平が保たれない。
この少数武装勢力も和平に対し責任があるので、私と一緒にやって行くことは可能だ。各国NGOや国際機関からの支援にしっかりと対応するために、ヤンゴンにPeace Centreを設置を予定している。活動資金については各ドナーが管理していく形。日本財団が少数民族に協力してくれるなら、このセンターでも各省庁直接でも歓迎する。
笹川さん、今後の少数民族支援についてはいつでも相談してください。
【笹川】現在各省庁との協力関係はうまくいっている。特に保健省とは15年以上のつきあい。Peace Centreについては研究させていただく。
【大臣】Peace Centreは少数民族に関することをワンストップサービスでできるように考えている。政府の関与は必要な部分のみで、NGO分野で一層高めて行きたい。ヤンゴンに開設するので見ていてください。そして、出来た時には是非来てください。