「ちょっといい話」その9 ―アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター― [2012年08月22日(Wed)]
「ちょっといい話」その9 ―アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター― アメリカ・カナダ大学連合日本研究センターは、英語ではInter-University Center for Japanese Language Studies(IUC)といい、1963年に日本に設立された日本研究の最先端で活躍する研究者に高度な日本語研修を提供する高等教育機関で、現在、ハーバード大学、コロンビア大学、インディアナ州立大学、プリストン大学、スタンフォード大学、オハイオ州立大学、カリフォルニア大学バークレー校、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、シカゴ大学、ハワイ州立大学、イリノイ州立大学、ミシガン州立大学、ワシントン州立大学、イエール大学の14校が加盟して横浜で授業を行っている。 アメリカの大学のシステムでは、海外で研究する大学院生や研究者には奨学金は支給されないことになっており、昨今の経済事情で、日本での10ヶ月の高度な日本語研修に支障が生じており、いきおい日本研究のレベル低下が心配されていた。 そこで日本財団では、学生一人に約300万円の授業料及び滞在費を支給する奨学金制度を開始することにした。 過去の著名な卒業生には ジェラルド・カーティス コロンビア大学教授(政治学) フレッド・ノテヘルファー UCLA教授(歴史、日本研究) スーザン・ファー ハーバド大学教授(日本の政治) ケネス・パイル ワシントン州立大学(歴史、アジア研究) エズラ・ヴォーゲル ハーバド大学教授(社会学) ケント・カルダー ジョンズ・ホプキンス大学教授(日本政治) 等の方々がいる。 今年9月から入学する第一期生は下記の7人が選考された。 10ヶ月の充実した日本滞在になることを願っている。 Michael Abele 大学:イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校歴史学部大学院博士課程在学中 専門:近世日本史 研究トピック:徳川時代の賤民/平民の区別の明確化 William Chou 大学:オハイオ州立大学歴史学部大学院博士課程在学中 専門:国際史 研究トピック: 1920年代の太平洋における英国、米国、日本の戦略のダイナミクス。特に一般市民を盛り込んだ政治がどのように戦略形成に影響を与えたかについて焦点を充てる。 Amanda Kennell 大学:南カリフォルニア大学東アジア言語文化部大学院博士課程在学中 専門:日本文学・日本文化 研究トピック:日本の大衆映像文化における翻案 Gabriel McNeil 大学:コロンビア大学東アジア言語文化部大学院博士課程在学中 専門:前近代日本文学・歴史 研究トピック:古代の法典と神話の歴史における系統の描写 Kathryn Page-Lippsmeyer 大学:南カリフォルニア大学東アジア言語文化部大学院博士課程在学中 専門:現代日本文学とポップカルチャー 研究トピック:日本女性作家による現代SF Kevin Richardson 大学:カリフォルニア大学ロサンゼルス校歴史学部大学院博士課程在学中 専門:近代日本史 研究トピック:近代日本におけるスポーツ志向の身体文化 Harrison Schley 大学:ペンシルバニア大学東アジア言語文化部大学院博士課程(2013年より) 専門:日本の美術史 研究トピック: 17世紀から20世紀のヨーロッパと日本の工芸品の比較研究 |