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「カンボジア義肢装具士養成学校」 [2010年12月19日(Sun)]



「カンボジア義肢装具士養成学校」
―新校舎完成式典―


日本財団は、カンボジアトラスト(イギリスのNGO)と協力し、プノンペンの義肢装具士養成学校を支援して10年になる。当初、少数の外国人により狭い場所で運営されていた学校であるが、日本財団の支援で立派な新校舎が完成した。

何よりも嬉しいことは、たった10年で校長をはじめ、すべてのスタッフがカンボジア人になり、国際的に高く評価される学校に成長したことで、カンボジアが国際貢献できる唯一の施設である。

22日にはカンボジアの伝統行事「水祭り」でにぎわう橋の上で惨事が起こり、多数の死傷者が出た悲しみの直後で、26日には全国民が喪に服した。

当日はメン・サム・オン副首相、イス・サム・ヘン社会福祉・労働大臣も出席された。

********************************

―スピーチ要旨―

2010年11月25日
於:カンボジア・プノンペン

先ず初めに11月22日に大変不幸な出来事があったことに対し、謹んで哀悼の意を表します。

本日は、カンボジア義肢装具士養成学校の開所式に出席し、関係者の一人として心よりお喜び申し上げます。本校舎開設への道のりは簡単ではなく、多くの困難と苦労がありました。本校を国際的な義肢装具士養成学校に導いたカンボジアトラストと、またカンボジア政府の協力に、まずは感謝申し上げます。

支援を開始した当時のカンボジアは、混乱期を終え復興に向かっていましたが、多くの人々が戦争に傷つき、義手義足がないために社会参加もできない状態でした。この状況をカンボジアトラストから聞き、障害者の社会参加のために活動している日本財団は、喜んで支援活動に参加したのが始まりです。

我々の計画は、最初に義肢装具作りの専門家を育て、質の高い装具を障害者に提供できるようにすること。次に、装具の製作を教えることのできるカンボジア人の教員養成に努力し、カンボジア人が国内外で指導者として活躍できるようにすることでした。更に学校運営のスタッフを育て、学校の運営そのものもカンボジア人に任せたいと願っていました。また同時に、近隣国で義肢装具士を必要としている国から積極的に留学生を受け入れ、国際的に評価される学校にしたいとの厚い情熱をもってカンボジアトラストと共に長年努力して参りました。

率直にいって、カンボジアは長く国際社会において支援の受け手とされ、国際支援がなければ成り立たない社会だと思われてきた時期もありました。しかし現在のカンボジアの経済成長はASEAN諸国の中で高い評価を受けるまでになりました。

この学校の評価もその一つです。今や18カ国から留学生を受け入れており、生徒の半数以上は留学生によって占められています。また多くのカンボジア人教師が海外において後進の育成に努めています。つまりみなさんは、まぎれもなく国際社会に貢献しているのです。これはカンボジア国民にとって誇るべきことではないでしょうか。

本校を運営し、支えてくれるカンボジア人スタッフの皆様、この新校舎はあなた達の活動の場であり、カンボジアが国際社会に貢献する大切な学校であることを忘れないでください。

この新校舎で学ぶ生徒は、自分は国の代表であり、国際的な義肢装具養成学校で学んでいることをぜひ自覚して頂きたい。そして単に技術を学ぶだけではなく、障害者の社会参加を促進し、差別や偏見をなくす重要な役割を担っていることを理解して欲しい。この中には、ハンセン病回復者や障害者の生徒もいると聞いております。卒業後は全ての学生が自国に戻り、義肢装具を提供するだけでなく、障害者の社会参加を促進するために努力して欲しいと思います。日本財団は、皆さんと共に活動し、よりよい社会の実現のために協力できますことを誇りに思います。
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