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笹川 陽平
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12月19日(土) [2009年12月19日(Sat)]

委員会では活発な意見が交わされた


12月19日(土)

 09:00 
  〜  笹川日中友好基金・第52回運営委員会
 11:30

 11:30 運営委員との昼食会

 13:15 ホテル発 

 20:50 自宅着
「新しい日中関係」 [2009年12月19日(Sat)]


日中笹川医学奨学金制度は今年で23年目を迎えました。この制度では1年に1度、奨学生を箱根に集め、合宿によるセミナーを行っています。

中国にはこのような風習がなく、毎年、奨学生には大好評です。

日中笹川医学奨学生・箱根セミナー
講演「新しい日中関係」(要旨)


2009年11月28日
箱根アカデミー


日中医学協会の森亘会長はじめ、安達勇理事長、事務局の皆さま、またご指導賜っております主任教官の皆さま、奨学生への弛まぬご助力に感謝申し上げます。

日本財団は長年にわたり、中国の近代化のために必要となる人材養成を実施してきました。これまでに日本で学んでもらった方は1万人を超えています。

先般も四川省大地震後の復興に取り組む省政府の関係者を招き、神戸や新潟などを視察し、日本の防災対策や復興支援について学んでいただきました。

皆さまの先輩にあたる笹川医学奨学生は四川省大地震のときに大変ご活躍されました。温家宝首相が被災地入りしたときに被災状況を報告したのは笹川医学奨学生でしたし、日本の救援隊の通訳や連絡を担当されたのも笹川医学奨学生でした。

笹川医学奨学生は研修終了後、中国の医学界において非常に高いレベルで活躍しています。私たちの20年を超える協力が花開いたのは、奨学生の皆さまのご努力もありますが、日中医学協会、そしてご指導いただいております主任教官や関係者のご理解とご協力があってのことであり、中国政府から最も成功した奨学制度であると高く評価していただいております。

また私たちは、人文社会科学分野の修士・博士課程を対象に奨学基金制度を設け、中国では復旦大学、吉林大学、蘭州大学、南京大学、北京大学、重慶大学、内蒙古大学、新疆大学、雲南大学、中山大学の10校にそれぞれ100万ドルの基金を設置しております。この奨学制度ではすでに5千人を超える奨学生を輩出し、その多くは大学の教授はじめ第一線でご活躍されております。

最近は日本語を勉強する学生が増え、日本語学科のある大学に日本語の図書を寄贈する事業を実施。これまでに240万冊を超える図書を寄贈しました。

私たちは中国の皆さまの人材養成に長く携われたことを大きな喜びと感じております。さらに日中相互の理解を促進させるため、近代日本を知るための書籍100冊を選定。今後3年間で中国語に翻訳し、中国で出版することも計画しています。

皆さまが日本にお越しになって2カ月が経ちました。来る前と来てからの日本に対するイメージは違いますか?

皆さまは研究にお忙しいでしょうから、日本のテレビを見る機会が少ないかもしれませんが、ニュース番組では殺人事件の報道が多く、日本が怖い国だと思われた方もいらっしゃると思います。

日本のマスコミは、「Good News is Bad News」というように取り扱い、良いニュースの報道は少ないのです。そして「Bad News is Good News」ということで、悪いニュースほど価値あるニュースとして報道されます。マスコミのニュースだけでは日本を正しく見られないという欠陥があることを皆さまにお伝えします。

しかし、日本の世界からの評価というのは、英国のBBC放送が世界の123カ国を対象に行った調査を例にみると、世界で最も好感度の高い国は日本だというのです。日本は第二次世界大戦後、平和を目指す国家として再スタートいたしました。

この60年間、日本の自衛隊は世界の紛争地域にも派遣されましたが、1発の弾も撃ったことがありません。このような軍隊は世界で日本の自衛隊だけです。憲法で非常に厳しく規制されているため、危険な状況においても自衛隊は弾を撃てないのです。

しかし今、この平和を愛する憲法が国際的に大きな問題となっています。自衛隊は紛争地域に派遣されはしますが、前戦に立つことはありません。そのため日本は紛争地域で血を流さないために平和憲法を作ったのではないかという穿った理解に変わりつつあるのです。

日本経済は不景気にあり、大学生の就職率も悪いのが実態です。武器を作り輸出できれば日本の景気はもっと良くなると思うのですが、武器・兵器を輸出することは絶対にいけないということで、国民が意識として自己規制しているわけです。

皆さまが夜に一人で外出されても、日本は先進国の中で最も犯罪率が低い国ですので、安心して出歩けます。平和憲法、あるいは平和を愛する60年間の実績が世界123カ国の人に届き、日本が最も素晴らしい国という評価になったわけです。

このような状況下で日中関係のあるべき将来像について考えたいと思います。

中国の改革開放政策以降の経済成長に伴う発展は、歴史に残るものだと高く評価しております。この改革開放経済がスタートしたとき、ロケットでいえばブースターの役割を果たしたのが日本でした。米国や英国、ロシアが中国を応援したわけではありません。日本がODAを中心に経済的に強力な支援を実施し、改革開放経済が始まったことを知っておいて下さい。

日中間において政治的には様々な問題が生じておりますし、今後も生じると思いますが、今では両国間の経済関係は完全に補完関係にあります。日本で買い物をしますと中国製品が溢れていることに気づくと思います。中国の製品なくして私たち日本人の生活は成り立たないところまで広く深く浸透しております。

一方、中国でも日本の産業界の協力、特にモノづくりにおいては、日本企業が中国で活躍させていただいていることも事実です。

一時期、政冷経熱という言葉が流行り、中国の指導者と会うと政治的に冷たい関係では困るというお話を伺いました。私は政治レベルで冷たい関係があっても良いのではないかと申し上げ続けてきました。

政治指導者は国家の面子、あるいは自らの置かれた立場を強化、あるいは弱く見せないことを考えながら、二国間の交渉をしなければなりません。また指導者は5〜7年くらいで代わっていきます。変わらないのは中国人民と日本国民であり、この関係が経済を通して両国民の生活を満足させる状況にあるという政冷経熱は理想的な姿といえるのです。

これから日中間では幅広い人々の往来が始まります。ビザなしで多くの中国人が日本に来ています。多くの日本人も中国を訪問しています。一人ひとりが国民レベルでお互いの国を理解するという非常に理想的な姿に変わりつつあるのです。

そのような意味で皆さまも日本に来る前に聞いた話、あるいはテレビや本で知った日本ではなく、等身大の日本を見ていただきたいのです。百聞は一見に如かずといいますが、一人ひとりが偏りのない視点で日本を見ていただきたいと思います。

米国の政治学者サミュエル・ハンティントンの著書「文明の衝突」では、日本は8大文明の一つであり、中国とは違う文明であるというように書かれています。中国から多くを教わったことに間違いありませんが、日本は長い年月を経て独立した文明を築いたと学術的には理解されているのです。

日中関係はお互いの国、あるいは国民を良く知るためにお互いに努力することが大切なことであると私は思っています。国家間で意見が一致することは稀なことです。お互いに違いを理解し合うことが本当の日中友好であると考えています。お互いに国家のあり方も違いますし、歴史、文化、伝統も違います。その違いを知る努力を続けることは日中友好にとって重要なことです。

私は来年2月3日、中国最大のインターネットメディアである人民ネットで60分間、反日家数名と大論争を展開することになりました。皆さまにも議論の行方を見ていただきたいと思いますが、私は喧嘩に行くわけではありません。中国の皆さまが知っている日本と私が説明する日本の相違点を理解いただけたら有難いと思います。一度の議論で反日家の皆さまを親日家にできるとは思っていませんし、むしろ私は日本をよく知る知日の人を増やしたいと思っています。率直な意見交換、さらには建設的な議論にしたいのです。

中国の経済発展は素晴らしく、世界は中国を無視できない存在になっています。中国の国際社会における責任は飛躍的に膨らみ、ますます強くなっていきます。ただ経済が発展すれば必ず不景気が訪れるのは経済学の基本です。そのときに手を携え協力し合える国はどこかということを私は中国の大学生に機会あるごとに質問しています。

米国と手を結ぶことで上手くいく、というような顔をしている学生も多いのですが、米国は中国が困難な時期に1セントも支援したことはありません。米国には反共産主義法という法律が厳然とあり、投資をして金儲けはしますが、中国を支援することは今後もありません。

では英国、仏国と手を結ぶのでしょうか。あるいはロシアとの関係はどうでしょうか。そのように考えると、残されるのは日本だけです。

日中両国の関係がさらに深化し、相互理解を促進させながら新しい世界の秩序を作っていくためのリーダーを育成することは、日中両国が協力することで可能であると思います。日中両国はそのような二国関係であるということをご理解いただき、皆さまの研究が上手くいくことを期待し、日本での経験を有効にご活用いただきたいと思います。

また学問以外にも指導教官、あるいは日本で知り合った人との人間的なネットワークを確立していただくことが、本当の意味での日中友好になると思います。
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