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島嶼国を取り巻く海洋環境の保全・保護を考える [2009年05月17日(Sun)]


「太平洋島嶼国会議」
島嶼国を取り巻く海洋環境の保全・保護を考える
-共通の財産を守るための提言−
挨拶

2009年5月14日
日本財団ビル2階

今月22日、北海道トマムで太平洋・島サミットの開催が予定されています。その前に民間レベルで太平洋島嶼国を取り巻く海洋環境問題について議論できることは大変素晴らしいことであり、そのような企画に参加できますことを心から喜んでおります。

このシンポジウムで中心的な役割を果たしていただきます石弘之・東京農業大学教授は世界の環境問題を語る上で大きな発言権を持つ一人であります。また遠路ご出席下さった発言者の皆さま、大使館はじめ関係者の皆さまにも心からお礼申し上げます。

先ずは、わが国とメラネシア、ポリネシア、ミクロネシアとの関係について過去の経緯を振り返りながらお話しさせていただきます。

1987年1月、倉成正外務大臣(当時)がフィジーで「太平洋の未来を目指して」と題し、日本の太平洋島嶼国政策について演説されました。いわゆる倉成ドクトリンです。

この演説のポイントは5つあります。

1.島嶼国の独立性と自主性の尊重
2.太平洋地域が平和で安定した地域であり続けるように努力する
3.経済的繁栄のための支援
4.地域協力の側面的支援を日本は行う
5.人的な交流の促進

しかし、残念なことに政府の動きが低調であったため、翌年の1988年8月、笹川平和財団が中心となり太平洋島嶼国会議を開催しました。

この会議の出席者のほとんどが大統領や首相であり、今回の太平洋・島サミットにも勝るとも劣らない方々にご出席いただきました。また会議では、太平洋島嶼国と日本との関係をさらに緊密にしようと、笹川平和財団に30億円の基金を設け、「笹川太平洋島嶼国基金」を設置したのです。以来20年、大変地味ではありますが、太平洋島嶼国と日本との間において素晴らしいプログラムの数々を実施してきました。

当時から関わった者として基金スタッフ、そして基金の活動を支えてくださった皆さまには感謝を申し上げたいと思います。

当時、外務省の太平洋島嶼国を担当する大洋州課は欧亜局にありました。いわゆるイギリス植民地支配という古いしきたりの中で外務省も存在していたわけです。私はアジア局のもとに大洋州課を置くべきであると陳情を重ね、ようやく13年後の2001年にアジア大洋州局大洋州課に改組されました。

一方、政府には、太平洋島嶼国との間の太平洋・島サミットの開催は日本の過去の歴史からみても日本の責務であるとお願いし続けました。

私は、太平洋島嶼国会議で竹下登首相(当時)の挨拶文を代読された小渕恵三官房長官(当時)に太平洋・島サミット開催に向けての中心的な役割を果たしていただけるようお願いし続け、10年後の1997年10月に第一回太平洋・島サミットが日本政府により初めて開催されたのです。

今日、政府、そして民間においても太平洋島嶼国との連携が重要であると認識されるようになったことは、喜ばしいことです。

私は、一年の三分の一を発展途上国の現場での活動に充てていますが、太平洋島嶼国に限らず、世界中で生活から出されるゴミ、あるいは産業・工業廃棄物が川に流され、または海に直接捨てられる状況を目の当たりにしてきました。

2050年には世界の人口が100億人になると言われています。これまで私たち人類は陸地を中心に物事を考え判断してきましたが、地球上で生存する生物は全て母なる海なくしては生きられないのです。それにも関わらず、限られた人しか海に目を向けておらず、海を人類が守るという関心は残念ながら薄いと言わざるを得ません。

本格的に海洋の環境問題を議論し、全ての人々に認識を持っていただくことが、水の惑星である地球を後世に引き継いでいくための根本的な問題であると考えます。現状のままでは、間違いなく海は人類のゴミ捨て場と化してしまいます。

この点について私は先月、国際海事機関(IMO)の会議で海洋のあり方と保全をテーマに講演し、各国政府に海に関心を示すべきだと指摘してきました。

美しい太平洋島嶼国の国々が海洋環境に注目し、この問題の解決に強い意志を表明されていることは、大いに評価すべきことであり、日本は協力できる体制を作る必要があると思います。

そしてこのような動きは世界の海洋環境保全のモデルケースになる可能性がありますし、モデルケースにしなければならないことでもあります。

21世紀は、海洋に守られた人類社会が海洋を守る人類社会に変わっていかなければなりません。このシンポジウムはその大きな先駆けとしてスタートし、広く世界に情報が発信されることを期待しています。

そのような意味で、この会議は歴史的に意義深いスタートになると理解しています。有意義な会議にしていただくことを心からお願い申し上げます。
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