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6月16日(月) [2008年06月16日(Mon)]

6月16日(月)
 08:00 海運4団体の代表と11月のクアラルンプール国際会議の打合せ

 10:00 Tradewinds・インタビュー

 11:00 Lloyd's Register Fairplay・インタビュー

 12:30 Sea Trade・インタビュー

 13:00 関係者と昼食

 17:00 IMO(国際海事機関)第100回理事会記念式典

 18:20 瀋基文・国連事務総長表敬

 19:00 関係者と夕食

「たばこ1箱1000円を考える」 [2008年06月16日(Mon)]


左は日本で売られているマイルドセブン  右はタイで売られているマイルドセブン


「たばこ1箱1000円を考える」
国会議員の勉強会


2008年6月11日 午後2時
於:衆議院第二議員会館


<講演要旨>

日本財団の笹川でございます。
小宮山洋子先生(衆議院議員)から、たばこ税についての勉強会の開催にあたり、講師を依頼されましたので、本日、参上いたしました。

皆様方のご協力で、「たばこ1箱1000円」という議論が短期間のうちに国民的レベルにまで広がりをみせてきました。

わが国は800数十兆円といわれる財政赤字、あるいは地方を含めれば1000兆円近い財政赤字を抱え、国民の負担方法について政治家の皆様は、いまだその解決策を明示されておりません。今はこの点が全く見えないわけです。私たちはこの膨大な借金を子ども達に背負わすことはできません。

財政赤字の解消を考えるとき、「たばこ1箱1000円」を、財政赤字の問題を考える端緒としたいのです。喫煙は本人の健康の問題、周りに及ぼす受動喫煙の問題、火災の1割がたばこを原因としている問題、環境、青少年問題等々です。日本の財政問題と健康問題を国民レベルで議論していく上で、「たばこ1箱1000円」は大変良いテーマではないでしょうか。

ここで誤解のないようにしたいのですが、私は決して禁煙論者ではありません。私は国民にたばこを通じて、財政再建と健康の議論をしていただきたいというのが願いです。

私は1年の三分の一はハンセン病制圧活動のために世界を飛び回り、各国の保健省の方々と接します。また世界保健機関(WHO)のハンセン病制圧特別大使を務めていますので、自然とたばこの問題は耳に入ってきます。率直に申して、日本は喫煙者についてあまりにも寛容です。そこで、日本のたばこ文化を変えなければならないということに気付きました。

世界と比べ日本のたばこ文化は、率直に申して、大変遅れています。外国のたばこのパッケージには「たばこは人を殺します」と書かれています。またWHOの事務局長を務めたグロ・ハーレム・ブルントラント氏は「たばこは殺人の道具だ」と公式に発言しています。それにもかかわらず、日本のメディアは両論併記でたばこを吸う庶民をいじめるなという論調にもなります。

私が言いたいのは、たばこを吸う人たちを一方的に悪と考える嫌煙家になれということではありません。私は喫煙が本人の健康に良くないことと、それ以上に多くの受動喫煙者に迷惑をかけているということ、それから青少年の不良化や喫煙による害の大きさ、そして火災の問題等を喫煙者が十分に理解をした上でたばこを吸うことが、これからの新しいたばこ文化として日本に定着してほしいのです。

私がたばこ1箱1000円と提示したところ、1000円でも吸う人、1000円になれば辞める人、あるいは本数を減らす人等、様々な議論がネットで展開されています。大いに結構なことで、たばこ1000円の議論を通じ国民が1000兆円の財政赤字や税金、そして健康問題に関心を持ってもらう機会になればと思います。

ここにお集まりの先生方の中には500円や600円というお考えの方はいないと思いますが、財政論から考えても、国民の税負担から考えても、中途半端な値上げの繰り返しによる政治では国民が逆に迷惑を被ります。

ここにお見えの中川秀直先生(衆議院議員)はヘビースモーカーでいらっしゃいますが、1箱に1000円に賛成でいらっしゃいます。

税収不足の解決のために、少しずつ上げるというのは税金の下手な使い方だと思います。大胆に1000円に値上げして、喫煙者本人の健康も含め、産婦人科医の不足、あるいは救急医療の不足等、社会福祉を含めた医療分野に使うなら、喫煙者は納得して1000円を払って下さるのではないでしょうか。

1000円が高すぎるというなら、本数を三分の一に減らし、今までのような無秩序にたばこを吸う習慣を改め、例えば朝食後に一服、10時に一服、昼食後に一服、3時に一服、夕食後に一服、そしてカラオケに行って2本というように節度を持ち、計画的な喫煙に改めてはいかがでしょうか。1000円になれば世の中も変わっていくと思います。

万一、喫煙者が減少したら、葉たばこ農家が気の毒だという人もいますが、私の調べたところ、日本の葉たばこ農家は13000人弱です。そのほとんどは兼業です。よって葉たばこ農家の救済措置は難しいことではありません。1000円に値上げすれば、その税収の一部を救済措置に使うこともできます。仮に農家1軒に5000万円支払えば解決できるでしょう。九州では焼酎ブームにより芋を輸入しているのが現状です。転作奨励金5000万円で葉たばこから芋への転作を奨励することも一つの策です。

皆様方に活発に議論していただきたいというのが私の願いです。

少し法律面から話しますと、たばこ事業法の第一条には「たばこは財政収入のために存在する」と規定されています。しかしながら、わが日本国が受け入れたたばこ規制枠組条約では「たばこは有害であり、健康に及ぼす悪影響から現在及び将来への世代を保護すること」を目的に書かれています。両者は全く違う、相反する目的を持ちながら存在してきたのです。これは大変問題ではないかと思います。たばこ事業法の第一条を改正することが必要です。第一条に健康という言葉が入らなければならないと思います。

日本のたばこが外国で売られると健康被害者の写真等がパッケージに貼られています。日本で売られる日本製のたばこのパッケージはスマートですが、タイで売られている日本製のマイルドセブンは酸素吸入器が着けられた患者の写真が貼られています。配布資料の写真をご覧になって下さい。各国のたばこ、例えばカナダ、ブラジル、タイ、EUではそれらの写真が貼られ、喫煙者に警告を発しています。

喫煙者は、禁煙論者は庶民をいじめるファシズム等と言われます。しかし、たばこの議論において賛成反対の両論併記はわが国のマスコミだけといってもいいでしょう。

たばこの害や周囲への影響等、正しい情報を喫煙者に伝え、なおかつ吸いたい人には1000円払っていただき、天下国家のために税金を納めるという人が尊敬される時代になるよう、たばこ文化を変えなければならないと思います(笑)。

たばこが1箱1000円となり、その増税分が道路財源にならないでしょうが、役人の無駄遣いに使われたとなると喫煙者に申し訳ない話です。そのためにもたばこ税を目的税として、喫煙者が将来病気になったら面倒を見てもらえるとか、救急医療が確保できた、もしくは産婦人科医も増えたというように、たばこを吸う人が納得できるような税の使い方にしなければ、たばこを吸う人には申し訳ない気がします。

重ねて申し上げますが、たばこ1箱1000円を通じて、国民的な議論を巻き起こし、日本の財政赤字への解決策と健康について考えるきっかけにしていただきたいと思っています。

私の古くからの知人である津島雄二先生(衆議院議員・自民党税制調査会長)が隣に座っておられますので、大変言いにくいことですが、党の税制調査会、政府税制調査会ではなく、若い先生方で与野党合意の議員立法として実施していただきたいのです。

かつて田中角栄・元総理は「政治家は何本議員立法を上げたかで評価される」ということを話されていました。税金の問題だから党の税調、政府税調と考えるのではなく、皆様方が立ち上がり、議員立法として、日本の税金と健康のために決議していただきたいと思います。



<出席した国会議員>            <出席したマスコミ名>

とかしきなおみ(自民・衆)           朝日新聞
山谷えり子(自民・参)             毎日新聞
茂木敏充(自民・衆)              読売新聞
石井みどり(自民・参)             日本経済新聞
津島雄二(自民・衆)              産経新聞
西本勝子(自民・衆)              共同通信
清水鴻一郎(自民・衆)             時事通信
中村博彦(自民・参)              日本テレビ
山谷えり子(自民・参)             TBS
尾辻秀久(自民・参)              フジテレビ
丹羽雄哉(自民・衆)              テレビ朝日
富岡勉(自民・衆)                テレビ東京
中川秀直(自民・衆)              新潟日報
森山真弓(自民・衆)              北國新聞
古川元久(民主・衆)              中部日本放送
姫井由美子(民主・参)             週刊ポスト
小宮山洋子(民主・衆)             選択
峰崎直樹(民主・参)              じほう
田村謙治(民主・衆)              社会保険新報
松あきら(公明・参)
綿貫民輔(国民・衆)
小池晃(共産・参)




配布した参考資料「タバコパッケージの警告表示」である。



喫煙すると喉頭ガンになる(タイ)



喫煙は長い苦痛を伴う死の原因となりやすい(EU)



妊娠中の喫煙は未熟児・低体重児の原因となる(ブラジル)



喫煙は人を殺す(タイ)
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