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パリから帰国 [2008年05月24日(Sat)]

(パリ〜東京)

18:00 成田着

20:00 自宅着

「タバコ一箱1000円」その3 [2008年05月24日(Sat)]

「タバコ一箱1000円」その3


「たばこ1000円」に大反響
―畑違いの日本財団・笹川会長 産経新聞コラムで呼びかけ―


夕刊フジ
2008年5月3日


月刊『BOSS』主幹
針木 康雄


講演依頼まで
 「凄いものですね。ブログへの書きこみから講演の依頼まで、こんな反響は初体験ですよ」と相好を崩すのは、日本財団会長の笹川陽平氏である。

「たばこの価格を一箱1000円にしよう」と、産経新聞のコラムで呼びかけたことへの反響なのである。

 日本ではいま一箱300円。それがロンドンでは5ポンド(約1020円)・ドル安のアメリカでさえ8ドル(約830円)。日本で一箱1000円にすると、単純計算で税収増は9兆5000億円となる。現状の2兆2000億円の約4.5倍である。仮に売れ行きが三分の一に減っても3兆円を越すのだという。

 1000円でも吸うぞと、愛煙家の数が減らなければ売り上げ9兆円は消費税の4%分に値する。さらに火災の発生件数4万2000件のうちたばこが原因となったのは10.5%の4430件に及ぶ。

これが実現すると、税収が上がり、たばこが原因の火災が減り、さらにたばこをやめようかなと思っている人にとっては、何よりのキッカケになる。

 たばこが原因の病気も減るし、一石二鳥ならぬ三鳥、四鳥の値打ちがある。しかも後期高齢者医療制度やガソリン値上げで悪評さくさくの自民党にとって、格好の人気取り政策になる。

と、思ったら笹川氏、「税金については、昔から自民党のボスたちが余計なことをいうな、の空気でしてねえ」と浮かぬ顔。こういう時こそ、民主党からと思っても、こっちも政局がらみに夢中で、国民にとってこんな身近な提案にも感心が薄い。

「財政再建と喫煙者のため」にも
 それにしても、なぜ、日本財団の笹川氏が畑違いのたばこ税について提案するのか。
 「財政再建のためと、もう一つはたばこを吸う人のため―」と言うので、喫煙者に嫌われるのでは? と疑問を呈したら「いや、1000円でも断固、吸う人への敬意が生まれます。いま、小さくなって吸っている人に勇気を与えられるのです(笑)」ときた。なるほど物は言いようである。

 実は、彼と私は長い間の友人で、昔は夜遅くまで銀座を徘徊(はいかい)した仲なのだ。ところが、彼は40歳過ぎて父が創った日本財団の仕事に熱中、一転、マジメ人間になって財団の事業に尽くすようになった。

1年の三分の一を海外で過ごすという熱心さである。「ボクは40歳にして、ダライ・ラマの心境になりました」と笹川氏。半分冗談と思いながらも、もしかしたらと思わせるストイックな姿を貫いている。
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