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写真:ハンセン病の現場から「アフリカ・ピグミー族」

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語り場 [2008年03月25日(Tue)]
08:00〜10:00 「語り場」日本財団職員との対話

10:00 日本財団執行理事会

11:00 (社)日本観光協会 中村会長

14:00 外務省 久保田有香女史

16:00〜18:00 「語り場」日本財団職員との対話
国際シンポジウム「中国の緑化を!」で講演 [2008年03月25日(Tue)]
※2月16日(土)、国際シンポジウムで講演をいたしましたので、お時間のある時にでもご高覧いただければ幸いです。


国際シンポジウム「中国の緑化を!日中NPOとODAとの協力の下で」
(講演・要旨)


2008年2月16日13:00〜
於:日中友好会館


ご紹介を受けました日本財団の笹川です。

易解放・グリーンライフ理事長はご子息の意志を継がれ、素晴らしい活動をなさっています。今日、このような機会に恵まれましたことを厚くお礼申し上げます。

私は1年の三分の一を発展途上国の現場で仕事をしています。そのため、さまざまな国の僻地を旅する機会もあるわけです。今回は日中間に絞って大きな立場から皆様にお話をしたいと思います。

私は民間人ですので、両国政府におもねる必要はありません。また政治家のように一票の票をいただかなければならないということもありませんので、聴衆におもねる必要もありません。そのため率直にお話ししたいと思います。

何故、日中間の友好とか、あるいはより良い改善とか、このようなことがテーマになるのでしょうか。何故中国と日本が仲良くしなければならないのでしょうか。少し考えていただきたいと思います。

世界の歴史を見ますと、どこの国においても隣国との関係というのはデリケートなものです。仲が良い隣同士の国というのは世界中にないのです。それを頭に入れておかなければなりません。

地政学的に見ても私たちは中国と離れることができない関係にあります。夫婦関係なら別れることが可能ですが、日中間は地政学的に離れることができない関係にありますので、常に私たちは頭に入れなければならないのです。

政府、あるいは国会議員というのは、5年、10年経てば変わっていきます。その時々の政治的問題によって関係が温かくなったり、冷たくなったりするのです。今やっと氷が解けはじめ盛り上がりが出てきたというのは二国間にとって大変プラスなことです。

しかしながら、永久に温かさが続くわけでもありません。皆様方の恋愛と同じです。猛烈に愛し合えば反発することもあります。私のように見合いをし、何の希望もなく結婚したのであれば、最初から諦めていますので、夫婦喧嘩はありません。熱くなり過ぎると長く続かないのです。

江沢民・前国家主席が一時期、日中関係について「歴史を鑑とし、未来に向かって」と説いていました。私はこの言葉に大きく反発しました。

「歴史を鑑とし」という言葉は誤りではありませんが、私たち日本人からみますと、近現代史の中で日本が中国人に対し大変辛い目にあわせたという印象だけが残ります。これは事実かもしれませんが、そこにばかりに焦点がいき、本当に二国間の未来が開けるのでしょうか。

片方の足を踏んづけ、もう片方で歩いていこうとしても上手くはいきません。少し知恵を絞ったらどうかと思うのです。

私は「二千年の歴史を鑑として未来へ進む」というように考えれば、日本人の気持ちがもっと大らかになると思います。世界の歴史の中で二千年の間おおむね良好な関係にあった二国間というのは中国と日本の関係以外にありません。

二国間がこれからもうまくいくように努力を続けなければならず、これは自然な道です。これを単に政治家だけに任せておくというのは如何なものでしょうか。

そのような意味でグリーンライフの易理事長をはじめ、多くの民間の方々が両国の安定と友好のために市民レベルで立ち上がってきたというのは大いに私は評価されることではないかと思います。

政権も、政治家も変わっていきます。しかし中国人民と日本の国民は変わることがないのです。そのような意味で私は中国で多くの事業を行っています。


毎年100名が研修のため来日した日中医学奨学金制度の式典模様


例えば、この二十年間で中国の医師・看護師など医療関係者を毎年百人づつ、二千人を招へいし、北海道の札幌医科大学から沖縄の琉球大学まで全国で研修を実施してきました。今では中国医学会の中堅のほとんどは笹川医学生といわれるくらい立派な研究生が日本で教育を受けてくれました。

笹川日中友好基金では、ケ小平先生の改革解放経済の目指された政策に根ざし、政治家、国有企業の経営者、地方自治の専門家、あるいは近代的な法律家など一万人を超える専門家を日本に招いてきました。

また中国には千を越える大学がありますが、国際関係論を勉強する学部がなかったため、北京大学に国際関係学院という修士課程をつくりました。今では大変素晴らしい学生が集まり、中国で最も人気のある学部に成長しました。そして多くは中国の国務院、外務省、その他一流といわれる組織で活躍しています。

私たちは人材養成を目的に170万冊を超える本を大学図書館に寄贈し、今では素晴らしい図書館に成長しています。

このような私たちの仕事は中国のためにするのでしょうか。中国のために何かするという考えは果たして正しいのでしょうか。私は中国のために何かするという考え方では物事は長続きがしないと考えております。

そうではなく、中国人と日本人というのは、生活習慣も違います。当然、民族も違っています。私は多くの中国人の人材養成をしてきましたが、親日家になってほしいとは一度も言ったことがありません。

そうではなく、日本をよく知る人になってほしいのです。私たちが中国でする仕事は日本をよく知ってもらう、私たち日本人をよく知ってもらうために、日本のために行っているのです。そこを間違えてはいけないのではないかと思います。

そして、先ほど夫婦間の話をしましたが、20年、30年そばにいる夫婦でも意見が一致することはありませんし、新たな性格や行動を目にすることもあるのです。まして国家と国家の意見が一致し、何事も上手くいくということはありえないのです。

そのような幻想にとらわれて日中間を考えると、全てが感情論に陥ってしまい、理性をなくしてしまう恐れがあります。二国間の違いをどう正していくのか、近づけられるのかを模索しあっていくことが、これからの日中間にとって大事なことなのです。意見の一致は必要ありません。

中国は近代化のプロセスの途にあります。日本には公害を含め環境対策など経済成長の過程で犯した過ちなどの貴重な経験にもとづくノウハウがあります。そのような過ちを中国が繰り返さないように、私たちの持っているノウハウを提供するということは、ひいては日本のためになるのです。


寄贈した本が中国の大学の図書館に



中国の環境問題は日本の環境問題であり、それは世界の環境問題、人類の生存へとつながるグローバルな問題になっています。いまや環境問題は国境を越え、中国のために協力するというのではなく、我々自身のために行っていくと考えてはいかがでしょうか。

外国と仕事をするというと、多くの方は肩に力が入ってしまいます。一生懸命してあげたのに理解してくれない、あるいは努力しているのに相手がのってこないなど、常に自分が良いことをしているという認識のもと仕事を進めようとしています。

もう少し気楽になり、自分が仕事をさせていただいているというように考えては如何でしょうか。自分自身のためであり、日本の国のためであり、中国のためになり、ひいては世界のためになるということであれば、少しは気楽な気持ちになるのではないでしょうか。息長く続けていくというスタンスが重要ではないかと思います。

日本では教育問題ひとつとっても、すぐに駄目だ駄目だといいます。西洋人はその点上手くておだてて人を使います。おだてるという言葉は少し下品に聞こえるかもしれませんが、私の真意は相手をその気にさせて、彼らがやっていくための一つの刺激、方策をともに汗して考えるという、腰を落としたやり方です。

私は世界中をまわっていますが、JICA(国際協力機構)青年海外協力隊というのは世界最高だと思います。

西洋人は常に途上国に対して、教えて指導します。監督します。命令します。高い位置から相手を見下ろして教育するのです。日本人は相手の目線まで自分たちの立場を低くして、相手の目を見ながら共に汗を流し仕事をすることによって理解させるのです。

共に喜びを分かち合うという協力姿勢というのは世界に冠たるものです。私たちは誇りに思わなければならないのです。指導する、命令する、協力するというスタンスで仕事をするというのは本来の日本のやり方ではないのです。

政府間レベルから民間レベルまで幅広い、ごく自然な二国間関係、近所づきあいができる関係にしていくためには私たちが日々の努力を怠らないことです。かつて経験したことのないような穏やかな二国間関係が築きあげられることを切に願っています。
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