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resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
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笹川 陽平
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日米シーパワーダイヤローグ [2008年03月05日(Wed)]
(インド〜成田〜アメリカ)

06:30 成田着 4時間30分待機 (インド時差3時間30分)

11:00 成田発 ワシントンへ

同日
11:00 ワシントン ホテル着 (日本との時差14時間)

12:30 関係者夕食会

16:00 日米シーパワーダイヤローグ「日米海洋協力の進展に向けて」 オープニング挨拶

18:00 レセプション

19:50〜22:30 日本大使館 加藤良三駐米大使主催 夕食会
国際ハンセン病学会 [2008年03月05日(Wed)]

各国保健省、WHO、医療関係者など1200名以上が参加



第17回国際ハンセン病学会 基調講演

「ハンセン病と人権」


2008年1月30日
インド ハイデラバード

今年は、世界人権宣言から60周年という節目の年であります。ですから、ハンセン病と人権という議題を国際ハンセン病学会がとりあげることはまことに時機を得たものであります。

ここに来る前、私はロンドンの王立医学協会で、ハンセン病と差別の問題を世界に訴えるグローバル・アピール2008を発表しました。

ハンセン病患者や回復者、その家族に対する根強いスティグマの問題を人々に広く理解してもらい、差別の根絶のための行動を促すことを目的に、私は2006年よりこのアピールを継続して実施しております。

第一回目は、世界的な指導者たちに、第二回目の昨年はハンセン病回復者の指導者たちに、そして今回は世界の主要な人権NGOに、このアピールへの賛同をいただきました。

差別を解消するためには、ハンセン病に直接かかわる人々や組織のみとの協力関係だけでなく、それ以外の幅広い分野で活動する人々や組織と連携してゆく必要があると考え、今回のアピールにそのような団体の参加をお願いしたのです。

今日、ハンセン病は治る病気です。

しかし、治癒すれば問題がすべて解決されるわけではありません。障害は、一生にわたり介護や世話を必要とすることがあります。これがひとつの問題点です。さらに、スティグマ(社会的烙印)の問題があります。

社会的スティグマは、ハンセン病患者・回復者がもつ可能性を人々が正しく認識することを妨げ、社会的・経済的な発展への機会から彼らを遠ざけます。

しかし、私は、現在、多くの回復者がそのような過酷な宿命に抗い、立ち向かい始めたことに、大きな喜びを感じています。本日も、彼らの多くが我々とともにここにいます。

しかし、社会は今も、ハンセン病の患者・回復者、そしてその家族を疎外し、社会の片隅に追いやっているのが実情です。これは彼らの人権を否定することにほかなりません。

それでは、ハンセン病との闘いを続けて行く上で、スティグマと差別の問題を解消するために、我々には何ができるのでしょうか?

私は、まず国連人権委員会(現理事会)に赴き、訴えを繰り返しました。国連人権委員会とその下部組織である人権小委員会に人権問題としてハンセン病を正式に取り上げるよう訴えたのです。

これにより、小委員会はハンセン病患者や回復者、及びその家族への差別撤廃のために必要な措置をとるよう各国政府や国際組織、NGOなどに勧告する決議を全会一致で採択しました。

しかし、それは法的拘束力があるわけでなくあくまで勧告にすぎません。私は今、国連人権理事会の決議を求め働きかけを続けております。幸い、日本国政府が我々の声を汲み上げ、政府として国連人権理事会でこの議題を提案する運びとなりつつあります。

私は、多くの政府がこの決議案に賛成してくれることを望んでいます。最終的には、国連総会での決議と、ある程度の拘束力のあるガイドラインが制定されることを願っています。

こうした努力により、我々は目指すゴールに近づいていますが、まだ十分ではありません。我々は、草の根レベルからハンセン病に対する社会の態度を変えていく必要があります。

病気に関する偏見を助長する無知や迷信に抗するために、我々はさらに努力する必要があります。あらゆるメディアの力を使い、ハンセン病に関する正しい知識を広めることが肝要です。

さらに、我々はこの病気を誤った解釈でセンセーショナルにとりあげる本や映画、メディアの記事などに対して厳しい姿勢でのぞまねばなりません。スティグマを助長するような差別用語も、許してはなりません。

ハンセン病回復者の生活に影響を及ぼす決定に関し、回復者自らが関わるのは当然のことであります。回復者たちは、差別撤廃のための社会運動の主役でなければなりません。

差別を訴えるとき、当事者の声ほど強く響くものはありません。そのためには、ハンセン病回復者が社会の中で強い存在基盤をもつことが必要です。このようなエンパワメントを進めることが、ササカワ・インド・ハンセン病財団の設立の目的でもあります。

ササカワ・インド・ハンセン病財団は、インド社会と協力し、ハンセン病回復者への教育や雇用への機会創出を通して彼らのエンパワメント活動を支援します。そのための技能訓練やマイクロファイナンス、奨学金制度などを実施する予定です。

均等な機会さえ与えられれば、ハンセン病回復者は、自らの手で生活をよりよいものに変革する強さを身につけられるようになります。私は、ハンセン病回復者のなかから、国会議員、官僚、社会的指導者、実業家が生まれることを期待しています。

そうすれば、次の世代は彼らをロールモデルに、更に早いスピードで生活を向上させていくことができるでしょう。

ここインドにおいて、本日は特別な日です。60年前の今日、この国はマハトマ・ガンジーを失いました。ガンジー没後、インドはハンセン病を制圧し、ガンジーの描いていた未来に確実に近づいたと言えるでしょう。

しかし、政治へのコミットメントや質の高い保健医療の維持・継続とともに、差別という問題には、我々みながその解消に責任を持つという認識が必要です。社会全体が、偏見とは我々自身の問題であると気づかねばなりません。

これは、別の誰かの問題ではないのです。

南米の英雄、チェ・ゲバラの自伝を映画化した「モーターサイクル・ダイアリーズ」のなかに、ひとつの場面があります。医者であった彼と彼の友人は、アマゾンのジャングル奥地のハンセン病療養所で数週間を過ごします。

ある日、ゲバラはアマゾンの川の反対側、医者たちの住む岸の向こう側にある、患者たちが世界から切り離されて生活する場所へと泳いで渡ります。力強さの伝わるシーンです。それは、我々自身がどこに身をおいてこの問題にあたっているかについての問いかけでもあります。

我々はハンセン病の患者・回復者の人々とともに立ち上がり、スティグマをなくし、ハンセン病患者と回復者のみならずすべての人々の尊厳を回復させるべく、結束しなくてはなりません。
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