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笹川陽平ブログ(日本財団会長)

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「良書を探すには」―週刊読書人― [2018年01月17日(Wed)]
「良書を探すには」
―週刊読書人―


テレビ、インターネット、趣味の多様化などにより、読書をする人は急激に減少し、出版業界は右肩下がりを続けている。

かつては私も町の本屋を訪ねるのが楽しみだったが、次々にシャッターが下り、次第に本屋まわりも少なくなった。好奇心は森羅万象に及ぶが、良書に出会う機会は思いの他少なくなった。そのため新聞の書評欄を参考にしたり、私の読書指南番である日本財団評議員・鳥井啓一氏からの推薦本を頼りに読書を続けてきた。

一昨年、私を主題として作家・高山文彦氏が書かれた『宿命の子』が、御厨貴・東大名誉教授よって『週刊読書人』(280円)に書評が掲載されたのを機会に愛読者になった。どちらかといえば左翼寄りかも知れないが、私にとって問題ではない。

8ページ立ての新聞は実に読み応えがあり、たっぷり時間が必要である。昨年12月22日付の年末回顧総特集号は、私の個人的意見ではあるが、新年の五大新聞紙全てを合わせても遠く及ばない充実した内容であった。

宮台真司、苅部直、渡辺靖による鼎談「民主主義は不可能な思想か」は2ページ半に及び、深く議論を掘り下げた内容であった。2017年度の文藝の総括では、外国文学:イギリス、アメリカ、フランス、中国、ラテンアメリカ、韓国、ロシアの翻訳本のすべての紹介があり、ノンフィクション、児童文学、短歌、俳句、ミステリー、詩、SF、時代小説、女性科学、科学技術、マスコミ、論潮、経済学、哲学、社会学、芸術では美術、演劇、写真、映画、音楽について、歴史については東洋史、日本史、西洋史等々の書評があり、誠に読み応えがあった。

その上、朝日、毎日、読売、日経、産経の書評案内まである。また、2017年度の文学賞(小説、評論、児童文学、詩、短歌、俳句)や文化賞には大宅壮一賞、菊池寛賞、講談社出版賞など、閑遺しにいくつあるか数えてみた。

文学賞(小説、評論)は芥川賞、直木賞を初め72もあった。児童文学賞も以外に多く37。中には産経児童出版文学賞のように10名以上の受賞者がいる賞も幾つもある。

詩、短歌、俳句では斉藤茂吉賞、中原中也賞など67。文化賞にいたっては芸術選奨、日本芸術院賞にはじまり、日本自費出版文化賞や料理レシピ本大賞まで137もあり、数百人が受賞している。

読者の急減、出版文化の危機とはいうものの、出版文化に関する賞は隆盛期とかわらないのが可笑しい。販売促進のツールとして必要なのであろうか・・・

私の知識不足のせいではあるが、それぞれ特色ある良書を出版している零細出版社が意外に多いことを『週刊読書人』で知った。早速『立山信仰と三禅定』(福江充著 岩田書院)」を見つけた。8800円と多少高値ではあるが、発行部数はたったの300部。三禅定とは富士山、立山、白山のことで、三霊山巡礼の習俗について江戸時代の実態を記した書物である。

日本の出版文化を力強く支えているのは、大出版社は勿論のこと、多くても数十人、場合によっては10人程度で、志高く赤字覚悟で活躍されている多くの零細出版社のお陰であることを教えてもらった。

読み応えある『週刊読書人』は、月刊雑誌に優るとも劣らない質量であり、良書に出会う機会も数多くある。
是非一読、そして購読をお勧めしたい。
「イラン豆知識」 [2018年01月15日(Mon)]
「イラン豆知識」


一昨年5月と昨年の3月にイランを訪問した。イランは、北はアゼルバイジャン、アルメニア、トルクメニスタン、東はパキスタン、アフガニスタン、西はトルコ、イラクと国境を接する人口約8000万人の中東の大国である。

アメリカとは今なおギクシャクしているが、日本との関係は、ペルシャ文明の数々の文物がシルクロードを経て日本にも届き奈良の正倉院に展示されていることでも分るように良好である。

イスラム圏には大きく分けるとシーア派とスンニ派が存在する。イランはシーア派で、隣のイラクはスンニ派だったサダム・フセイン政権が倒れた後、イラン・シーア派の影響が増大している。対するサウジアラビアはスンニ派でアメリカとの関係も良好である。

イランでは女性の副大統領が誕生したこともあり、2016年5月には、笹川平和財団やイラン女性・家庭環境担当副大統領府が協力して首都テヘランで「平和と持続可能な開発における女性の役割」をテーマに国際シンポジウムを開催した。安倍昭恵・首相令夫人にも出席いただき、スピーチはもちろん、記者会見にも応じてもらい好印象で迎えられた。イランと日本の関係拡大に民間交流が大切なのは言うまでもない。

シンポジウムム会場.JPG
シンポジウム会場
ヒジャブを纏った女性たち


イランでも女性の社会活動の重要性は次第に認識されてきている。しかし、女性にはヒジャブ(頭、顔を隠す布)が強制され、街中にイスラム革命防衛隊の監視も残っているようで、女性が男性と手をつないで歩くといった自由が認められているわけではない。サウジアラビアでは不倫は死刑だが、イランでも石打による死刑の宣告例もあり重罪である。

シンポジウムの合間に、これまで知らなかった、いろいろな話を聞いた。以下、気の向くままにイランの豆知識として記します。

1)イランの主食は米。
 首都テヘランは、荒涼とした荒地と裸の山に囲まれているが、カスピ海の近くは緑豊かな山岳地帯と田園が広がっているという。

2)イランでは家庭を大切にする。
 妻は料理自慢の人が多く、夫が外食するのを嫌う。自分で作った料理を夫に食べさせ、喜んでほしいと思っている。夫は定年退職後も家庭で可能な限り妻の横に座り、話に夢中になるそうだ。定年後は粗大ゴミ、濡れ落ち葉といわれるどこかの国とは大いに違う。

3)イランでは「嫉妬の目」というものを極端に嫌う習慣がある。
 例えば新車購入の儀式。4つのタイヤの下に、目に似ている玉子を入れ、「嫉妬の目」をつぶすのが習慣らしい。

4)会社や学校は午前7時〜午後2時。
 帰宅後、主食の昼食を家族で食べ昼寝に入る。夕食は9時〜10時で軽め。ヨーグルトを食べることが多い。寝る前に胃に負担をかけないためらしい。イラン人にとって、日本人を含め外国人が朝、ヨーグルトを食べるのは不思議なことらしい。

5)男性がいるところで女性は必ず「ヒジャブ」を被り黒い洋服を纏う。
 男性に女性を意識させないためらしい。ただし、女性だけの集まりになれば、それはそれで華やかな服装に彩られるようだ。しかし一歩外に出るときは、黒のマントとヒジャブで没個性的な服装に早変わりする。

6)学校なども一つの教室に仕切りがある。
 男女が左右に分かれた授業となり、それならば男女別々の学校にすればよさそうだが、財政上、ままならないそうである。

7)まだまだ従姉弟婚が多い。
 近親結婚の弊害も多いようだが、半面、都心部では恋愛結婚や離婚も多く、高学歴の女性は結婚が30歳を超えるケースも増えている。最も、これはこれで問題があるらしい。


「外相専用機の実現を!」―これはおねだりか?― [2018年01月12日(Fri)]
「外相専用機の実現を!」
―これはおねだりか?―


河野太郎外相が昨年12月18日、2019年度予算で「外相専用機」を要求する考えを明らかにした。翌19日の記者会見も含め各紙が概ね発言内容をそのまま伝えているのに対し、朝日新聞は20日付朝刊で「国民に増税を求める中での導入検討には批判も出そうだ」と報じ、翌21日朝刊の天声人語でも「福祉予算は切り詰められ、新税や増税の案ばかり出てくる。外相専用機に納税者の理解を得るのは容易ではない」と書いた。

もちろん賛否両論、いろんな意見があっていい。ただし私は、外相専用機だけでなく財務大臣、経済産業大臣にも専用機は必要不可欠と考えている。

私は昨年、計23回139日、海外活動をしたが、乗り継ぎ便の3〜4時間待ちは普通で、アフリカ行きはパリやロンドンで7時間待ち、遅延もある。一方で、近年は日本でも多くの企業家が専用機を活用しており、「プライベート機種は何ですか」と聞かれることも稀ではない。かつて、フジモリ・ペルー元大統領が日本から帰国するとき、「日本財団の笹川さんのプライベートジェット機を使ったとの噂がありますが、本当ですか?」と、週刊新潮から二度にわたって問い合わせがあり、苦笑いしたことを思い出す。多忙な一国の大臣が民間機での移動では貴重な時間の浪費であり非効率だからだ。

河野外相は、中国の王毅外相の外国訪問回数が自身の3倍近くに上っている事実を引き合いに「この差をどう埋めるか真剣に考える時期だ」とも述べたと報じられている。グローバリゼーションのこの時代、「日本あっての世界」ではなく「世界あっての日本」であり当然の指摘だと思う。

現に安倍政権に対する諸外国の期待は大きく、昨年来日した国家元首をはじめ諸外国の要人との面談回数も歴代内閣の中で群を抜いている。衰えたりと言え、大英帝国が日本に同盟関係を求める時代である。

まして日本には国会対応がある。超過密スケジュールで帰国した翌日にも国会出席を余儀なくされ、一国の首相をこのように酷使する国は、私の知る限り他にない。安倍首相の国会への出席日数と答弁回数の多さは群を抜いている。政権の枢要な立場にある外務大臣も例外ではない。

専用機に関しては2013年7月8日のブログで天皇陛下、総理がご利用になる専用機のお粗末さを報告したことがある。世界各国からの日本への大きな期待に応えるためにも、河野外相が求める専用機の必要性は当然のことで、6〜7人乗りの小型機のリースでもよいので早急に手当すべきである。

関連して河野外相の導入検討を「おねだり」と報じた記事もあったという。国民の嫉妬心を煽り、政治家をポピュリズムに迎合させることになりかねず、河野外相が「極めて遺憾」と不快感を表明したのは当然と思う。

*今夜半からミャンマー少数民族の和解協議のため1泊4日でタイ、ミャンマーで活動して参ります。
 帰国は月曜日早朝です。
「元旦の富士山と家族」 [2018年01月10日(Wed)]
「元旦の富士山と家族」


1.jpg
今年の富士は異常です。
山頂には雪が少なく、谷筋に沿って雪があるだけの珍しい富士山です。
例年8合目以上は白雪に覆われるのですが、まさか天変地変の前触れではないでしょう。
平和な一年を祈っております。

2.png
総勢20人分のお雑煮係は私の仕事。
この姿を見ると、近い将来の独居老人が想像できます。

我が家の雑煮.jpg
我が家の雑煮。

孫一人一人にお年玉授与式。.jpeg
孫一人一人にお年玉授与式。

恒例元旦、一族20人の集合写真。老夫婦に息子4人と妻4人、孫10人。.jpeg
恒例元旦、一族20人の集合写真。
老夫婦に息子4人と妻4人、孫10人。
「新年ご挨拶」―珍名の話― [2018年01月04日(Thu)]
「新年ご挨拶」
―珍名の話―


明けましておめでとうございます。

日本人の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳(2016年)と引き続き過去最高を記録し、良いか悪いかは別として、人生100年も夢ではなくなりました。

一方で医療・介護に依存しないで日常生活を送れる「健康寿命」は男性が71・11歳、女性は75・56歳だそうです。1月8日の誕生日で79歳となる私は、有り難いことに健康には自信があり、気力、体力も充実しています。

今年も
@ ハンセン病の世界制圧
A ミャンマー政府と少数民族武装勢力との和平実現
B 深刻な人類の生存にかかせない海洋問題への取り組み
の三点を重点に、世界を舞台に精力的に活動します。

勿論、日本の諸々の社会課題の解決も、「民」の立場で新しい時代の社会づくりに汗を流したいと思っています。

ところで、2010年5月24日のブログで珍名を紹介したことがありますが、正月の話題として少し追加してみました。

昨年、某女性代議士の「このハゲ!! バカヤロー」との発言が話題となり、先の衆議院選挙で見事落選したことで、被害者のハゲと呼ばれた男も、きっと溜飲を下げたことであろう。しかし、ハゲさんは、実在するのである。正しくは禿(カムロ)さんである。正月さんもいる。正しくは「マサツキ」と読むらしい。日本には約20万種類を超えるといわれる名字があり、これは世界一である。

富山県の旧新湊(しんみなと)市、現代の射水市は江戸時代の港町で、商人は各々○○屋という屋号の「屋」を外してそのまま登録したため、「桶(おけ)」「車(くるま)」「水門(すいもん)」「風呂(ふろ)」「綿(めん)」「米(こめ)」「菓子(かし)」「瓦(かわら)」「壁(かべ)」「籠(かご)」「酢(す)」などの名字があるそうだ。

「八月一日」さんは「ほづみ」さんで「12月31日」さんは何と!「ひずめ」と読む。更に「百千万億(つもい)」もおられる。書類の欄にこのように書けば、いたずらと思われるかも知れない。

正月(まさつき)さんや幸福(こうふく)さんはめでたい名字でいいが、同情に値する名字には「工口(こうぐち)」さん、「金玉(きんぎょく)」さん、「二股(ふたまた)」さん、「浮気(ふけ)」さんという方々である。

一番画数が多いのは「躑躅森(つつじもり)」さんの54画らしい。名字を書くだけで疲れてしまいそうだ。極め付けの名字は、なんといっても「一一」さんだ。名前の欄にこう書かれれば名無しなってしまうが、正しくは「にあがりはじめ」さんです!!

※一部、1月13号の「週刊現代」を参考にしました。

名字にご興味のある方は「全国名字大辞典」森岡浩著をお勧めします。
「年末ご挨拶」―ミャンマー出張― [2017年12月26日(Tue)]
「年末ご挨拶」
―ミャンマー出張―


今年最後の出張は、政府と少数民族武装勢力との停戦実現へ向けての活動で、今日の深夜便でミャンマーです。

今年の海外出張は23回、139日間でした。

このような活動を可能にしてくれた財団スタッフ、そして、陰ながら応援して下さっている読者の皆様にも、あらためて感謝申し上げます。

良き新年をお迎え下さい。



「中国の小話」その151―サンタクロースとマルクス― [2017年12月22日(Fri)]
「中国の小話」その151
―サンタクロースとマルクス―


生徒:先生、今晩はクリスマスイブだから課外補習の授業を欠席させて下さい。

先生:何故クリスマスが好きなの?

生徒:ひげもじゃもじゃのサンタクロースが好きなの。

先生:マルクスもひげもじゃだよ。

生徒:ぜんぜん違います。
   サンタさんはみんなにプレゼントをくれます。
   マルクスは財産のある人から物を奪おうと呼びかけています。
   早く家に帰りたいのは、サンタさんを迎えるためと同時に、マルクスに物を
   持ち去られるのを阻止するためです。

先生:我が国は共産主義社会だぞ。

生徒:先生はそれを信じているのですか?

先生:???


「宿命の戦記」―出版のご案内― [2017年12月18日(Mon)]
「宿命の戦記」
―出版のご案内―


「宿命の戦記」高山文彦著 小学館 1900円+税 が出版されました。

無題.png


「宿命の子」に続くもので、2010年、インドからスタートして約7年間、20カ国において私の生涯の仕事である「ハンセン病制圧及びその差別撤廃活動」の状況を同行取材されたものです。

ご興味のある方は、是非、ご一読願いたいものです。

又、「文藝春秋」新年特別号の特集「米百俵の精神を取り戻せ」では、15ページに及ぶ小泉純一郎元首相との対談で、最後に「息子進次郎さんは親父さんより良い政治家になるだろうけど・・・小泉純一郎の最後の仕事は、進次郎さんの嫁盗りだな」「参っちゃったな」「国盗より嫁盗りですよ」で一件落着。

文藝春秋.png


新春笑い話としてご一読下されば幸甚です。

「中国の小話」その150―金正恩 中国に現われる― [2017年12月18日(Mon)]
「中国の小話」その150
―金正恩 中国に現われる―


朝鮮半島情勢が緊迫化する中、今年の夏から河南省の農村部に住む写真の若者が注目されている。

若者の名は張全才。
河南省新郷市にある飲料水販売会社の配送スタッフ。
彼の顔を一目見たすべての人がまず驚き、次いで思わず笑ってしまう。
あまりにもあの人に似ているんだ!

渦中の人物.JPG


米軍の斬首作戦の犠牲にならないよう、気をつけてもらいたいものだ。
他人の空似とはいえ、このケースは命に関わる問題で、気の毒な限りである。


「結婚45周年」―息子たちの反応― [2017年12月15日(Fri)]
「結婚45周年」
―息子たちの反応―


今年の結婚記念日は45周年であったが、毎年のごとく、外食嫌いの老妻と二人だけ。一品料理の簡素な夕食は15分で終わった。

この45年間、必ず結婚記念日に花を届けてくれる心の友のお陰で少し部屋が明るく感じた程度であらためての感慨もないが、二人とも大した病気もせず今日まで健康なのは何よりの幸せである。4人の息子もそれぞれ伴侶を得て10人の孫にも恵まれた。

老妻はニヤニヤしながら息子からのメールを見ろと強要する。私はアナログ人間でテレビやスマホにまったく興味がない。ラインとやらで私を疎外して家族で情報の共有をしているぐらいのことは知っているが、どうせろくでもないメールだろうと無視していたら、老妻はヒィヒィ、フフフと笑って、私の顔にスマホを突きつけてきたので仕方なく読んだ。

「耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、我が家の屋台骨を支えてきたのはお母さんですよ。心からの感謝、感謝です。僕たちのために健康で長生きして下さい。暴走老人1名、一長一短の愚息4名、しばしば家出する犬二匹、頻尿の猫二匹、よくまとめて面倒を見て下さいました。あんな偏屈な、今や暴走老人に仕えて45年。その努力は人間国宝に値するよ!!」

何たるメールだ!
結婚45周年に私は偏屈な人間で今や暴走老人だと!

私は確かに交際下手な人間だから、人々と群れるのを極力避けてきた。しかし、息子たちには父親の背中を見せて育てたいと、あまり説明もせず、全力で働いてきたつもりだ。そうか、君たちは親父の背中を見て育つという言葉を知らなかったのか。

ここに相撲の増位山の「男の背中」という歌がある。
男の肩と 背中には
むかしの影が ゆれている
恋も 涙も 悲しみも
だれにも言えない 傷あとも
ゆらゆらゆら とまり木ゆれて
グラスの底に 明日(あす)をみる
おまえはそんな 男の姿
気付かないけど

君たちの評価が偏屈で暴走老人だとは、誠にもって私の不徳の至りだ。
しかし、息子たちよ!!
親父を反面教師として、よき夫、よき家庭を築きなさい。

まぁ、母親を大切にする思いには同感する。多くの女性と関係し、「私は腰から上の人格者、夜の部は人格者にあらず」とうそぶいていた私の親父・笹川良一も、「世の中に女性は大勢いるが、10月10日(トツキトウカ)腹に抱えて産みの苦しみを味わって私を生んでくれた女性は世界でたった一人、私の母親だ」と言って、大阪に行くと晩年まで年老いた母親の肩をたたいたり、金比羅山に背負ってお参りしたりと、懸命に世話をしていた。

「宮の階(きざはし=階段) 数えても数えきれない 母の恩愛」とも詠んでいた。

つきつめれば、所詮男は「種」を提供するだけの存在かも知れない。オスとしての役割が終われば権限は妻に移行する。それが宿命なのだろう。

息子たちよ、徹底して母親孝行をしたまえ。私にとっても誠に嬉しいことで、心から同意する。私は来年1月には79歳になる。第二の青春時代のこれからを、暴走老人と思われようと、暴走、激走、爆走、世界中を走り回り、いや飛び廻り、ハンセン病を制圧して有意義な人生の終末を迎えたいと思っている。

だから最後の時を迎えても涙なんか流すなよ!!
私に流す涙があったら母親のために、心からの感謝の涙として残しておいてくれ。1週間でも1ヶ月でも、涙が涸れるまで泣き続けたまえ。君たちが尊敬する母は、この地球上にたった1人だけなのだから・・・。
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