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「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その36 [2008年08月03日(Sun)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その36


7月20日付東京新聞は、最新たばこ事情と題して、喫煙は「ニコチン依存症」という病気だと断定し、図解入りの詳細な説明をしている。

特に「なぜ、今禁煙なのか」と題する東京衛生病院内科・佐々木温子医師の記事を掲載する。

私は再三、禁煙論者ではないと明言している。
なんとなく、むやみに喫煙する習慣から、たばこの有害性をはっきり理解し計画的な喫煙へと、従来のたばこ文化を替えるべきだと主張しているのである。

*********************************


なぜ、今禁煙なのか
東京衛生病院内科医師
佐々木温子

たばこに害があることは誰でも知っていますが、どれほど害があるかについて十分知られていないようです。たばこの煙には四千種類以上の化学物質が含まれ、二百種類が有害物質、約五十種類が発がん性物質です。一服吸う度に有害物質が取り込まれ、さまざまな病気を起こします。

日本人の三大死因であるがん、心臓病、脳卒中および近年、高齢者に急増しているCOPD(慢性閉塞性肺疾患)はすべて喫煙が関連しています。死因の約四分の三が喫煙関連というわけです。さらに糖尿病や最近話題のメタボリックシンドロームの原因となることもわかりました。喫煙し続けていつまでも元気で健康でいられる確率は極めて低いのです。

たばこの成分のうちのニコチンには「依存をもたらす」作用があります。ニコチンは脳に働きドーパミンという快感を感じさせる化学物質を放出させるために喫煙者はニコチン依存状態に陥り、たばこの害を耳にしてもたばこをやめたくないと思ったり、やめたいのにやめられない、という状況をもたらします。

現在、喫煙は「ニコチン依存症」という脳の病気であること、そしてさまざまな病気をもたらす全身の病気であるととらえられ、一定の条件を満たせば健康保険を使って治療できるようになりました。

恐ろしいのは受動喫煙の害が十分認識されていないことです。日本は喫煙対策が非常に遅れています。喫煙者も非喫煙者もたばこに対して甘く、鈍感です。現在世界中で喫煙規制が進められているのは、受動喫煙の害が明らかになったからであり、ファッションのような流行ではありません。

WHO(世界保健機関)によるFCTC(たばこ規制枠組み条約)には日本も2004年に批准しましたが、このことを知っている国民はごくわずかです。

最近、胎児期にたばこの煙に曝されると、将来、生活習慣病になりやすいこと、またキレやすくなったり、問題行動を起こしやすくなることなどが報告されています。たばこの害は同世代の人々に対してだけでなく、次世代へも受け継がれているようです。

非喫煙者を受動喫煙の害から守るために公共の場における喫煙規制を進め、たばこが嗜好品を越えた有害物質であることを国民に広く知らしめることが求められています。
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その35 [2008年08月02日(Sat)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その35
―たばこは有害か?―


たばこの有害性については、WHOの各種データを見るまでもなく、世界の医学界では常識となっているが、驚くべきことに日本ではそうではないらしい。

ここに「たばこは有害であるという根拠は怪しい」とする名取春彦氏(獨協医科大学放射線科医師)と、有害論の祖父江友孝氏(国立がんセンター、がん情報・統計部部長)の両氏の意見を、週刊現代8月2日号の記事を借用して掲載する。

読者の判断や如何に・・・


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名取春彦 独協医科大学放射線科医師・『たばこ有害論に異議あり!』著書・58歳

たばこは有害であるという根拠は怪しい

嫌煙は権利かファシズムか
「健康に悪影響」のもととなった疫学調査の“隠された部分”

「たばこは有害である」という論理は、いまや一般常識のようになっていますが、私はそもそも、その根拠となっているデータに疑問を感じています。

日本の禁煙・嫌煙の理論的裏づけは、1966年から1982年にかけて行われた、生活習慣と病気との関係を追った大規模疫学調査の結果によるところが大きいのです。この調査は、当時の国立がんセンターの疫学部長・平山雄氏と厚生省が中心になって行ったものですが、「たばこは有害だ」という結論が先にあり、それに結びつくデータしか採用していないという点が問題だと思うのです。

そのことが顕著に表れている具体例があります。掲出した表は、平山氏の論文中のデータをもとに、男性のがんによる死亡人数を示したものです。表中の「調査対象人数」とは、平山氏が言う“延べ人数”のことで「調査人数×観察年数」を表しています。

「その他」の欄は、私が平山氏のデータから数値を算出し、新たにつけ加えたものです。注目すべきは「その他」の欄の「10万人あたりの死亡人数」。これに当てはまるのは、「毎日喫煙する」のでも、「喫煙しない」でもない人、つまり「ときどき吸う人」です。この「10万人あたりの死亡人数」が264人と、「喫煙しない人」の304.4人も低くなっているのです。

このデータは、平山氏の論文中には記されていません。つまり、“たばこは有害である”という理論に反する結果が、隠蔽されているのです。

このほか、受動喫煙に関しても、疑問視すべき点があります。@「夫婦共に非喫煙の場合」と比較して、A「夫のみが喫煙者の場合」は、妻の肺がん死亡率が約2倍になるというデータが平山氏におり1982年に発表されました。この結果が多くの論者に引用され、受動喫煙被害が騒がれるきっかけとなったのです。

ところが、平山氏が発表している死亡率から、実際の死亡者数を算出してみると、@の場合の妻の人数は2万1895人で、そのうち肺がんで死亡したのは2人、Aの受動喫煙とされている妻の人数は6万9645人で、そのうち肺がん死亡者数は11人。この数値で、統計学的に有意差があると言えるでしょうか。@の場合で2人が3人に、Aで11人が10人に減ってしまえば、その差はなくなってしまう程度の数値なのです。

このように、平山氏の研究は都合のよい結果だけを強調することで、たばこの影響力が非常に大きいように錯覚させているのです。「たばこ有害である」と主張するのであれば、他のものと比較すべきです。例えば、たばこと同時にアルコールのデータを同じように並べる。そうすれば、少なくともたばこと酒ではどちらがどの程度健康に害を及ぼすか、ということは証明できるはずです。

現段階では、たばこが酒や他のものよりも健康に影響を与える、とは断言できないでしょう。


=========================================


祖父江友孝 国立がんセンター がん情報・統計部部長・49歳

統計がすべてを物語る―
喫煙する人は
吸わない人に比べて
がんになるリスクが高い

肺がん4.5倍
喉頭がん32.5倍・・・・・・
たばこはやっぱり
身体に悪いんです

たばこを吸い続けることで、寿命は縮まるのです。

ご存じの方も多いと思いますが、これは調査に基づいた事実です。イギリスで1950年代から50年間にわたり調査されたデータによると、喫煙者は非喫煙者に比べて寿命が10年早いと指摘されています。日本でも複数の調査が行われており、男性では約5年、女性では約4年、寿命が縮まるという結果が出ました。

たばこは、健康への影響が非常に大きい。喫煙とがんの関連については、これまで動物実験や疫学研究など、さまざまな研究が行われてきました。それらの研究のどのデータを見ても、肺がんをはじめとした病気と喫煙との間には因果関係があると言われています。

現在、日本においては、20歳以上の男性の45.8%、女性の13.8%がたばこを吸っています。これだけの人が、疾患のリスクを高める物質に接している例は、他にはありません。アスベストなどによって肺がんなどのリスクは、約2〜3倍になりますが、社会全体から考えると、極めて頻度が少ない。たばこを吸う人数とは桁が違うわけです。

また、たばこを吸っている人は、吸っていない人に比べて病気にかかるリスクが高いということが言えます。次のページの表を見ていただければわかるとおり、男性ですと、非喫煙者と比較して、肺がんのリスクが4.45倍。喉頭がんでは、なんと32.5倍にもリスクが上がっています。これは、1966年〜1982年に約30万人の日本人を対象に行われた調査を元に出された数値ですが、その後の研究でも、喫煙ががんのリスクを上げるということが示されています。

また、喉頭がんは、すべての患者の中で喫煙が原因である割合が96%にも上る。食事や大気汚染などが要因で健康に表れるリスクは、1.5倍以下の場合が多く、それに比べるとたばこのリスクは明らかに高いのです。

たばこが主な原因だと考えられている呼吸器疾患に、COPD(慢性閉塞性肺疾患)があります。たばこを吸うことで肺の組織が破壊されてしまうのですが、肺の組織は一回破壊されると簡単には再生しないので、酸素の交換能力が減っていき、常に息苦しい状態となる。最終的には酸素ボンベを常時携帯していないと呼吸できない体になってしまいます。これは、50年程度の長期間たばこを吸い続けた人は必ず発症すると言っても過言ではない病気です。そして、現在の医療では極めて治りにくいのです。

これから、喫煙し続けている70歳以上の高齢者に、COPD患者がますます増えていくでしょう。今後、高齢化が進むなかで、社会問題化していくと考えられています。COPDはがんのように進行して亡くなるわけではなく、息苦しい時間が長期間継続するのです。

こうしたたばこによるリスクは、禁煙することで改善できます。吸うのをやめて、一番早くリスクが減少するのが循環器疾患。狭心症や心筋梗塞は、ヘモグロビンに一酸化炭素がくっついて酸素運搬能力が衰退することが発症の一因ですが、喫煙をやめれば、2〜3年で元の状態に近づきます。がんの場合は、いくつかの重要な遺伝子に異常が起き、それが蓄積することで悪性化していく。それだけ時間をかけて進行していくので、リスクが減る時間も少し長いのですが、肺がんだと禁煙後10年で、リスクが半分に減ることが統計的にわかっています。

生活習慣の改善で、病気のリスクが減少するということは、たばこでしか実証できていません。塩分の多い物を食べると胃がんになりやすいとか、運動をしている人に大腸がんが少ないというのは事実です。しかし、運動していなかった人が運動を始めて、実際に大腸がんがどの程度減ったかを実証したデータはありません。その点、たばこは禁煙したことで病気になるリスクが減少することが現実のデータで示されている数少ない例のひとつです。

病気にかかるリスクが高くなる、寿命が縮まる、ということがわかっているうえに、禁煙したらそのリスクが低くなる―。ここまで条件がそろっているのですから、やはり禁煙したほうがいい。たばこを吸っている方も、今日から禁煙すれば、まだ間に合います。
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その34 [2008年07月26日(Sat)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その34
―ビル・ゲイツ 禁煙運動に5億ドル―


世界屈指の大富豪、マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏とブルームバーグ財団のブルーム・バーグ・ニューヨーク市長は、7月23日、総額5億ドル(約540億円)を投じて世界各国で禁煙運動を進める計画を発表した。

中国、インド、ロシアや途上国での喫煙規制、メディアなどによる禁煙キャンペーンを援助する。

ゲイツ氏は「喫煙が引き起こす疾患は、途上国にとって最大の難問の一つ。何百万人もの命を救う方法を私達は知っている」と語った。

グルーム・バーグ市長はニューヨーク市内のバー、レストランを全面禁煙とする施策を実行したことで知られている。

7月24日 日経・夕刊
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その33 [2008年07月26日(Sat)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その33
―最新世論調査―


6月14日、15日に産経新聞とFNNが合同で実施した1000人世論調査では、一箱1000に全体の49.6%が賛成。反対は41。2%であり、喫煙者も22%が賛成と答えた。

今回は、7月18日の紙面で募集した「たばこ一箱1000円」について、4536人(男性3766人、女性770人)からの回答結果は
@ たばこ一箱1000円 賛成 65%、反対 35%
A たばこ一箱1000円になると喫煙者は減るか?
  減る 87%、減らない 13%
B 値上は喫煙者に対する差別か?
  差別である 38%、差別ではない 62%

7月25日 産経

「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その32 [2008年07月26日(Sat)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その32
〜アメリカ大統領候補 オバマのトップ・シークレット〜


よもやといわれていたオバマが、大本命といわれたヒラリー・クリントンに競り勝って民主党大統領候補となり、共和党のマケインとの一騎打ちになった。

現大統領・ブッシュは、大統領になる前の外遊経験はメキシコしかなく、外交ではコンドリー・ライス国務長官を抜擢したものの、何ら外交成果をあげることなく退任となることは明白である。

外交関係が弱点といわれるオバマは、早速、安全保障や外交政策の経験不足のイメージを払拭するため、アフガニスタン、イラク、ヨルダン、イスラエル、パレスチナの中東各地を訪問した。

オバマが海外を訪問することは結構なことである。ユニラテラリズムは崩壊したものの、今なおアメリカが強大な軍事力を持っていることに相違なく、オバマには大いに世界の実情を勉強してもらいたい。

ところで麗々しく表題に書いたオバマのトップ・シークレットとは何であるか? 話は簡単。今、国民的話題になっている「たばこ」の話題である。

オバマはアメリカ指導者としては珍しく喫煙者である。別に喫煙者が大統領になってもおかしくないと思うのだが、アメリカではそうはいかないそうである。

肥満が会社の管理職にふさわしくないのは、自己管理が出来ない人間が指導者としてふさわしくないのと同様に「喫煙はニコチン中毒による病気」と考えるアメリカでは、最高指導者が喫煙者ではどうも具合が悪いらしく、今、懸命に禁煙努力をしているらしい。

そういえば、G8の首脳で喫煙者はいなかった。

「たばこは人を殺す道具」といったWHO前事務局長・ブルットランドの強力な禁煙政策の下でも、厳寒期、WHOの職員が事務所ビルの外で数人が集まって喫煙している光景は、訪問するたびに目にする光景である。禁煙はやはり相当難しい問題のようだ。

オバマが禁煙に成功して大統領になるか、戦いに負けて喫煙を再開するか、しばし見ものである。
「たばこ一箱1000円、タバコ1箱1000円」その31 [2008年07月06日(Sun)]
「たばこ一箱1000円、タバコ1箱1000円」その31
―日本経済新聞社・社説「たばこ一箱500円ならいかが」を読む―


「たばこ一箱1000円」がほとんどのマスコミで取り上げられ、国民レベルで税金や健康問題の議論が活発化したことは問題提起者として望外のことである。

読者ご高承の通り、全ての議論は「たばこ一箱1000円」で沸騰している。1000円という数字が象徴的であり、喫煙派と禁煙派、そして喫煙派の中の絶対継続派、本数減継続派、この際禁煙と、さまざまな議論を呼んでいる。

いずれ出ると予測していた「足して2で割る500円説」がとうとう出た。私は新聞の社説などあまり読んだことはないが、たまたま目に入った。

別紙は日本経済新聞6月18日付朝刊の社説である。社説は元来、社会の木鐸として新聞社の公式見解であり、論調は明解にして、見出しも命令調や断定型が多い。

しかし、この社説の見出しは「たばこ一箱500円ならいかが」と読者に伺いをたてている。内容はどこかの省庁の応援団のようで誠に歯切れが悪い。

「喫煙者は今や社会的に弱い立場にある。だから増税しやすい発想があるなら、それはイジメに近い。他人に迷惑をかけず喫煙する人の権利も考える必要がある。マイルドセブン一箱まずは500円でどうだろう」とある。

これは日本経済新聞社の社説というよりどこかの省庁の代弁と思われても仕方ない。毎日新聞6月17日付夕刊「足して2で割るな」と読み比べてもらいたい。公平を期するために全文を下記に披露する。

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「たばこ一箱500円ならいかが」

6月18日
日本経済新聞「社説」


病気の予防や税収拡大のため、たばこ税を引き上げようという議論が高まっている。増税により一箱300円のマイルドセブンなら千円にするための議員連盟も生まれた。

喫煙者は今や社会的に弱い立場にある。だから増税をしやすいという発想があるなら、それはイジメに近い。一気に一箱千円にするというのも愛煙者に厳しいかもしれない。

とはいえ、喫煙者だけでなく周りの人の健康被害も考えると、増税による禁煙の応援は必要だ。私たちは2年前のたばこ増税の前に、早くから増税の主張をした。今回も、一箱500円程度になるような増税なら、やむをえないと考える。

たばこの煙は約200種類の有害物質を含み、肺気腫や肺がん、心臓疾病の原因になるが、やめられない人はなお多い。男性の喫煙率は40%弱で、米国(同24%)や英国(同27%)を大きく上回る。

原因はやはり値段の安さにある。財務省によると、英国では20本入り一箱が1297円(うち、たばこ税などが802円)、米ニューヨーク市は759円(同396円)。174円という日本のたばこ関係税は著しく低い。

これは日本たばこ産業や葉タバコ農家、販売店への政治的配慮が働いてきたためだ。最近、政治家から増税論が出てきたのは、来年度の消費税増税を避ける狙いがある。

年金制度改革により来年度から国庫負担の拡大が決まっている。消費税1%相当分の必要財源、約2兆3千億円をほかから調達しようとすればたばこ税しかないというわけだ。

国と地方のたばこ関係税の税収は今年度見通しで2兆2千億円。「一箱千円」が実現し、需要があまり落ちなければ、増収効果は8兆円以上、と議員らは期待する。

だが大幅に増税すれば喫煙者が減って税収はいずれ減るかもしれない。消費税増税までの「つなぎ」としてならともかく、年金の安定財源としてたばこ税に期待するのは無理がある。年金財源問題とは基本的に切り離して考えるべきだ。また他人に迷惑をかけず喫煙する人の権利も考える必要がある。

マイルドセブン一箱、まず500円でどうだろう。増収効果は2兆4千億円程度である。


足して2で割るな

6月12日
毎日新聞朝刊


たばこを増税し、1箱(20本)300円ぐらいから1000円に値上げしようと政治家が言い出した。パリのカフェも今年から屋内禁煙になったし、いよいよ年貢の納め時かなと観念しかけたが、何か釈然としない。

喫煙室で同僚に聞いてみた。海外取材の多い男性記者は「欧米では当たり前だから」と意に介さない様子。女性記者の1人は「一気に1000円なら禁煙を考えるが、中途半端な値上げはずるい。優良な納税者に対する敬意が必要よ」と鋭い。

たばこと塩の博物館(東京・渋谷)によると、たばこの伝来は江戸初期だ。当初は薬用で、種も一緒に幕府に献上されたという。しかし、国内栽培が始まると、農家に直接売買の機運が生まれる。年貢を納めさせる税制の崩壊を危惧した幕府は売買・耕作禁止のおふれを何度も出した。税とたばこの因果はこの辺が原点らしい。

政治信念で1000円にするのなら真剣に向き合う。「足して2で割って600円」などと決心がにぶるようなことなら勘弁願いたい。【因幡健悦】
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その30 [2008年07月05日(Sat)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その30
―フィリップモリスと日本たばこ産業の差―


「たばこ一箱1000円」について最大の利害者でもあるJT(日本たばこ産業)の対応はまるで説得力がない。

「医療費増大の原因をたばこだけに求めるのは科学的根拠がない。合法の嗜好品にペナルティ的な増税はすべきでない。たばこ農家、販売店をはじめとするたばこ業界および地域経済に壊滅的な影響を与える」と紋切型の反論だけである。

6月16日付のブログで紹介した「たばこは人を殺す」の様々なたばこパッケージの写真。科学的根拠がないなら、なぜタイ国で売られているマイルドセブンにはあのような酸素吸入をしている患者の写真があるのだろうか。

本人の健康問題、受動喫煙、ポイ捨ての環境問題、4000件を越えるたばこによる火災、約60万人の喫煙による補導された未成年者の問題等、なに一つ反論として存在しない。

私が特に知りたいのはJTの強調する葉たばこ農家の問題である。JT総使用葉たばこのうち何パーセントが日本産か。外国葉たばこと国産の価格差、契約の方法等である。JTの情報公開を期待する。

それに比べると、マールボロやラークを発売するフィリップモリス・ジャパンの情報公開は秀でている。「たばこ問題に関するフィリップモリスの意見」として説明書を届けてくれた。

日本のたばこ税は英、仏、シンガポール、ドイツ、オーストラリア、カナダ、イタリア、韓国よりも低く15番目であること。税金を払うために必要な労働時間では24番目であること。日本のたばこ税があまりに低いことを表した図表を公表の上、フィリップモリスのたばこ問題に関する意見として、

1.フィリップモリスは、日本政府が財政および公衆衛生上の目的を両立させる長期的視野に立ったたばこ税政策を採ることを支持します。

2.世界の多くの国では、たばこ税が過度に引き上げられた結果、低価格たばこへの需要シフトや違法たばこ等、政策が本来意図していなかった弊害が起こりました。このようなことが日本でも起きることを避けるため、今後、なだらかで予測可能なたばこ税の引き上げが行われるべきと考えます。

3.たばこ事業法上、たばこの価格は財務省より事前認可を受けることと規定されています。日本のたばこ市場の状況に鑑み、この規定は見直されるべきと考えます。

最後にフィリップモリスのポジションとして、

1.喫煙は危険で依存性があります。喫煙は、肺がん、心臓病、肺気腫、その他重大な疾病の原因となります。
  ・喫煙による健康上のリスクを減らす唯一の方法は禁煙です。
  ・「安全な」たばこというものはありません。

2.公衆衛生当局は、環境中たばこ煙は非喫煙者の健康リスクを増大させるもしくは原因であると結論付けています。
  ・当社は、喫煙が喫煙者にさまざまな疾病を引き起こす要因となること、及び喫煙と依存症に関する、公衆衛生上の一貫した見解を支持しています。

3.子どもたちにたばこを吸ってほしくありません。
  ・未成年者の喫煙は社会問題です。未成年者の喫煙を防止するためには両親、兄弟姉妹、友人、教育関係者、販売店、規制当局、他のたばこ会社など、多くの関係者が共同で取り組む必要があります。

4.たばこ製品に包括的な規制を行うことで、政府はその公衆衛生上の目的を達成し、たばこ業界は必要とする予測可能性と安定性を得ることができます。
  ・統一的な基準が次の分野で、全てのたばこ製品に適用されるべきです。
   − 製品に対する規制、サプライチェーン・マネジメント、マーケティングとセールス、消費者への情報提供、財政措置

5.なだらかで、予測可能な増税を通じて、政府はその財政および公衆衛生上の目的を達成することができます。

となっている。

たばこは健康に害があることを認識した上で毎日新聞6月24日付朝刊で、

フィリップモリス・ジャパンは2006年、外見上未成年に見える成人調査員を500店舗に派遣して購入可能か調べた。この結果、「何も聞かれずに購入できた」が99%以上の496店に上り、未成年に見えてもほぼノーチェックで購入できたという。

このためフィリップモリス・ジャパンは「証明書による年齢確認」を店の方針として確立することや年齢確認を嫌がったり、気の短い客への接し方を盛り込んだマニュアルのCDを製作して販売店に配布。また店のカウンターに「証明書の提示」を明記した表示板を置いたり、ステッカーを貼るように指導しているとある。

誠に良心的に未成年者への販売禁止のための努力もそれなりにやっている。これに比べJTの傲慢な態度はいかがなものだろうか。

読者の判断を仰ぎたい。
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その29 [2008年07月05日(Sat)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その29


数ある新聞の中で、私が最初に読むのは産経新聞の「産経抄」である。
このコラムで「たばこ一箱1000円 笹川陽平」が三度も書かれた。大変なことで、一大名誉?である。

6月14日付は夏目漱石「吾輩は猫である」の猫が書生のたばこをふかすところを見る件(くだり)から引用されている。記憶にないので再読したいと思う。

後段においては「禁煙か」「税収増か」はっきりしない。「二兎を追う者」にならないようにとの忠告をいただいた。

ごもっともな指摘である。だが私の願いとしては二兎を追いたいのである。

現在の消費量で単純計算すると税収増は9兆5000億円である。

たばこによる医療費増1兆3000億円を含む経済的損失は7兆5000億円と推定されているから、たばこ一箱1000円に値上げの結果、消費量が3分の1に落ち込んでも3兆円を超える税収増と単純に経済的損失も3分の1になる計算で、十分に二兎を追える計算である。

お前の議論は「狸の皮算用」だと「産経抄」に叱られそうだが、狸に騙されないよう頑張ります。

余計なことですが・・・私の干支は兎です。

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6月14日付「産経抄」

夏目漱石の「吾輩は猫である」で、「吾輩」が初めて出会った人間は書生だった。拾われたのである。しかし、その掌に乗せられて弱ったことがあった。書生が顔の真ん中にある突起、つまり鼻の穴から「時々ぷうぷう烟を吹く」ことである。

漱石に限らず昔の小説にはたばこを吸う場面がよく出てくる。映画やテレビドラマもそうである。当然ながら「たばこは害悪」といった描き方をされるのは少ない。

猫が煙にむせるぐらいである。話の展開や会話が進むための小道具に使われているといってもよさそうだ。その「吾輩は・・・」が書かれてから1世紀余りがたつが、今の禁煙意識の高まりには、漱石先生も目を丸くすることだろう。

神奈川県は居酒屋なども含む公共的施設の屋内でのたばこを全面禁止する方針だ。世界的にはパリのレストランなども禁煙になったという。そんな中、たばこを1箱1000円に値上げする案が出てきた。

産経新聞正論欄で笹川陽平氏が提案したのがきっかけだが、永田町では実現に向けての超党派議連も結成されたという。何かと「慎重に」が多いこの世界にしては、何とも素早い動きである。

大幅値上げすることで税収の増額が見込まれる。それがいやで禁煙する人が増えれば喫煙率が下がるという「一石二鳥」が期待できる。

しかも日本のたばこは欧米に比べ割安というから反対論も出にくいだろう。というのがこの「盛り上がり」を呼んでいるようだ。ただ気になるのは、議論の力点が「禁煙」にあるのか税収増にあるのか、はっきりしないことだ。

喫煙者が大幅に減ると税収はかえって少なくなるだろうし中途半端な値上げでは喫煙者が減らない。「二兎を追う者」にならないようお願いしたい。
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その28 [2008年06月30日(Mon)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その28
―たばこ1000円の税増収・最大で5兆9000億円に 厚労省が試算―

2008/6/26
産経新聞

たばこ1箱1000円に値上げした場合、最大5兆9000億円の税増収が見込めるとの試算を、厚生労働省研究班(主任研究者・高橋裕子奈良女子大教授)がまとめた。最大の増収幅は、日本学術会議の試算(約4兆円)を上回った。

現行のたばこ関連税は、1箱(20本入り、平均約300円)当たり約175円で、総額約2兆2000億円。研究班は、価格が1000円になるよう税額を上げた場合、喫煙者がどの程度減少するかを、たばこの価格変動が喫煙行動に与える影響をまとめた過去の文献などを基に試算した。

それによると、1箱1000円への値上げに伴い、1箱当たりの税額は175円から875円と5倍に増加。これに伴い、たばこ関連税も、今の喫煙者数のままなら11兆円と5倍になる。

ただ、値上げで喫煙者は51.3〜25.9%に減ると試算。たばこ関連税は5兆3570億〜8兆1510億円で、3兆1000億〜5兆9000億円程度の増収となる。

また、喫煙者が80%減っても、2兆2000億円はまかなえると指摘。高橋教授は「値上げが実現しても、8割の人が禁煙するのは欧米の状況を見ても想定しにくく、税収減はあり得ない」と話す。
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その27 [2008年06月30日(Mon)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その27
「正論でしょう、タバコを1000円に、政治家に欲しいこのセンス」


2008年8月号
財界人

産経新聞のコラム「正論」に掲載された笹川陽平日本財団会長の一文が今、世論を揺り動かしている。タバコ1箱1000円にという提案だ。会長のブログでも発信しており、日本中からこれに対する反応が寄せられている。中にはナチズム的所業だという意見もあるが、提案を支持する声が圧倒的に多い。

「正論」によると、世界の先進国の中で日本のタバコは安すぎる。ロンドンでは5ポンド(約1045円)、ニューヨークでは8ドル(約850円)、これに対して日本は320円とかなり安い。

そして07年の日本のタバコ消費量は2700億本で、税収は約2兆2000億円。これが1箱1000円にすると消費本数が同じならば税収はなんと9兆5000億円になる。値上がりの影響で消費量が07年の三分の一に減ったとしても税収は3兆円を超し、増収になる。

タバコにかけている税率は日本が62.3%だが、05年のヨーロッパ各国の税率はイギリス82.4%、ドイツ80.4%、イタリアが74.9%で、日本は税率でも先進国の中でかなり低く、その分、価格も安くなっている。

タバコと健康被害
タバコは1492年にコロンブスがアメリカ大陸に辿り着いた時にその存在を知り、大西洋を航海する船乗りの間で親しまれ、その後、ヨーロッパから世界中に広まった。

日本にはポルトガルの宣教師や船員によって室町時代末に持ち込まれ、最初は大変高価な薬の一種として富裕層に愛好されたというが、日本国内でも栽培され、江戸時代の中頃になると値段もぐっと安くなり、庶民の間に一気に喫煙の習慣が広まった。

タバコの有害性は意外に早くから指摘されており、イギリスやスペインでは早くも16世紀にタバコは脳や肺に害を及ぼすと言われ、議論を呼び起こしている。

優雅にも紫煙と呼ばれるタバコの煙に発ガン性を有する物質が含まれていることは、世界的に認められている。肺ガン、食道ガン、喉頭ガン、咽頭ガン、そして膀胱ガンなどは喫煙によって増加すると言われている。

03年の日本のガン統計によると、20歳から24歳の男性が喫煙を始めて肺ガンを発症して死亡する数は人口10万人当たり114人で、タバコを吸わない人のそれは24.1人という統計が出されている。このように肺ガンにより死亡する数に関して言えば、タバコを吸う人は吸わない人の約5倍という恐ろしい数値が出ている。

人の肺は約直径0.1mmの肺胞でできており、その総面積は約60uというから、およそ18坪の広さだ。この肺胞がタバコの煙に含まれているニコチン、タール、カドミウム化合物、ダイオキシン他の有害物質に汚染され、肺胞の炎症、破壊が生じると、肺ガンといわれる状態となり、多くの人が死に至ることになる。

一石多鳥の妙案
笹川会長の文中に、もしタバコが500円になったら半数が喫煙をやめるとあったが、喫煙による健康被害も少なくなり、出火の原因の一つも確実に減り、税収は増える。

1箱1000円時代のたばこ文化は高額の税金を納税した上でのそれに様変わりし、増税分を有効に活用することで喫煙者が一方的に批判されるトゲトゲしい雰囲気も緩和されるだろうと会長は述べているが、政治家に必要なのはこのセンスだ。