人材養成と奨学金 [2007年08月29日(Wed)]
![]() 元財団職員のヴォルボスキー京子さん(左)と来日した奨学生 「人材養成と奨学金」 識者はよく発展途上国の人材養成の重要性を口にする。確かにその通りであるが、言うほどに簡単なことではない。 今日、明日、今年一年位のことしか考えない、忙しい世の中である。 『10年木を植える、100年人を育てる』という。 人材養成は100年仕事である。 幸い、私が勤める日本財団では、理事、評議員のご理解もあり、20年、30年後の彼らの成長に期待し、長期的展望にたった世界的な人材養成を行っている。 私は、財団奨学生とは寸暇を惜しんで面談する。 奨学金の切れ目が縁の切れ目ではなく、奨学金終了後の交流こそ大切なことであると考え、奨学生のネットワーク作りに大きな努力を傾注している。 トルコの各大学で勉学する中央アジアの国々の学生(アゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)にも奨学金を提供している。 中央アジアの国々は、最近まで、旧ソ連の支配下にあり、移行経済の中での人材養成は急務である。 トルコは中央アジアの諸国との連携が強く、いずれ中近東にも発言力を持つ大国になると考え、長期的戦略のもとに奨学金制度を行っている。 かつて日本財団に勤務していたヴォルボスキー京子さんが、『日本・トルコ中央アジア友好協会』会長として、今年の奨学生の中から選ばれた学生5名を引率して来日してくれた。 京子さんは日本人らしく、単に奨学金を提供するだけでなく、実にきめ細かい配慮をしてくれている。 しかし京子さんの悩みは、彼らの多くが自己中心主義で、他人に対する配慮や奨学金のネットワークに興味をもつ人がほとんどいなかったことだ。 しかし「最近になって2〜3人同調する人が出てきて、将来に希望が持てるようになってきた」と嬉しそうに語ってくれた。 人づくりは、口で言うのは簡単であるが、盆栽作りのごとく、手間ひまかけた愛情が必要である。日本財団の職員はこの点を良く理解しており、こまめな情報やサービスの提供に余念がない。 ![]() 1年間研修のために来日した中国医師たち (毎年4月に行われる歓迎レセプション) ここに、日本財団の奨学金にどのようなものがあるか、ちょっと書き出して見た。 (左から、奨学金プログラム名、奨学生人数、奨学金実施期間) ●中国人医師日本研修プログラム 延べ2000人 20年間 ●笹川良一ヤングリーダー奨学基金(SYLFF) 世界69大学9000人 20年間 ●世界海事大学(発展途上国の海洋に携わる人材養成) 355名 19年間 ●笹川アフリカ農業普及教育プログラム 1030名 15年間 (アフリカの8大学にて農業普及員向けに特別コースを設置) ●ギャローデット大学(聴覚障害者リーダー育成) 124名 14年間 ●米国立ろう工科大学(ロチェスター大学) 26名 14年間 (聴覚障害者リーダー育成) ●バングラディッシュ 延べ2450名 12年間 ●アジアパブリックインテレクチュアル(API) 延べ200名 7年間 (アジアの知的リーダーの養成) ●中央アジア奨学生 760名 5年間 ●中南米における農業リーダー育成 90名 5年間 (ホンジュラス・サモラノ大学) ●南米日系人「夢の実現プロジェクト」 延べ30名 4年間 (中南米に住む日系人の次世代リーダーを養成) ●その他の海外人材養成 ・国際海事法研究所 45名 5年間 ・大洋水深総図委員会 24名 5年間 ・国連法務部海洋問題 海洋法課 30名 5年間 ・カーディフ大学国際船員研究センター 13名 5年間 ・国際海洋法裁判所 4名 1年目 |












