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池田晶子と哲学 [2007年08月24日(Fri)]

(NTTコムウェアから転載)






「池田晶子と哲学」


池田晶子さんは、今年2月、癌のため、46歳の若さで逝去された。

この度、ご遺族より『暮らしの哲学』と『リマーク1997〜2007』の二冊と、『晶子と共に、お礼』との挨拶状が届いた。

彼女を知ったのは1992年頃であった。

知人の一人息子が池田晶子さんと結婚した。
「哲学をやっている変わった女ですが、一度、是非、逢ってやって下さい」

子供は絶対に産みたくないといわれ、跡継ぎの途絶える知人はビックリしたとのエピソードも話してくれた。

ある日彼女は、白のブラウスに大柄な花模様のスカート姿で一人で現われた。美人であった。しかし、華やかな感じのする美人ではなかった。

哲学をするだけに、思慮深さそうな顔立ちは、あまり笑わなかったのが印象に残っている。勿論、私の話に興味がなくて笑わなかったのかも知れない。

「わたくし、哲学しか勉強していないのですが、将来如何でしょうか」といきなり切り込まれて、目を白黒させてしまった。

私は哲学書を一冊も読んだことがない。正しくは、読んでみようと努力したが難解で止めてしまった。その経験から「『哲学=難解』と一般の人は思うので「もっとやさしい言葉で表現したら、哲学に興味を持つ人が増えるのではないでしょうか」。

ノルウェーの高校の哲学教師が『少年少女への手ほどき』と書かれた『ソフィーの世界』が世界的なベストセラーになっていた頃でもあり、偉そうなことを言ってしまった。

「才色兼備の哲学者の出現は、そのうち世間に注目されますよ」と、お世辞ではなく、本音で意見を述べた。疑い深そうな目に、あまり信頼されていないと直感したが、2〜3人の哲学好きのマスコミを紹介したりもした。





私の助言が功を奏したとは思わないが、1996年『悪妻に訊け、帰ってきたソクラテス』(新潮社)で世間に知られるようになった。

「専門知識や用語に頼ることなく、日常の言葉によって『哲学するとはどういうことか』を語り、哲学的エッセイというジャンルの草分け的存在になった」(ウィキペディア)と評された。46歳の若さでの死は誠に残念であった。

日本財団の職員が、西洋哲学の勉強会をやるという。

仕事上、外国人との交流が多いので、西洋人の思考方法や論理構成を理解する上で、西洋哲学の勉強は欠かせないことに気付いたらしい。結構なことであり、嬉しいことである。

かつて、教養主義華やかかりし頃の旧制高等学校生は『デカンショ デカンショで半年暮らす 後の半年は寝て暮らす ヨイヨイ』と、弊衣破帽(ボロの衣服に敗れた帽子のバンカラな恰好)で放歌した。デカルト、カント、ショーペンハウエルの略である。学生にとって必読の書であった。

1903年、旧制一高生・藤村操が「人生不可解」と日光・華厳滝で投身自殺をした。藤村の死後4年間に、自殺を図った者が185名もあったという。

最近、哲学を勉強して自殺したというニュースはとんと聞いたことがない。しかし、思考することの重要性はいよいよ大切な時代になってきたのではないだろうか。

池田晶子に続く、わかりやすい哲学を説く人の現われることを期待したい。
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