ギャローデット大学 [2007年08月17日(Fri)]
3人が学ぶギャローデット大学 「ギャローデット大学」 ギャローデット大学は米国ワシントンDCにあり、聾者の文系大学としては世界一の大学である。 発展途上国においての聾者の教育は社会の片隅におかれ、無視されたも同然である。 我々は、これらの国々での聾者の社会的地位を確保したいと考え、15年間、この大学で将来の指導者養成のための奨学金プログラムを実施している。 今年も3人の日本財団奨学生が訪日した。 写真左から、アヤラ・ルイズさん、ロザ・クワンディさん、私、そしてアンソニー・ゲールさん ロザ・クワンディ(女性)さんはアフリカのナイジェリアの出身で、卒業後は自国に戻り、教育現場で働き、将来はナイジェリアの聾者社会での指導者を目指す。 アンソニー・ゲール君はジャマイカ出身で、経済学修士号を取得して聾社会の変革のために働きたいという。 ジャマイカの人口は270万人で、何と、約8万人の聾者がいるという。年配者の聴覚障害を入れると20万人の障害者がいると説明してくれた。 聾者の子供は学校教育の機会もなく、日がな一日遊んでおり、犯罪を起こすケースも多く、差別の対象になってきたと、顔をくもらす。その現状を改善するために立ち上がりたいとの熱情を語ってくれた。 アヤラ・ルイズ君はチリ出身。会計学を専攻。聴覚障害者の人権団体の副会長も務め、聴覚障害者の団体やコミュニティーの活性化のために活動する予定。チリ聾者教育は、中学まで21校あるが、公認の手話、辞書もないという。 発展途上国で、聾者を社会の一員として迎え入れるためには、教育の機会の提供はもとより、手話の統一、手話辞書の作成等、手をつけなければならないことが山積みしている。 なかでも情熱を持った聾者の指導者の養成が急務である。聾者の問題は、彼ら自身の発言と行動が最も影響力を持つからだ。 我々は20〜30年計画で、地道に問題解決への歩みをしている。 ベトナムでは我々の支援する聾者学生が、優秀な成績で、初めて大学への合格を果たした。この成果にベトナム政府は、聾者教育を充実させてくれることを約束してくれた。 嬉しい知らせである。 |