インド・デリーの物乞い事情 [2007年07月23日(Mon)]
子ども達の未来のために(インドで) 「インド・デリーの物乞い事情」 我々のインドでのハンセン病制圧活動は、1980年代から今まで、1,100万人を病気から解放した。しかし、病気が治っても社会からの差別は根強く、相変わらず物乞いで生活している人も多い。 既にブログで報告の通り、ハンセン病回復者の物乞いを救済するための財団をデリーに設立した。いよいよこの秋より活動を開始しようとする矢先、イギリスの『サンデー・テレグラフ』がデリーの物乞いの状況を報道したので、以下、読者の参考に供したい。 インド警察は2010年の英連邦競技大会に向けて、デリー名物の物乞いを一掃する計画を開始する。インドの首都を近代化して国際都市に変えるための、徹底した美化活動の一環である。 しかし「政府はデリーを美化し、見苦しいものを一掃したがっているが、これは物乞い問題の解決にはならない」と、慈善団体であるアクション・エイドのホームレス専門家は語っている。 「物乞いに対処する唯一の方法は、構造レベルで貧困問題解決に取り組むことだ」ともいう。 デリーの134地区全体で、約58,570人(3分の1が子供)の物乞いが確認され、そのうち5,003人にインタビューし、詳しく調査した。 成人の半数近くが1日150〜300円を集めている。この金額は労働者の日給と比べ、さほど見劣りはしないという。 3%の人たちは、1日300〜1,500円を稼ぐとも答えた。物乞いのほぼ全員が読み書きが出来ず、貧しい州よりデリーに出て来たが仕事がなく、物乞いに身を落としたケースが多い。 ハンセン病回復者のラマヤン・マリクは、10年前にオリッサ州を出てサイババ寺院で物乞いをしている。 最も儲かるのは巡礼者でにぎわう木曜日だそうで、一日90〜150円を稼ぎ、家族への仕送りのための貯金もしている。 6月24日 サンデー・テレグラフより |