糞尿王 [2007年05月09日(Wed)]
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「糞尿王・キング・オブ・スカベンジャー」 ![]() かつての糞尿王ババ・アムテ氏 ババ・アムテ(BaBa・AMTE)93歳。 裕福な家庭に育ち、高級車で通学する生活から法律家を望む父親と対立し、一転、貧困層や弱者の救済に生涯をかけることになる。インド・ナグプールから車で2時間弱、ババの活動拠点であるアナンダワン(至福の森)に到着した。 最近、体調不良でムンバイの病院に入院するとの話を聞いていたので、出迎えの長男で医師であるヴィカスの長口舌はそのせいかと思っていたが、父が待っているからどうぞ、と案内を受けた。 ババはベッドに横たわっていたが、顔色はよく、長年のベッド生活にもかかわらず足も萎えておらず、大きな手を伸ばして握手を求めた。 若い頃の重労働のせいで背骨を痛め、施設内の視察も特製のベッド車で移動している。入れ歯がないせいか聞きづらい言葉もあったが、ヴィカス氏の通訳で訪問を歓迎してくれた。 インドのカースト制度は、上からブラーミン、クシャトリア、バイシャ、スートラの順となる。四姓のカーストの枠外に不可触民(アンタッチャブル)がいる。 カーストには、それぞれ世襲的職業身分集団としてのサブ・カーストがある。このサブ・カーストの数は3000〜3500あるといわれている。 糞尿処理を行う人々はこの3000〜3500の最下層に存在する。 現在でも、地方には代々世襲的に糞尿処理を業としている人々が数多く存在する。これらの人々を組織化して組合を作ったのがババ・アムテであり、ある時大統領より、糞尿王(キング・オブ・スカベンジャー)といわれた由縁である。 ![]() ババは家族と6人のハンセン病患者、牛1頭で荒れた森林地帯であるアナンダマンを開拓したという。 毒蛇やヒョウ、サソリなども多く、夫人の話では、目の前で犬4匹がヒョウに襲われたこともあり、毎日が生きた心地がしなかったという。しかし、そんな過酷な時代があったとは思わせないおだやかな話し振りの中に、凛とした姿があった。 「若いときは修行者みたいで、長い髪をたらし、ちっとも素敵じゃなかったわ。皆んなに結婚を反対されたのよ」 「それでは夫を世界的に尊敬される人物に仕立てたのは奥さんですね」 いかにもそうよと大きく笑って、「貴男、ベッドに行ってババに言ってよ」と言って、また笑った。 お孫さんを含め3世代がハンセン病患者、回復者、盲人、障害者、あらゆる弱者を受け入れ、5000人の居住者に働く喜びを教え、自立した生活をさせている。 |












