CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«【私の毎日】7月9日(火)ブラジリア | Main | 【私の毎日】7月10日(水)ブラジル→帰国の途へ»
leprosy.jp
resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
Google
<< 2019年11月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

笹川 陽平さんの画像
笹川 陽平
プロフィール
ブログ
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
リンク集
http://blog.canpan.info/sasakawa/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/sasakawa/index2_0.xml
「先見性のある活動?」 ―国連諸機関への笹川賞― [2019年07月10日(Wed)]
「先見性のある活動?」
―国連諸機関への笹川賞―


日本財団は、初代笹川良一の基本方針である政治、思想、宗教、人種、国境を越えた人道的な活動を行ってきた。

当時の日本では外国への支援活動は難しく、日本財団の活動も国内中心であったが、国連に対する支援の世論がおおむね好意的であったため、戦略的に国連諸機関への支援活動を第一ステップにし、次にシンクタンクや諸研究所への支援、そして現在は日本財団の考えに基づく海外支援活動へと発展させてきた。

まず下記の通り、国連諸機関に『笹川賞』を設置した。国内では個人名の賞は売名行為ではとの議論もあったが、被設置者の国連より、設置者がどのような人かを知る上でも個人名が望ましいとの理由で『笹川賞』となったのである。

下記に列挙したが、役割を終えたと判断したものは終了している。

◆WHO『笹川健康賞』
1978年、アルマ・アタ(現在のカザフスタン共和国アルマティ)で「全ての人に健康を」という理念が提唱された。この理念に賛同して1984年に笹川健康賞が創設され今年で35年、各国でプライマリ・ヘルス・ケアの普及に貢献した個人や団体を顕彰している。本賞は、WHOの審査委員会の議を経て授与するもので、WHOで最も古く権威のある賞と言われている。

◆UNEP(国連環境計画)『笹川環境賞』
UNEPのストックホルム宣言から10年を記念し、1982年にケニアのナイロビの総会で創設された。当時は現在ほど地球環境に対する諸国民の認識は薄く、世界的啓蒙活動の必要性からUNEPから依頼を受けて実行した。第1回の受賞者は地球環境のあり方を問題提起したイタリアの故ペッチェイ氏に授与された。その後急速に各国で環境問題が重要テーマとして積極的活動が展開してきたので、当初の役割は果たされたと考え、2012年にこの賞は終了した。

◆『ユネスコ平和教育賞』
1979年に設置。平和教育の顕著な活動をされた人に授与されてきたが、ユネスコの対応を不十分と考え、2008年で終了した。

◆国連防災機関『国連笹川防災賞』
1986年に設置し、今年で23年目である。当時、世界的な気候変動による世界各国で災害の可能性が予測されてはいたが、諸国の防災に対する認識はほとんどなかった。しかし、東日本大震災を契機に各国で災害対策が急速に課題となり、活動も活発化してきた。以下は国連笹川防災賞の授与式(ジュネーブ)での私のスピーチを石井部長に代読してもらった。

2019年度国連笹川防災賞スピーチ


笹川防災賞は、1986年に創設されました。当時、世界的に防災に対する認識はまだ薄いものでした。しかし、国連のリーダーシップのもと、人々の防災意識が高まり、新しい技術と革新的なアプローチを通して、高いリスクにさらされているコミュニティを守れるようになってきました。笹川防災賞もこの世界的な潮流に合わせて進化し、選考基準もより革新的で多様なプログラムに焦点をあてるようになりました。

本賞は、災害リスク軽減のための活動において、すべての人々、とくに高いリスクにさらされている人たちがインクルーシブで利用しやすく、差別なく参加できる仕組み作りに貢献している個人、団体、または取組を顕彰しています。
2019年の笹川防災賞のテーマは「インクルーシブで復元力のある社会の構築」です。

毎年発生する予期せぬ災害は人々の生命を脅かしています。特に、高齢者や障害者といった特別な支援を必要とする人々は、被災時も被災後も、取り残されてしまいがちです。例えば、聴覚障害者は、音声による警報や避難情報が聞こえません。また、障害者の死亡率はより高いと言われています。
 
こうした過去の経験から、真にインクルーシブで復元力のある社会の構築のためには、単に、コミュニティが高いリスクにさらされている人たちを受け入れるというだけでは充分ではありません。

私たちは、自然災害のネガティブな影響を軽減するために「誰もとり残さない」という概念に基づいて行動するべきです。私たちは、災害で高いリスクにさらされている人々を防災の取り組みの中心に据える必要があるということを平時から重視しなくてはなりません。災害リスクを減らすために、当事者の視点、知識、経験を活用することが重要です。

同時に、災害リスク軽減のための政策や活動を強化するために、政府、企業、NGO、研究機関、メディア、そして障害者団体を含むすべての関係者の協力が欠かせません。

このようにして、コミュニティは防災と被災後の対応における地域のシステムをよりインクルーシブで復元力のあるものに改善することができるでしょう。今年は、様々な分野を代表する団体や個人から61組の応募がありました。2019年笹川防災賞の受賞者の皆さまに心よりお祝い申し上げます。受賞される皆さまの今後益々の発展を期待しています。
   
最後に、笹川防災賞の開催にご尽力をくださった国連防災機関の皆さまに心より感謝申し上げます。そして、日頃から、インクルーシブで復元力のある社会の構築のために、災害リスクの軽減に尽力されているすべての団体や個人の皆さまに、あらためて敬意を表します。

受賞者
※ブラジル カンピナス市民防災局
受賞理由:同組織は、よりインクルーシブな地域社会への独自の持続可能アプローチ、その強力な地域的リーダーシップ、およびリスクのマッピングと軽減における全ての災害リスクに脆弱なグループへの積極的な参加を促したという功績によって選ばれた。

※インド The Mahila Housing SEWA Trust
受賞理由:同組織は、科学的な知見と土着の知恵をまとめ、スラム地区の女性を
エンパワーし、度重なる災害に対する子ども、高齢者、障害者を含めた全ての家
族の回復力を高めるという活動が評価され選ばれた。

※インド Mr. Pramod Kumar Mishra(Additional Principal Secretary to Prime Minister of India/インド首相副次官)
受賞理由:同氏は、洪水・旱魃被害を受ける地域の復元力向上に対する長年の貢献と、不平等と貧困削減および社会的、経済的に取り残された人々に対するセーフティネットの強化のための個人的な献身が認められ選ばれた。彼の取り組みの中でも、とくに農作物保険を設計、実行することによって災害リスクを軽減することに尽力された。
このエントリーをはてなブックマークに追加
コメントする
コメント
国連の言い分が参考になりました。組織名よりも個人名の方が責任の所在が明らかだという感覚は、たしかに日本人には持ちがたいかもしれませんね。
Posted by: 久米信行  at 2019年07月10日(Wed) 16:10