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新元号「令和」に予想以上の好感度―出典 初めて国書から― [2019年04月05日(Fri)]
新元号「令和」に予想以上の好感度
―出典 初めて国書から―


今年に入ってから新元号問題が俄然、大きな話題となり、メディアも国民もフィーバーした。

1月3日付の産経新聞「正論」欄に「中国古典にとらわれず新元号を」を投稿したところ、多くの方々から「意表をつかれた」といったご意見とともに、多数の賛否両論をいただいた。

結果は、ご承知の通り初めて国書からの採用となり、「令和」の新元号が多くの国民の支持を得ました。新しい御代を迎えるに当たり喜ばしい限りです。

ここに今一度、新元号の在り方に問題を提起した1月3日付の正論と、決定直後の4月2日付正論「国書による初元号に大きな意義」を掲載させていただきます。

**************

産経新聞【新春正論】
2019年1月3日

ー中国古典にとらわれず新元号をー


 天皇陛下の退位に伴い「平成」が4月30日で終わり、4月1日には新元号(年号)が公表される。元号制度は紀元前の中国・前漢時代に始まり、日本は現在も公的に使用する唯一の国とされている。

 ≪漢籍に典拠を有する二文字熟語≫
 飛鳥時代の「大化」に始まり、現在の「平成」は247番目。歴史的に中国の漢籍に典拠を有する二文字熟語が使われてきた。しかし日本には優れた造語の歴史があり、特に明治以降は約1千語もの和製漢語が中国に導入され現在も広く使用されている。

 新元号は中国の古典からの引用をやめ、わが国独自の自由な発想で定めてほしく思う。それが新しい時代の元号の在り方であり、国民の親しみにもつながる。

 改元の定め方は時代とともに変わり、明治以降は一人の天皇に元号を一つに限る「一世一元」の制度が取り入れられた。

 現在は昭和54(1979)年6月に制定された元号法で「元号は政令で定める」「皇位の継承があった場合に限り改める」とされ、その手順は元号選定手続要綱に定められている。

 まず首相が複数の有識者に新しい元号にふさわしい候補名を委嘱し、提出された候補名を官房長官が中心となって複数案に絞り首相に報告、衆参両院の正副議長の意見も聴いた上、全閣僚会議の協議を経て閣議で決定される。

 ≪多くの造語が近代化に貢献した≫
 中国古典の引用を近年で見ると、「明治」は「易経」の「聖人南面して天下を聴き、『明』に嚮(むか)ひて『治』む」が由来。「聖人が北極星のように顔を南に向けて政治を聴けば、天下は明るい方向に向かって治まる」の意味で、明治天皇がいくつかの年号候補から選出したといわれている。

 「大正」はやはり「易経」の「『大』いに亨(とほ)りて以(もっ)て『正』しきは、天の道なり」が由来。意味は「天が民の言葉を嘉納し、まつりごと(政治)が正しく行われる」。「昭和」は四書五経の一つ「書経尭典」の「百姓(ひゃくせい)『昭』明にして萬邦(ばんぽう)を協『和』す」が由来。国民や世界各国の平和や共存共栄を願って付けられた。

 そして「平成」は「史記」五帝本紀の「内『平』外『成』」(内平らかに外成る)と「書経」大禹謨(たいうぼ)の「地『平』天『成』」(地平らかに天成る)が由来。国の内外、天地とも平和が達成される、の意味である。「修文」「正化」も候補に残ったが、アルファベット表記がともに昭和と同じ「S」で始まるため外された。

 元号の条件は「国民の理想としてふさわしい意味を持つ」「漢字二文字」「書きやすい」「読みやすい」など6項目で、それ以上の縛りはなく、中国の古典に典拠を求める規定もない。

 加えて日本には江戸中期、幕政を補佐した儒学者の新井白石や江戸後期の蘭学者・宇田川榕菴(ようあん)らで知られる卓越した造語の歴史がある。特に明治維新後、積極的に行われた欧米の出版物の翻訳では、原文に当時の日本にはない言葉が多く、福沢諭吉や西周らが精力的に造語をした。

 「文化、法律、民族、宗教、経済」といった社会用語、「時間、空間、質量、団体、理論」といった科学用語、「主観、意識、理性」といった哲学用語など、現在も日常的に使われている多くの言葉がこの時代につくられ、日本の近代化に大きく貢献した。

 ≪希望を託せるよう求めたい≫
 清時代末期から昭和初期にかけ中国では日本留学がブームとなり、6万人を超す中国の若者が日本を訪れ、和製漢語をそのまま取り入れ日本の書物を中国語に翻訳、祖国に西洋文明を紹介した。中国、朝鮮に広く普及し、現代の中国語はこれらの日本語なしに社会的な文章は成り立たないともいわれている。

 中国共産党が使う「共産党、階級、組織、幹部、思想、資本、労働、企業、経営、利益」なども、すべて明治時代につくられた和製漢語とされている。上海外国語大学の陳生保・元教授は「中国語の中の日本語」の論文で、「経済、社会、哲学などの日本語訳は、とっくに現代中国語の中に住みつき帰化している。それが日本語だということを、ほとんどの中国人はもう知らない」と指摘している。筆者も中国を訪問、大学で講演するたびに、漢字を通じた長年の両国の交流を紹介してきた。

 昨年11月末、中国共産党の聖地、陝西省延安の大学を訪れた際もこの話に触れ、学生たちも静かに耳を傾けてくれた。互いに影響し合いながら独自に発展する姿こそ文化の在り方であり、今回あえて中国古典にとらわれることなく独自の手法で新元号を定めるよう求める所以(ゆえん)もこの点にある。

 皇太子の即位に伴い5月から新しい元号が始まる。国際社会は対立と緊張感を深め、少子高齢化に伴う縮小社会の到来で国内も課題が山積している。新たな手法で、明るい希望を託せる新元号が定められるよう求めてやまない
(ささかわ ようへい)


**************

産経新聞【正論】
2019年4月2日

−国書による初元号に大きな意義−


 5月に改元される新元号が「令和」に決まった。出典は万葉集。645年の「大化」から現在の「平成」まで計247の元号すべてが中国の古典(漢籍)を典拠としてきた元号の歴史に、初めて日本の古書(国書)由来の元号が登場することになった意義は大きく、心から歓迎したい。

 ≪投稿の反響に関心の高さ実感≫
 奈良時代に編纂されたわが国最古の歌集である万葉集には、天皇や皇族、貴族のほか、防人や農民まで幅広い階層の人々が詠んだ歌が納められている。

 安倍晋三首相は談話で、万葉集を「わが国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書」とした上で、「明日への希望とともに、それぞれが大きな花を咲かせることができる。そうした日本でありたい」と新元号にかける思いを述べた。「令和」の新時代が、夢多き時代となるよう祈りたい。

 憲政史上初の退位に伴う今回の元号選定は、新しい元号名とともに、典拠を何に求めるか注目された。こうした中で筆者は1月3日付の本欄に「中国古典にとらわれず新元号を」を投稿した。時代とともに価値観も元号の使われ方も変わってきており、新時代にふさわしい元号論議を求めるのが目的だった。

 投稿掲載後、漢籍を典拠としてきた伝統を厳格に守るべきだとする意見から、古事記や日本書紀など国書を典拠とする新しい「和風元号」を求める声まで、多くの意見をいただいた。多数のメディアの取材も受け、正直、反響の大きさに驚くとともに、新元号に対する関心の高さを実感した。

 昭和54年(1979年)成立した元号法は「元号は政令で定める」とするとともに、「元号選定手続について」で候補名を検討・整理する際の留意事項として、「国民の理想としてふさわしい良い意味を持つ」、「漢字2文字」など6項目を明示。候補名には「その意味、典拠等の説明を付す」としている。

 ≪国民の親近感がいっそう増す≫
 わが国には1500年近い漢字の歴史があり、世界に誇る古書も多数ある。世界で唯一、日本に残る文化を守って行くためにも、過去、247の元号に用いられた72の漢字や、過去に採用を見送られてきた元号案の中の元号にふさわしい漢字などを活用すれば、この国の将来にふさわしい元号を制定することは十分、可能との思いもあった。

 現実には政府が3月14日、国文学、漢文学、日本史学、東洋史学に見識を持つ学識者に、それぞれ2〜5案の作成を委嘱。最終的に候補を絞り、学識者による「元号に関する懇談会」、衆参両院の正副議長からの意見聴取、全閣僚会議の協議を経て、閣議で改元の政令が決定された。

 全体に平成改元時の手続きを踏襲するとしながらも、9人の懇談会メンバーに、ノーベル賞受賞者の山中伸弥京大教授を登用するなど、新しい息吹も感じられた。長い間、特に万葉集に典拠を求めたことで元号に対する国民の親近感も増すと思われる。

 ≪新たな漢字文化の気配も≫
 今回は天皇陛下の生前退位決定から時間があったこともあって、国民の間にも、かつてない広範な議論が生まれた。インターネット社会を反映してスマホや新聞、雑誌などに関連記事があふれ、ゲーム感覚で新元号を楽しむ動きも目立った。

 これまでの元号論議は「元号不要論」も含め、硬さが目立った。手前みそながら、筆者の提案を機会に元号論議の幅が広がったと自負するとともに、この点に何よりの意味があったと自負している。

 日本社会の数字表記は戦後、グラムやメートルなどが定着し大きく様変わりした。そうした中、年号に関しては西暦とともに元号が広く使われてきた。時代の空気やイメージを伝えるには、やはり西暦より元号が勝ると思う。

 各種世論調査結果を見ると世代により差はあるものの、多くの人が元号を使っている現実がある。西暦から元号、あるいはその逆に換算する煩わしさはあるが、元号は日本の文化として社会に確実に根付いている。新聞各紙の題字周りや欄外に西暦と元号が併記されているのも、その表れだ。

 今回ほど多くの人が新元号をめぐる議論に参加したことは過去になかった。元号に対する親しみが増し、日本文化の奥深さが再確認されたばかりか、活発な元号予想を通じて、新たな漢字文化が生まれてくる気配さえ感じる。

 あくまで個人が判断する事項だが、筆者としては元号と西暦が共存し併用される姿こそ望ましいと考える。懇談会メンバーの山中教授は「令和」の新元号について「新しいものにチャレンジしていく、日本のこれからの姿にぴったり」との感想を漏らした。

 率直に言って、元号論議がこれほど盛り上がるとは思っていなかった。テレビ中継で「令和」の発表に歓声を上げる人々を見ながら、元号が日本の貴重な文化であるとの思いを改めて強くしている。
(ささかわ ようへい)


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新元号「令和」を歓迎するスピーチを、つい先日、富山県高岡市で聴きました。熱中寺子屋の講師として国宝瑞龍寺に招かれた際、高橋正樹高岡市長が、大伴家持ゆかりの万葉の里であるご当地に好機到来と開会スピーチをされたのです。笹川さんご提言の通り、おそらく日本全国の万葉集ゆかりの場所で同じような盛り上がりを見せていることでしょう。

▼高岡市万葉歴史館
http://www.manreki.com/
Posted by: 久米信行  at 2019年04月10日(Wed) 08:59