• もっと見る
«「ミャンマーの停戦」―ミャンマー国軍の決断― | Main | 「年末ご挨拶」»
leprosy.jp
resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
Google
<< 2024年04月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
プロフィール

笹川 陽平さんの画像
笹川 陽平
プロフィール
ブログ
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
リンク集
https://blog.canpan.info/sasakawa/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/sasakawa/index2_0.xml

「ASEAN-日本障害学生サミット」 [2018年12月27日(Thu)]

「ASEAN-日本障害学生サミット」


12月3日は国連で定められた「国際障害者デー」である。その日から2日間にわたって、日本財団に東南アジアの7カ国から計35名の多様な障害の当事者が集まった。彼らはいずれも日本財団の奨学金を受け、マレーシアのマラヤ大学、タイのチュラロンコン大学、フィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学などアジアのトップレベルの大学の公共政策大学院で学んだ方々である。

欧米と比較すると、アジアでは障害者の社会参画が進んでいるとは言い難く、政策立案者や経営者として社会の中でリーダーシップを発揮している人も少ない現状がある。今回、奨学生たちが自ら企画に参画し、ASEAN University Network-Disability and Public Policy Networkと日本財団との共催で行われた「ASEAN-日本障害学生サミット」は、アジアでリーダーとなることを目指す奨学生たちの間のつながりを深めると共に、在京の研究者や障害当事者の学生、企業との関係も構築し、アジアで障害者がリーダーシップを発揮していくためのネットワークづくりを後押しすることを目的に行われた。

イベントでは、奨学生たちによって構成される複数のグループに日本からの参加者が加わり、テクノロジーを活用して障害へ対応するための新しいプロジェクトの可能性が話し合われた。東南アジアの各国から様々なバリアを乗り越えて東京へやってきた奨学生たちは、サミット前日の深夜に到着した方も多かったと言うが、疲れも見せずに2日間にわたって熱心に議論に参加していた。奨学生たちには帰国後も国籍や障害を超えた議論を継続し、互いへのサポートと切磋琢磨を続けていただきたい。

以下、開会式での私の挨拶です。
**************

日本財団会長 笹川陽平
2018年12月3日

アーマッド教授、皆さま、本日は「ASEAN-日本障害学生サミット」に参加できることを嬉しく思います。

本日は、この場にASEAN諸国から50人を超える日本財団奨学生、卒業生、研究者および日本からの学生、研究者にお越しいただきました。私は本サミットは大変貴重な機会だと考えております。次世代の若きリーダーの皆さまが「テクノロジーによって障害を乗り越える」というテーマを議論するために集結されたからです。

私が一緒に活動している仲間には、障害の有無に関わらず、積極的に社会に貢献しているリーダーが多くいます。車椅子のエクアドル大統領、ろう者のEU議員、タイの盲人上院議員など政治的なリーダーシップを発揮している人。車椅子の日本人実業家や脳性麻痺のカナダ人投資コンサルタントなどビジネス界のリーダーもいます。彼らは、近い将来の皆さまの姿だと考えています。

彼らのような人たちが増えて、当たり前になっている社会。これが日本財団が目指すインクルーシブな社会です。

50年以上にわたり私たちが優先的に取り組んできたのは、ASEAN地域での聴覚、視覚、肢体障害者の能力開発です。

私たちは事業を通じて、できる限り多くの障害者が社会に参加できるようになることを目指しています。
   
聴覚障害者支援では、バイリンガルろう教育や手話言語学の推進を実施してきました。

視覚障害者支援では、教育と就労の機会拡大を目指し、ASEAN諸国でネットワークを構築してきました。

肢体障害者支援では約30年にわたり、カンボジア、タイ、スリランカ、インドネシア、フィリピン、ミャンマーで義肢装具士を養成してきました。

長年にわたる障害者の能力開発を支援する中で、私たちは、テクノロジーが障害者の生活を変えるということを実感してきました。

例えば、ASEAN地域で支援した現地語の点訳ソフトや読み上げソフトなどの機器は、視覚障害者の教育機会を拡大しました。そして今、急速なテクノロジーの進化によって障害者の社会参加に更なる可能性がもたらされています。

しかし、この障害分野におけるテクノロジーの可能性をさらに活かすためには、皆さまのリーダーシップが何よりも重要だと私は考えます。持続可能で効果のあるテクノロジーの活用方法を新たに生み出し、施策に反映させ世の中を変えていく。それが皆さまがリーダーとして期待されている役割です。

そのために、私たちは各国の障害者の活躍を支える当事者のリーダーを育成してきました。奨学生の数は、7カ国37名にのぼります。もちろん、その中には本日お集まりの皆さまも含まれています。

学際的なマインドと、情熱を持って行動する勇気のあるリーダー。皆さまには、ぜひ、そうしたリーダーの1人になっていただきたいと思っています。

この2日間、ASEAN地域と日本からの参加者の協力と協働によって、インクルーシブな社会を実現するためのイノベーティブでクリエイティブな新しいプロジェクトが提案されることを期待しています。そして本日のサミットで得た気付きを、皆さまの国の発展に活かしていただけることを心より期待しております。日本財団は、いつも皆さまを応援しています。

最後になりますが、AUN-DPP Network、マラヤ大学、東京大学、日本マイクロソフト株式会社の皆さま、そして本日お集まりの若いリーダーの皆さまに御礼申し上げます。

ありがとうございました。


トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました

コメントする
コメント