CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«【私の毎日】11月6日(火) | Main | 【私の毎日】11月7日(水)»
leprosy.jp
resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
Google
<< 2019年09月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
プロフィール

笹川 陽平さんの画像
笹川 陽平
プロフィール
ブログ
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
リンク集
http://blog.canpan.info/sasakawa/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/sasakawa/index2_0.xml
「ハンセン病活動の苦闘」―インドネシアの場合― [2018年11月07日(Wed)]
「ハンセン病活動の苦闘」
―インドネシアの場合―


40年間世界中を飛び回り、ハンセン病制圧活動に従事してきた。各国での活動の苦闘は枚挙にいとわないが、現在世界の患者の7割はインド、ブラジル、インドネシアに存在する。

インドの国父・マハトマ・ガンジーの夢であったハンセン病のないインドを築くため、来年1月はガンジーの生誕150年でもあり、モディ首相のリーダーシップもあって積極的に対応してくれている。

ブラジルは、オリンピック以降政変が続き、また大統領選挙目前でもあり、新政権の安定する来年5月までの活動は無理である。

問題はインドネシアである。13,000を越える世界最大の多島国家で、人口は約2億5000万人を擁する。地方分権が進んでおり、地理的条件もあって中央政府の政策が各州に正確に確実に浸透している状況にはない。そこで、ハンセ病対策のため直接各州を訪問し、州知事をはじめ各県知事にも直接この地域のハンセン病事情を説明し、協力を願う活動が必要となってくる。

今年の3月にはスラウェシ島で活動したが、9月に起きた大地震で、豊かな自然に囲まれた美しい島の広い地域で大きな被害を受け変わり果てた姿をメディアで目にし、犠牲者とインドネシア国民の皆様に深い哀悼の意を表したい。

今年10月1日〜6日まで、ジャカルタから東に約2500キロのマルク州アンボン市で活動を展開した。

マルク州知事主催のハンセン病制圧会議は、サイード・アサガフ知事の到着が大幅に遅れた上、州保健局をはじめ関係部局の他、何故か、軍、警察も出席し、計30名ほどであった。しかし、各人のテーブルには一枚の書類もなく、今日は何の会議なのか、何故自分達が参加しているのかも十分情報が共有されておらず、全く形式的な会議であったことは一目瞭然であった。アンボン市長とのハンセン病啓発会議も、事前に私の訪問と会議開催が決まっていたのに主役の市長は欠席であった。

何事も原因のない結果はない。マルク州にハンセン病患者が多いのは指導者の無関心によるものである。かつてアフリカのモザンビークもこのような状態にあったが、5年間に4回訪問し、結果的に大統領がハンセン病制圧の最高責任者となり制圧した経験がある。必ずや近い将来、無関心な彼らが積極的に活動するよう何回でも訪問するつもりである。

しかし、今回の訪問は悪いことばかりではなかった。

インドネシア政府には各省庁の縦割行政を排除するため、複数の省を統括する調整省がある。国民福祉担当調整省は宗教省、保健省、社会省、文化・初中等教育省、研究開発・高等教育省、村落移民省などを管轄しており、関係省庁の連携が円滑になるよう調整している。

この度、はじめてハンセン病についてこの国民福祉担当調整省が主導権をもってハンセン病啓発会議を開催してくれた。国民福祉担当調整省のシギット次官は5年間、ハンセン病クリニックで勤務した経験もあり、「ハンセン病は病気だけでなく差別・スティグマを伴う。だから様々な省庁が協力して解決する必要があり、単に保健省の問題だけではない」と強調され、私の考えを代弁してくれた。

このような関係省庁の合同会議は私の経験の中でもはじめてのことで、シギット調整省次官を説得・協力してもらうことがインドネシアでのハンセン病解決への中心人物になると直感した。少し明るい燭光に、筆者の期待は膨らんでいる。

もう一つの明るいニュースは、テレビやラジオに出演してハンセン病の正しい知識を説明して視聴者の質問に答える方法を、笹川記念保健協力財団の南里常務が考えてくれたことである。形式的な会議より、直接電波を通じて住民に説明することの方がはるかに効果の高いことは筆者が実感しているとこである。テレビ生出演中にイスラムのお祈りで3分間中断したことは、ご愛敬というより、インドネシアのイスラム信仰の強さを理解する場面でもあった。

インドネシアは勿論、西パプア、北マルク、パプア等、まだまだ現地活動の必要な地域は多くあるが、ハンセン病制圧には私の信条である「あふれる情熱、どんな困難にも耐える忍耐力、そして、成果が出るまで活動する継続性」こそ必要不可欠であることは言うまでもない。
このエントリーをはてなブックマークに追加
コメントする
コメント
日本は過去にハンセン病で痛ましいことがあった。その意味でもハンセン病対策は日本の義務と思う。それにしても、人間は過去の失敗に学ばないものだと思う。
Posted by: 岡田 一夫  at 2018年11月08日(Thu) 21:17