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「国際連合人間居住計画」―障害者と都市開発― [2016年11月11日(Fri)]

「国際連合人間居住計画」
―障害者と都市開発―


20年振りに開催される国連機関「HabitatIII」でスピーチをするため、南米エクアドルの首都キトを訪れた。

国連機関の膨張化、肥大化に歯止めをかけてスリム化すべしが私の持論だ。既に存在意義を失った感のある20年振りに開催される「HabitatIII」に参加することは一見矛盾するが、日本財団が2020年のパラリンピック開催に向け、そのレガシーとして、日常、障害者も健常者もバリアーのない生活ができる社会の実現こそ理想と考え、又、この理想を世界に普及させたいと、国連を中心に機会あるごとに障害者問題について発言・活動してきたからだ。

仮設の会場は立ち見の観客も含めて約200名ほどで、その場での発言の効果はあまり期待できるものではなかったが、私の発言内容が国連のウェブサイトにアップされることで、ともすれば国際社会での日本の発言力が弱いといわれる中で、ささやかでも一助になればとの考えで招待に応じ、スピーチをしたわけである。

エクアドルには、20年前にガラパゴス諸島へ監視船を提供するために動物博士のムツゴロウさんと共に訪れて以来であった。今回は滞在中にGonzalo Gonzalez(ゴンザロ・ゴンザレス)・ハンセン病病院訪問療養所を訪れることができた。患者の方々の危惧は、病のために故郷を追われてここに住みついて30〜40年。回復者にとって唯一の安住のこの場所が、病気の減少によって立ち退きが現実化するのではとの恐怖心であった。

ムツゴロウさんと.png
1996年2月4日、監視船寄贈式にはムツゴロウさんも出席してくださった


私の活動は、ハンセン病の制圧から回復者の偏見差別の撤廃活動、更に世界中の回復者がかかえる深刻な問題、例えば不法居住による立ち退き問題、年金問題、差別を受ける子供たちへの教育問題等々、多岐複雑になってきた。1人でも1ヵ所でも多く、問題の解決へ協力することが私の人生活動になってきた。

話は変わるが、アフリカ・ガーナで死去した黄熱病の病原体を発見した野口英世博士は、当初、黄熱病が大流行していたご当地エクアドルにロックフェラー財団から派遣されて病原体の特定に成功。野口ワクチンにより南米での黄熱病は収束したといわれている。エクアドルには野口英世を称えるため野口小学校や野口通りもあるらしく立派な銅像もあったが、近年、銅の値上がりの中で盗難にあい、台座だけが残されているとのことで、残念なことである。

******************

国際連合人間居住計画IIIハイレベル会合
障害者インクルージョンとアクセシブルな都市開発


2016年10月17日
於:エクアドル・キト


11.JPG
「HabitatIII」でスピーチ


ウー・ホンボ事務次長(国連経済社会局、The United Nations Department of Economic and Social Affairs :UNDESA)、エクアドル政府ならびに国連経済社会局の皆さま、本日はお招きいただき心より感謝申し上げます。

本日は、世界の都市開発の観点から障害者インクルージョンとアクセシビリティについて議論されるこのフォーラムにおいて、皆さまの前でお話させていただけることを光栄に思います。

Habitat IIIの会議テーマでもいくつか取り上げられております通り、災害時のリスクマネジメントがあってこそ、都市開発は成立します。我々の生活と安全は災害時には危機にさらされるということから、都市計画において障害者の声が反映されることは不可欠です。しかし、残念なことに、この考え方は、国際レベルにおける災害リスクの軽減施策に未だに反映されていない状況です。

昨年、私が第3回仙台国連防災世界会議で障害者インクルージョンに関する提案をした理由について、これからお話しさせていただきます。

多くの皆さまはご記憶に新しいかもしれませんが、日本の東北地方は5年前、大震災と津波の被害に見舞われ、多くの尊い命が失われました。そして、障害者の死亡率は犠牲者全体の死亡率の少なくとも2倍にも上っていたという調査があります。また、この調査では、障害者の死亡率が高かった要因の1つとして、これまで災害リスクの軽減施策の策定や実施に障害者が参加していなかったことを指摘されました。私は、多くの人が犠牲となってしまったことに心を痛めると同時に、今なお、障害者が重要なステークホルダーとみなされていないこの状況を変える必要があると痛感しました。

災害が発生した時、障害のある人々は、他の人々より被害の影響を受けやすい傾向にあります。実際、どのようにすればこのようなリスクを可能な限り軽減することができるか議論されてきましたが、障害者が主たるステークホルダーとして議論の中心におらず、多くの場合は単にオブザーバーとして参加しているだけだったと思います。

私は、彼らのニーズを満たし、インクルージョンと平等なアクセスを実現するために、災害リスクマネジメントにおける障害者の参加の重要性を強調してきました。私は、この経験に基づき、昨年の仙台国連会議の準備過程で、国連機関や各国政府、NGOなどに対し、障害者の主体的な参加の重要性を訴えてきました。

細心の注意を払って計画を立てた結果、街や会場の中を自由にアクセスできるようになり、多くの障害者がこの会議に参加し、彼らが意見を述べたことで、彼らの声を「仙台防災枠組」という成果文書に反映させることにつながりました。私は仙台において、非常に大きな進歩を遂げたことを実感しました。

災害リスクの軽減や都市開発だけではなく、国家政策や国際システムにおいて障害者が意思決定に参加することが大変重要です。障害者が参加できず、彼らの意見が大多数の人たちの声にかき消されることが積み重なると、インクルーシブではなく、アクセシブルでもない社会をつくり出してしまうかもしれません。

私は、将来、障害者が意思決定の場に参加することが当たり前となるためには、HABITATVのような会議が重要な役割を果たすのではないかと感じています。

インクルージョンを実現するため、日本財団は、このフォーラムに参加できない方々のために、情報通信技術(Information Communication Technology:ICT)を使った遠隔からの参加(Remote Participation)を支援しています。私たちは、多くの国際会議において、このような取り組みがなされることを期待しています。

さらに、日本財団は、現代のテクノロジーを使った新たな革新的なプロジェクトに取り組んでいます。私たちは、「Bmaps」というスマートフォンのアプリケーションを本日ご参加の垣内氏と共に開発中です。その内容は、彼が水曜日のステークホルダー円卓会議で発表する予定です。

「Bmaps」は、公共交通機関、宿泊施設、飲食店、ショッピングモールなど都市のバリアフリー情報を障害者に提供します。「Bmaps」から得た情報を活用することによって、アクセシビリティが高いところに人が集まるようになり、その結果、その周辺がよりアクセシブルになるかもしれません。本日、この後、「Bmaps」のより詳しい説明が予定されています。

現在、世界では持続可能な目標としての障害者インクルージョンへの関心がこれまでにないほど高まっています。しかし、関心や議論だけで終わってしまっては、本当の意味での障害者インクルージョンは実現しません。刻一刻と変化する世界の中で、今こそ、すべての人々が障害者インクルージョンのために一丸となって行動すべき時です。

その一環として、現在、まだ限られた人数の障害者リーダーをさらに増やすために、日本財団は世界銀行と共に障害者ビジネスリーダー国際会議の開催を計画しています。

本日、私は障害者インクルージョンについてお話してきました。私は人々のニーズは、一人ひとりが暮らす環境の数だけあり、実に多様であると感じています。例えば、日本は世界の中で最も急速に高齢化が進んでいます。もし今、立ち止まって、それぞれの方々がどのようなことを必要としているか考えなければ、障害者だけではなく、私のような高齢者やその他の特別な配慮が必要な方にとって、大変暮らしにくい環境になってしまうでしょう。

最後になりますが、このセッションへ参加させていただいたことは、私にとって大変貴重な経験です。いつの日か、障害者インクルージョンについて議論する特別なプログラムを設ける必要がなくなることを期待しています。

ありがとうございました。

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コメント
笹川さま、
Bmaps、素晴らしい。Bmapsのサイト訪問をしました。
こういうアプリがルブンバシでもできるといいのですが、
それより目に、現在の歩道はメチャメチャです。健常者でも
歩きにくいのです。車いすの数は本当に数えるほどしかありません。
それも手製の車いすが大部分。障害者にはバリアーがありすぎます。
健常者にしても毎日の食事に事欠く当地ですから、障害者が
普通に暮らすのは全く容易ではありません。
中古の車いすをお願いした日本のNPOもいくつかありましたが、お始祖が強いのか誰もコンゴに目をむけてくれませんでした。
Posted by: 田邊 よしはる  at 2016年11月11日(Fri) 16:28

世の中は平和を求めてる動きになっているから
もう統一教会とは手を切ったほうがいいですよ
あなた自身のためにもね
Posted by:  at 2016年11月11日(Fri) 16:06