「次期国連事務総長」―次は初の女性か― [2016年05月18日(Wed)]
「次期国連事務総長」 ―次は初の女性か― 今年末で任期が終わる潘基文事務総長の後任の次期国連事務総長立候補者が出揃った。立候補者9人の内、男性5人、女性4人である。 今までは安全保障理事会が候補を一人に絞り、総会が追認するのが慣例であった。当然、アメリカの影響力は強く、現総長の潘基文には日本も賛成した。今回は「初の女性事務総長を」との声が高いようだ。 複雑な国連機関の中心として活躍するには、経歴の中に国連機関での勤務経験がある候補者が望ましい。国際機関で働いた経験のあるのは、男性ではアントニオ・グテーレス、元ポルトガル首相(66歳)で、前国連難民高等弁務官である。女性ではイリナ・ボコヴァ(63歳)ユネスコ事務総長と、ヘレン・クラーク(66歳)ニュージーランド前首相で国連開発計画総裁の二人である。 もし、この二人の女性の闘いとなった場合、アメリカは友好国ニュージーランドの首相経験者であるヘレン・クラークを強力に推薦するのはあきらかある。 対するイリナ・ボコヴァはブルガリアの出身で、南京大虐殺を深く検討もせず世界記憶遺産に選定したのは、中国の応援を期待しての協力であったとの噂も囁かれている。ブルガリアは昔、ソ連の衛星国としての共産圏であった。 常識的に判断すると、ヘレン・クラークが指名される確率が高いが、彼女が当選するか否か、全てはアメリカの力量に依存している。従って、誰が当選するかによって、アメリカの存在が問われる選挙でもあるわけである。 安全保障理事会入りを目指す日本、ドイツ、インド、ブラジルは、当然安全保障理事会の改革を名言する候補に一票を投じたいところだが、残念ながら、今のところ国連の公開ヒアリングでもこの点を明言した候補者はいない。 |