「海の日に想う」その1―ハッピーマンデーの廃止― [2015年07月27日(Mon)]
「海の日に想う」その1 ―ハッピーマンデーの廃止― 子どもたちの夏休みが始まった。今年は梅雨明け前からことのほか厳しい炎暑が続いている。全国には約1100カ所の海水浴場があるといわれており、一日でも多く子供たちが海水浴を楽しみ、釣りや磯遊びで海に接してもらいたいものだ。 幼き頃、9月の始業式では真っ黒に日焼けした体を友達同士で自慢し合ったものだ。ピリピリするのを我慢して、子供同士で入った風呂も今は懐かしい。母親が私の日焼けした背中の大きな皮をはがして見せてくれたことも想い出す。夏の海水浴は冬に風邪を引きにくいといわれていたが、真意はともかく、身体が鍛えられるのは事実であろう。 日本は7月20日を世界で唯一海を称える祝日として『海の日』を設けている。しかし、海の恩恵を限りなく享受している国として、国民一人一人が海について考え、認識を深める絶好の機会であるが、学校教育においても海に対する記述はほとんどない。東京大学の教授と共に、教科書に海に関する記述を増やすべく文部科学省に陳上してきたが、結果は思わしくなかった。 7月20日が海の日と制定されたのは平成8年であった。明治9年に明治天皇が灯台巡視船『明治丸』に乗られて東北・北海道を巡行され、横浜に帰着された日付にちなんで設定された。にも関わらず、ハッピーマンデー制度なる法律のもと、祝日の由来が語られることもなく、現在は三連休の一日として単なる休日になっていることは嘆かわしいことである。 日本財団では、なんとか『海の日』を啓蒙しようと、海野光行常務を中心に全国の海岸のゴミ拾いや、各地の造船所を開放してもらって子供たちの見学会を催すなど、全国でこの夏休みに78件の活動を展開し、延べ100万人を動員すべく、5億2千万円余の費用で実施する予定である。 しかし、我々の力量は限られたものでしかない。『海の日』を当初の7月20日に固定することは勿論のこと、他の休日も元の姿に戻すべく、ハッピーマンデー制度は廃止すべきではなかろうか。 7月20日『海の日』の各新聞の社説は下記の通りであった。 朝日新聞 「ギリシャ問題」「中学生の死」 毎日新聞 「農業コンクール」「安保転換を問う」 読売新聞 「自衛隊共同訓練」「スマホ契約」 日経新聞 「1700兆円を経済の再生に生かそう」 産経新聞 「電気料金の負荷」「海の日」 唯一、産経新聞だけが「海の日」関連の記事を掲載していた。 日本は世界一祝日の多い国である。 元旦を除いても15日ある。 そのうちハッピ−マンデー制度の祝日は 成人の日 (1月の第2月曜日) 海の日 (7月の第3月曜日) 敬老の日 (9月の第3月曜日) 体育の日 (10月の第2月曜日) である。 更に来年から8月11日の『山の日』が加わる。 週休2日で1年52週とすると約104日。 祭日は全て休日と重複しないと仮定すると15日。 1年に119日の休日となる、3日に1日は休日ということになる。 決して悪いことではないが、国も祭日に特定した以上、国民に広くその意義を理解してもらう必要があるのではないか。個人的にはハッピーマンデー制度の廃止を求めたいと考えている。 「我は海の子白波の・・・」という文部省歌を知っている子どもは皆無に近い。 今、海がどのような状況なのか、次回のブログで紹介したい。 |