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「インド・ジャルカンド州訪問」その3 ―ハンセン病支援活動― [2013年04月19日(Fri)]
「インド・ジャルカンド州訪問」その3
―ハンセン病支援活動―


ジャルカンド滞在中、運悪くマオイスト(毛沢東主義者)のデモのため、州都ランチの郊外への外出は制限されてしまった。

訪問したハンセン病回復者が集団で住むニルマラ・コロニーは、メイン道路の下のドブ川沿いに存在し、150人が生活していた。以前はドブ川の増水や道路の雨水でバラック小屋は常に被害を受けていたが、近年、ドブ川との間にコンクリート製の壁が出来、小屋もレンガ積みになったので環境はいくらか改善されていた。とはいえ、ドブ川の水量は少なくゴミは山積。強い悪臭が鼻を衝き、蠅の大軍と蚊の多さには何百ヶ所のコロニー訪問を経験している私にとっても最悪の場所の一つであった。

IMG_0731.jpg
川沿いのコロニー

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水量は少なく、捨てられたゴミからは悪臭が


いつものように一軒一軒ナマステー(今日は)と言って家を訪ねる。家の前のわずかな日陰には、盲目の老人が所在なく地面に座っている。化膿した手足には蠅がたかり、不衛生極まりないが、悲しいかな、彼には見えない。彼の感じることは鼻を突く悪臭だけなのだろうか。いや、それすらも感じないのかもしれない。薄暗い小さな室内では、老婆が薪を燃やして夕食の準備に取りかかっていた。

IMG_0739.jpg

盲目の老人に話しかけるが、表情は暗い


集会には40〜50人の女性と子供、それに若干の男性が集まってくれた。絶望の中で、日々何となく物乞いで生活しているこれらの人々に話すことは辛い仕事である。社会との接点はなく、唯一、物乞いとして受け取る何がしかの小銭だけが生きる糧である。いくら優しい言葉で生活改善の可能性を説いたところで、現実しか信用しない彼等の不審に満ちた目が、説明している私の心に突き刺さる。

コロニーの代表者の妻は、40歳代の顔立ちのはっきりした人であった。両膝を抱いてうつむき加減に話を聞いていたが、時々私の話に反応してキッとした鋭い目つきで直視してくる。「話はどうでもいいのよ。早くこの現実を改善してよ。そうすれば貴男の話を信用するわ」と言いたげで、その目の奥には憎悪にも似た感情が潜んでいるようだった。

過去、何千、何万人の回復者に会っただろうか。
それでも、私は決して彼女の鋭い眼差しを忘れないだろう。
何とか私の生きているうちに彼女の微笑みを見たいものである。

私の働きとその成果が如何に不十分であるかを反省させられる旅であった。

(おわり)
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コメント
今回の記事には特に心打たれました。多くの方に読んでいただきたく、Facebookini
以下の紹介メッセージを書かせていただきました。

【ライフワークはハンセン病支援〜日本財団会長 笹川陽平ブログ】

拙講演では「ライフワーク」が大切とお伝えしていますが、抽象的すぎてわかりづかったかもしれません。私が「ライフワーク」という言葉を目にして、真っ先にイメージするのは、日本財団笹川会長のハンセン病支援です。実際にコロニーを回る姿をブログで見ると、私にここまでできるだろうかといつも考えさせられるのです。ぜひ、今回のブログもご一読ください。 http://blog.canpan.info/sasakawa/archive/4021
Posted by: 久米 信行  at 2013年04月24日(Wed) 12:53