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日本財団会長 笹川陽平ブログ

写真:ハンセン病の現場から「アフリカ・ピグミー族」

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「ミャンマー辺境地帯を行く」その3 ―バルーチャン発電所― [2012年12月26日(Wed)]
「ミャンマー辺境地帯を行く」その3
―バルーチャン発電所―


11月4日午前6時20分発、バルーチャン発電所の視察に出かけた。この発電所は、現地ではLawpita hydro power plant(ローピタ水力発電所)と呼ばれている。

第1発電所.jpg
第1発電所


この発電所は日本にとっても縁の深い発電所である。昭和29年12月、タイ国境近くの山奥にあるこの発電所は、戦後日本が初めて手掛けた海外工事であった。最盛期には鹿島建設198名、現地就労者3400人に達し、延べ従事者は日本人15万8000人、ビルマ側253万人に及び、5年以上の歳月をかけて完成した。工事は難行を極め、工事中不幸にして亡くなった日本人犠牲者も3名あったと聞く。

近年になって、ミャンマー側の再三再四の修理要請の強い希望にも、日本は西側の経済制裁の一員として心ならずも支援ができない状態にあった。ミャンマーの民主化の進展の中で、最近ようやくODAでの修繕が可能になってきたのである。

この発電所は、カレニー武装勢力にとって恰好の攻撃目標であったため、今日まで関係者以外の通行が禁止されていた地域で、今回はじめて、我々一行に視察の許可が出た。勿論、武装勢力側も足を踏み入れるのは初めてである。

ロイコウから政府側武装警察官に守られ、車輌4台に分乗して山道を行くこと約4時間。バルーチャン発電所に到着した。敷地内には何ヵ所か土嚢(どのう)を積んだ守備隊の塹壕があり、発電所をとりまく山岳地帯には地雷が付設されていると聞いた。

土嚢で作られた.jpg
土嚢を積んだ守備隊の塹壕


しかし、第一発電所、第二発電所とも今も立派に稼働しており、配電盤その他の施設もよく磨かれていて、とても建設後50年間も経過した施設には見えない。駐車場には、今では珍しい1956年製のトヨタのランドクルーザーも実働していた。所長の説明によると「日本からの部品の供給がなく補修に苦労を重ねたが、なんとか自前の技術で補ってきた。ODAの再開も決定しており、一日も早く日本人技術者を迎えいれたい」と、思いのたけを話してくれた。現在、日本が建設した1号2号の発電所からの電力は、ミャンマー電力の25%を賄っている。

第2ダム内のタービンは日本製.jpg
第2ダム内の日本製タービン
磨かれて、立派に現役!

配電盤.jpg
配電盤


ヤンゴンで繰り返される市民の騒ぎも、停電による不満が引き金になることがあると聞く。電力供給はミャンマーの喫緊の課題で、私たちは中国が建設中の第3号発電所建設の現場を視察することができた。日本が建設した第2号は168メガワットだが、中国製は26メガワット2機の小規模なもの。2013年12月完成目標に約1000人の労働者が働き、山間(やまあい)には飯場が整然と並んでいた。基礎的な土木工事が進行中で、中国人は発電機関係者のみ、少数いると、所長は力説した。

建設中の第3ダム.jpg
中国が建設中の第3ダム

建設中の第3ダム見学中.jpg
建設中の第3ダムを見学

第3ダム建設中施設内にある中国人関係者が住むという施設.jpg
建設中施設内にある中国人関係者が住むという建物


停戦中とはいえ、往復路とも厳しい山岳地帯では、5〜6人の政府軍兵士がパトロールしているところに何回か出会った。
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