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拝啓 タイガーマスク殿 [2011年03月29日(Tue)]
「東北地方太平洋沖地震への救援活動」その31
―拝啓 タイガーマスク殿―

あなたは身寄りのない子供たちランドセルをプレゼントしてくださいました。子供たちは大きくて美しいランドセルのプレゼントに胸を膨らませ、どんなに学校に行く日を楽しみにしていることでしょう。

殺伐とした報道が多い中、あなたの謙虚な行いは、日毎に大きく報道され、私も久しぶりに日本人の特性である隠徳を感じました。あなたほどのことはできませんでしたが、私も学生時代、盲目の片親に育てられている二人の幼子(おさなご)にわずかな支援を続けたことがありました。今そのことを、あなたの隠徳の振る舞いで50年ぶりに思い出しました。

私はランドセル以外はあなたではないと想像しますが、間違いでしょうか? 私は戦争で被災し、一年遅れの小学校入学で、勿論、ランドセルはありませんでした。あなたもきっと、ランドセルを背負うことを夢見ながら家庭の事情で布カバンで入学されたのではないでしょうか? そんな思いを胸に秘め、生活にも若干余裕が生まれ、子供の頃夢に見ながら実現できなかったランドセルを恵まれない子供たちへ贈りたいと思ったのではないでしょうか?

その後、ランドセルの他にも色々な品物があなたの名前で届けることが流行りました。その結果、頂戴出来るものなら当方の欲しいものにしてもらいたいとの声も出るようになりました。一方的善意を全く否定するものではありませんが、相手の欲しいものをプレゼントすれば喜びも倍加することでしょう。

善意にもある種の暗黙のルールがあり、受け取る側にも尊厳があります。例えば、アフリカのどんなに貧しい子供たちへの救援物資であっても、洗濯した清潔な衣料であることは当然のことです。

今回の東北地方太平洋沖地震の被災地の修羅場のような状況下においての企業の一方的な善意にもとづく救援物資の送付は、人手不足の現地を混乱させ、多くの物資は野晒しにされることになります。私はこれを「タイガーマスク現象」と言いました。決してあなたを批判したり、企業の善意を批判したりしたわけではありません。

私が伝えたかったことは、災害救援物資は、必要な物資を必要な場所へ一刻も早く届けることです。しかし、自衛隊、警察、消防等の専門家は、避難所(2500ヶ所以上)の被災者に最低限の食料を配布し、ライフラインである水道、ガス、電気、道路の復旧は勿論のこと、遺体の発見とその運搬に忙殺され、不眠不休の活動をされております。そのような場所に、一方的に救援物資を送付されても野晒にされるのは当然のことです。

そこで日本財団では過去の災害救助の経験から、企業の救援物資を交通整理する係りが必要だと考えました。それは市役所や行政の仕事だという人もいますが、災害の現場を知らない人です。彼らには人命尊重を最優先に、避難所での最低限の生活確保、負傷者、死亡者、行方不明者の対応等、災害の実態把握を含め、自衛隊、消防、警察官と同じように、身内の安否も確認できない状態の中で忠実に職務に励んでいるのです。更に言えば、行政自体が津波に流されてしまったところもあります。

本来、政府か赤十字が救援物資の交通整理をすべきところですが、残念ながら彼らにはそのノウハウはありません。そこで日本財団が企業と被災地との仲介役を果たそうと考え、ウェブサイト「カンパン」で企業に呼びかけたのですが、非力で、ほんの一部しか実現できませんでした。

「タイガーマスク現象」の真意はそのような現実を伝えたかったもので、あなたや企業を一方的に批判したわけではないことをお分かりいただきたいと思います。

説明が少し長くなりすぎました。
しかし、今こそあなたのお力を借りたいのです。

ご高承の通り、東北地方太平洋沖地震で被災した子供の中には、両親が行方不明の子達も数多く存在し、大切なランドセルを津波にさらわれた子供も多くおります。新学期を前に、避難所で悲しみと淋しさに打ちひがれて毎日を過ごしています。

タイガーマスクさん、あなたの出番です。
子供たちにささやかな喜びを今一度与えてやって下さい。
ランドセルが欲しいのです。
願いが実現することを祈って。
敬具
笹川 陽平
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コメント
笹川先生
日頃より大変勉強させていただきありがとうございます。
さて、このタイガーマスク現象については私自身も違和感を感じないわけではありませんでした。不詳私のブログにおきましても考えを述べたことがあります。
http://communityrenaissance.at.webry.info/201101/article_5.html
私は、最近まで赤十字に身をおき、スリランカでの津波からの復興事業を任されました。約5年駐在したその初期の段階、つまり救援の段階からかかわっておりました。
その際にも明らかでしたが、(国際)赤十字は「救援物資の交通整理」ということでは、そのノウハウは非常に優れたものがあります。赤十字には力量が備わっております。
正確には、そのノウハウが充分に発揮できる環境が整っていないというところではないかと推察致します。
私の場合、やはり「タイガーマスク」さんの出番、となりますと、それでも少し慎重に...と、思ってしまいます。暗黙のルールと尊厳、というご指摘ですが、ルールは厳密なものでなくてはならないと思うものです。
もらえる子供ともらえない子供の不平等をつくってはならない。実に組織的に、正確なデータをもとに展開しなければならないものと思います。
このような事態のなかであまりに冷静なものの見方かと非難をうけるような意見であること承知しながら、あえて申し上げたいと思った次第です。
行政と赤十字とが一体となって、交通整理機能が働くことを期待したいと思います。
Posted by: 船橋 智  at 2011年03月30日(Wed) 04:03

正に"会長の言や香ぐわし" です.
新潟に在住し二度の災害経験から、修羅場に於ける采配の
妙と言うか、ノウハウは行政は持ち得ません.
神戸で活躍した、ボラ団体の、采配は見事でした.
山のような物資の配分、人員の配備など、現場で習得した
見事な技術ともいえる出来栄えでしたよ・・・ 
Posted by: 勝田  at 2011年03月29日(Tue) 17:37

親、家族を亡くした多くの子供達のことを思うと、胸が張り裂けます。悲しみを乗り越えて成長し、将来の日本になくてはならない子供たちです。
ランドセルメーカーには1年前のモデルが沢山あるそうです。
機能的には問題ないとおもいます。
私には業界にパイプがありませんが、なんとかならないものでしょうか。
  私の住む富山では、地元のランドセルメーカー(橋本商店)とロータリークラブがカンボジアの子供達にかなりの数のランドセルを送りました。ぜひ被災の子供達へもと思います。
Posted by: 吉野 久幸  at 2011年03月29日(Tue) 16:34

昨日、昨春小学校を卒業した長女が押入れから赤いランドセルを取り出し、嫁と一緒に磨いていました。
東北にランドセルを送るボランティアに自分の思い出の詰まったランドセルを送りたいというのです。
3人兄弟の長女として当時とても小さかった彼女の負担にならぬよう一番軽い物を選んだ記憶が蘇りました。
今のランドセルは本当に軽くなっているようですし、肩皮はずんぶん色が剥げています。
私も息子のグローブオイルを取り出して皮の部分を磨きました。
少々古いですが、思ったよりもピカピカになった彼女のランドセルを手にするどなたかが喜んでくれたら本当にうれしいことです。
がんばれ日本!がんばろう東北!
Posted by: 鴨川  at 2011年03月29日(Tue) 15:25

「阪神」の時には、私が中心になり、新品のランドセル1000個を、ボランティアが個々の子供のある家々を回り、避難所を訪ねてお渡ししました。

あの時は1月でしたから、まだ購入できたのです。しかし、今回は、同じことをしようとしたのですが、ほんの少ししか入手できそうもありません。

全国の小学校を卒業したばかりの子供たちが、被災した後輩のために善意を示してくださることを期待します。

1つ1つのランドセルに励ましの手紙が入っていたら、なお、うれしいですね。
Posted by: 吹浦忠正  at 2011年03月29日(Tue) 13:18


誠に適切な同意出来るご発言です。実は私は「タイガーマスク運動」によりいくつかの贈り物をいただいた児童養護施設の施設長です。
笹川さんのご活躍に敬意を表します。
Posted by: 堀川 清  at 2011年03月29日(Tue) 12:52

古着を贈ることは失礼ですが、6年間使ったランドセルは別の感慨がこもってるものです。
卒業した小学生から使用済みランドセルを集める仲介をしていただいたら相当数のランドセルが集まります。
Posted by: べくれるしーべると  at 2011年03月29日(Tue) 12:33