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「日本手話」 正式な一言語と認めよう [2010年12月23日(Thu)]


「私の視点」
「日本手話」正式な一言語と認めよう 

朝日新聞
2010年12月2日


主にろう者が使用する言語に「日本手話」がある。手の形や動き、顔の表情で表現する点で音声言語である日本語と違うが、独立した言語である。

しかし1880年、イタリア・ミラノで開催されたろう教育国際会議が「口話法が手話より優れている」と決議したため、教育現場から排除されることになった。口話法は口の動きで言葉を読み取る読唇や発声訓練を内容とし、健聴者(聴者)のように話すことを優先する。多数者言語への同化と言うこともでき、ろう者の社会参加を世界各国で遅らせる結果となった。

2006年に採択された国連障害者権利条約は手話を独立した言語と明記し、今年7月にカナダ・バンクーバーで開かれた世界ろう教育国際会議も1世紀以上を経てようやくミラノ会議の決議を見直し、手話を教育現場に取り入れるよう推奨した。こうした動きを受けて90を超える国が障害者権利条約を批准し、手話を法律で公的言語と定める国も30カ国に広がっている。

これに対し、日本ではミラノ決議や33年の全国盲唖学校長会議で口話法の使用を推奨した文部大臣訓示を受け、ろう学校では聴覚口話法が採用されてきた。旧文部省は95年、コミュニケーション方法の一つとして手話をろう学校でも取り上げるよう提起したが、計約5500人が通う93のろう学校の教育は今も口話法が主流だ。

現在、約11万人と推計されるろう者のうち、手話の使用者は約6万人を占める。にもかかわらず口話法が採用されている背景には、音声日本語に対応する口話法の方がろう者の社会進出につながる、との判断のほか、手話を使える教師の不足といった事情もあったようだ。

しかし、わずかな唇の動きに頼る読唇を中心にした口話法をマスターするのは難しく、ろう者の教育は遅れ、大学進学率は現在も全体水準の約3分の1以下、米国などに比べて低い数字にとどまっている。

政府は現在、障害者権利条約の批准を視野に障がい者制度改革推進会議を内閣府に設け、障害者基本法の見直しや障害者差別禁止法の制定を検討している。日本財団でも92年、アジアなど各国のろう者のリーダー育成を目指して米国ギャローデット大など2大学に奨学制度を設けたほか、手話辞書や教材開発に携わる人材育成事業も香港の大学でスタートさせている。

ささやかな経験を踏まえて言えば、多数の価値観の少数への押し付けは、それ自体が差別であり、少数といえどもろう者には日本手話で教育を受ける権利がある。

手話を正式の言語と認める手話言語法(仮称)を早期に成立させ、手話ができる教師や手話通訳者、手話辞書の整備を進めることで、ろう者の自立した社会参加に道を開くべきだと考える。(ささかわようへい 日本財団会長)
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