社会貢献者表彰式典・祝賀会 [2010年12月11日(Sat)]
社会貢献者表彰式典・祝賀会 創立40年を迎えた社会貢献支援財団の貢献者表彰式典が開催された。自らの命を顧みず人命救助に尽くされた方、精神的な苦痛を伴いながらも社会のために長年働いてこられた方など、50件の功績が表彰された。 スーダンで医療活動に取り組む川原尚行さんは、マラリアやコレラで苦しむ人を目の当たりにしながら患者を診察できなかったと職を辞め、NPO法人を設立。現地で患者の診療に汗を流している。 同財団ではこれまで1万件以上の功績を表彰し、歴史ある表彰制度として定着している。 以下は祝賀会の挨拶である。 ********************************* 挨拶(要旨) 2010年11月16日 ANAインターコンチネンタルホテル 本日は崇高な志を持って身命をかけて人命救助された方、長く世のため人のために善行なさり陰徳を積まれた方々が表彰されました。皆さまのご労苦に対し、心よりの感謝とお祝いを申し上げます。 私は一年の3分の1を発展途上国の現場で働いており、これまで115カ国くらいの国々で人道的活動をして参りました。そこで感じることは、日本は世界一の国であるということです。日本には四季があり、緑豊かで、美しい水が流れています。石や木々にも神が宿る多神教の国です。何よりも穏やかな国民性を持っています。 海外では常に自分の身の安全を考えなければなりませんが、日本にはそのような心配をする必要がありません。私たちは本当に素晴らしい国に生を受け生活していることに感謝しなければなりません。 政治の綻びが様々なところに見られ、社会が雑然としているように感じます。しかし、本日表彰された皆さまは、日本人の良きDNAを引き継ぎ、古い言葉でいう仁徳のある人たちだと思います。皆さまのような方々により、社会の安心、安全が支えられています。皆さま一人ひとりの自然と湧き出てくる日本人としての感情が心を揺り動かし、自らの命も顧みず人のために手を差しのべ、体を張る行為になってくるのだと思います。 スーダンで医療活動に携わる川原尚行さんがお話しされましたように、私たち国民一人ひとりが世のため人のためにできることは数多くあります。私たちは身の回りで気づいたこと、出来ること、そんなささやかなことを行動に移そうではありませんか。 江戸末期以来、日本に来た多くの外国人が日本について感想を述べた書籍「逝きし世の面影」(渡辺京二著)があります。貧しいながらも笑顔が絶えない、そしてやさしい国民が暮らす国であると日本が紹介されています。世界の多くの人が羨望してやまない国として記されているのです。 私たちは国内にいますと井の中の蛙となり、世界のことが見えなくなってしまいます。その結果、日本の悪いところばかりが目につくようになってしまいます。本日表彰を受けられた方々、そして40年にわたって社会貢献支援財団が果たされた役割を考えると、皆さまの善行は多くの方々を刺激し、啓蒙的な役割を果たしてこられたことがわかります。日本人としての誇りを持ち続け、皆さまの善行の輪が広がることを願っています。 日本の報道を見ると、悪いニュースほど報道価値のあるニュースとして大きく取り上げられます。しかし、これからは良いニュースが良いニュースとして報道されなければなりません。ブログやユーチューブなどで皆さまの良い活動がより発信されるようになり、多くの日本人を啓発していくことを願っています。 本日は私自身も大きな刺激を受けました。私たち一人ひとりが良い社会を築くために行動しようではありませんか。 |