「中国・梁光烈国防部長 表敬・会談」 [2010年06月18日(Fri)]
![]() 「中国・梁光烈国防部長 表敬・会談」 今年で10回目となる日中佐官級交流プログラムのため北京を訪問。梁光烈国防部長(日本でいう防衛相)と意見を交わした。 梁部長とは昨年6月の交流プログラムのときもお会いしており、中国側としても民間による防衛交流には関心が高く、この交流の継続を期待しているようだ。 今回の会談時間は70分。その要旨は以下に記すが、私の質問した北朝鮮問題やゲーツ国防長官の提案した米中軍事交流の拒否問題に、梁部長は軍人出身らしく率直な見解を示された。 表敬訪問は、通常、当たり障りのない話題が中心で、あくまでも表敬とするのが礼儀だが、私は民間人であるし、率直に質問した。 ******************************** 会談(要旨) 2010年6月11日 於:八一大楼 <梁部長> 昨年6月、笹川会長が訪中されたときに同じ会議室で会談した。笹川会長は多くの中国の指導者と会談し、両国の友好交流に尽力している。とくに防衛交流における多大な貢献には感謝している。 この佐官級交流団による相互訪問は10年間、順調に推進されてきており、このプロジェクトは防衛交流の重要な活動の一つで、国防部長として高く評価している。過去10年間の経験を総括し、将来の発展を検討。両国の防衛交流を引き続き推進したい。 <笹川> どこの国でも政府間の軍人交流は、政治的に問題が出てくると中断せざるを得ないというのが国家間の防衛交流の宿命です。この防衛交流が実施されている間、政府間では日中間の防衛交流がストップしたことがありましたが、このチャネルだけはいかしていこうという双方のご理解によって続けられたことを思い出します。 民間団体が間に入るという一つのクッションを上手く使うことにより、防衛交流が継続されてきたことは、日中両国の一つの素晴らしい知恵だと思っています。 特に単なる軍事交流ではなく、お互いの国の社会や経済、文化、歴史、そして何よりも人々の生活に直接触れてお互いの国の国民を良く知るプログラムになっていることを高く評価したいと思います。 中国から訪日いただいた多くの方が等身大の日本を見学することによって、訪日前と後での感想は相当違ったようですし、日本側の自衛隊も頭で描いていた中国と実際に中国を体験した後では大きく違っているようで、これは防衛交流に大きく役立っています。 <梁部長> 日中防衛交流プロジェクトを高く評価する。若手将校の交流は両国の防衛交流にとって重要だからです。そして、着実に両国の防衛交流を推進してきたからです。 日中両国の防衛関係について話したい。 中日両国は友好な隣国であり、その関係は2000年の歴史がある。そして1972年の中日国交正常化以来、両国の関係はさらに発展してきた。指導者交流も緊密になり、各分野での交流、協力により多くの成果を収めている。国際・地域間問題については、意思疎通が図られている。 両国の貿易分野での成果も大きくなっている。国交正常化のときの貿易額は11億ドルであったが、2008年は2663億ドルになった。昨年は金融危機により減少したものの、2321億ドルに達している。また昨年の両国間における人的往来は550万人で、姉妹都市は245組ある。以上の数字は両国関係の発展を示すものだ。 中日関係は良好な関係を保っており、先に温家宝首相が訪日、各界の指導者と意見交換し、多くの合意に達している。中国は日本との関係を重視している。そして、指導者は共通認識のもと敏感な問題を解決、政治的な信頼を深めている。 防衛交流は重要で確実に発展している。その特徴は次の3点だ。 1つはハイレベルの交流が定期的に行われていることで、大臣、幕僚レベルでの交流、陸・海・空軍司令官による相互訪問を実施し、実務レベルでの交流は深化している。私は昨年11月に訪日、北沢防衛相と会談した。そのときは陸・海・空軍の基地、装備を視察、装備の近代化、技術の先進、管理の正確さにはとても感心した。 2つ目は、防衛対話のシステム化だ。両国はこのプラットホームを通じて関心事項について率直に対話できるようになった。 3つ目は、各分野での交流が多様化したことだ。艦艇の相互訪問、佐官級交流、軍事留学などを実施している。海上連絡システムの交流、協力についても検討している。 防衛交流は時どきの政治の影響を受けている。そのため民間の協力が必要となる。ここ数年間、中国戦略学会と笹川日中友好基金のもと、防衛交流は活発になってきた。中国側は両国の防衛交流を重視しており、この交流プロジェクトに対し2つの要望がある。1つは継続させたいこと。もう一つは将来の視点に立って発展させたいことだ。 中日友好の継承者である皆さまには、防衛交流に努力してほしい。皆さまにはこの訪中で多くの人民解放軍の将校、学者と会っていただき、客観的に中国の国防、そして経済発展を見ていただきたい。中国は平和発展路線を堅持し、防衛方針を打ち出している。温家宝首相が訪日したときに強調したように、中日は敵対するのではなく、パートナーである。温家宝首相の談話を踏襲し、防衛交流を発展させたい。 <笹川> 日中間に関する見解を伺った。 軍事の役割は2国間問題とともに、世界的に2つの問題がある。 イラン制裁への協力に賛意を表すとともに、ソマリア沖への艦艇の派遣によって海賊への大きな抑止力に貴国の艦隊が役割を果たしていることを高く評価したい。 近隣に不安定な北朝鮮が存在し、政治指導部も大きな変化があったようだ。長年の生活の苦労からくる軍人の精神的な疲労も極度に高まっている感じがする。この中で中国が北朝鮮に対して国際社会の一員としての役割を果たす努力をされていることは理解している。 しかし、北朝鮮の政府というよりも末端の軍人による極度の疲労状態と緊張状態があるため、偶発的な紛争が発生する可能性があると思う。北朝鮮の現状、あるいは彼らの軍人としての態度はどのようなものか。 <梁部長> はっきり判断することは難しい。 昨年、北朝鮮を訪問し、次いで日本を訪問したときに鳩山首相は私に質問した。それは「中国と北朝鮮は歴史的に友好関係にあるのは承知している。北朝鮮は主権国家であるので、中国は内政干渉しないのか」というものだ。 北朝鮮の政治体制は他国とは異なる。金正日は69歳になっている。中国は北朝鮮の核開発問題に対して核兵器を保有することに反対している。そして朝鮮半島の情勢を安定させたい。 六カ国協議でもそのように意見している。朝鮮半島の緊張が高まらないように努力している。中国は米・韓・日との間で朝鮮半島の安定が重要との立場から行動している。 最近、中国と北朝鮮との国境で中国の民間人が3人殺害された事件が発生した。この事件に対しては抗議し、事件は解決したので、中北両国の友好関係には影響しない。 <笹川> 軍事的にも偶発的な事件は起こらないし、社会的、経済的には困難だが、当面は心配ないとの見解か。 <梁部長> 微妙な問題だ。それは予想できないことだ。 中国と北朝鮮の国境線は川であり、上陸することで主権侵略になる。両国では一つの協議があり、民間人への攻撃はしないことになっている。 <笹川> 日中軍事交流の重要性を指摘されたことは、その通りだ。しかし、中国にとって最も重要な二国間は米国であろう。米国が台湾に武器を輸出した問題はある。ゲーツ国防長官からの軍事交流の申し出を中国が拒否したとの報道があったが、当面は交流しないということか。 <梁部長> 拒否したのではない。タイミングの問題であり、タイミングが良ければゲーツ国防長官の来訪を歓迎する。中米の国防大臣による相互訪問の扉は閉じない。 <笹川> 日本は島国だ。海の問題として中国海軍が最近、非常に元気が良いように思う。それに対し、日本国民は神経が過敏になっている。東シナ海の安定について見解を伺いたい。 <梁部長> 中国海軍の東シナ海での行動は正常な訓練である。メディアが大げさなだけだ。日本のメディアには客観的に中国海軍の訓練を報道し、誤解させないようにお願いしたい。中国海軍の訓練は内海で行っており、海洋法条約に違反していない。自衛隊は中国海軍の行動を監視しないよう願いたい。中国も日本の海を監視しない。 (次回6月21日は、「笹川陽平 全裸写真」です) |











