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笹川陽平(ささかわようへい)の国内外における活動の記録。このブログを通じて、私の毎日を覗いてみてください。

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「人民網対談番組」その2 [2010年03月12日(金)]


「人民網対談番組」その2


収録日時:2010年2月3日15:00〜16:20
人民網ウェブサイト上で放送(動画配信)

出演:笹川陽平 日本財団会長
   加藤嘉一 在北京日本人留学生
   趙 剛  中国社会科学院日本研究所
   暢 游  強国論壇管理者
   司 会  人民網職員

司会者:
中国社会の変化についていえば、加藤先生が中国に長年生活していて、中国の改革と開放の30年間に立ち会い、北京は中国の首都であり、中国の改革と開放の縮図とも言える都市ですが、加藤先生は、北京のこと、ここ数年間において北京の変化についてどうみていらっしゃいますか。

加 藤:
当然、私は80年代生まれの世代です。ここに6年間しか生活していません。見ているのは、改革と開放の一部分でしかないと言えます。しかし、自分の目で北京オリンピック前後の現象、さまざまな変化を見ました。

特にハードの部分においてかなり前進しています。とりわけお金持ち、大金持ちは、精神面、礼儀面、親孝行面、そして笹川先生が話されましたように貧しい人たちへの関心が足りません。両者の間に格差があります。そのため、今後、みんなが社会保障問題、不動産問題に注目していく必要があります。

これらの問題は時間をかけて解決しなければなりません。最近、私は広州と上海に行きました。広州はアジア大会を準備しています。上海は世界博覧会を準備しています。正直な話、本当にめちゃくちゃになっています。特に広州では「扰民工程―市民生活をめちゃめちゃにする建設プロジェクト」、上海では、「面子追及の建設プロジェクト」といわれています。みんなは、これらのことをよくしたいのてす。

今日において日本人があまり体験できないことですが、中国にはたくさんのチャンスがあります。オリンピックも、アジア大会も、博覧会もいずれの都市もこれらのイベントを通じて人々の価値観に影響を与えられます。私も非常にいいことだと思います。このような発展段階は日本も経験しました。

但し、活力、爆発力、突破力において中国は非常に豊かで多彩です。問題は、変化です。「変」はキーワードです。この「変」の背後には不変なものもあります。例えば、人々の精神面、価値観、或いは社会的な和の面、これらをいかに充実していきますか。中国は今後まだ沢山のことをやらなければなりません。日本もいいところも悪いところもあります。

例えば、社会保障制度、税制度、高齢化、中国も今後これらの問題に直面しなければなりません。これらの大きい問題において、中国と日本は共に対処していくことがたくさんあります。

司会者:
加藤先生のご見解は非常にリアルなものですね。上海博覧会は「面子を追及する建設プロジェクト」だとおっしゃっていましたが、政府がイメージを通じて上海という町の美しさ、多彩な一面を世界に見せたいのかも知れませんね。

加 藤:
その通りです。

司会者:
加藤先生、どうもありがとうございました。日中関係に関して、解決の方法も含めて、多くの問題をお話しました。

続きまして、笹川先生に教えていただきたいのですが、先生、日中両国間にはどんな障壁がありますか、どのようにして日中両国の関係を絶えず前へ進めさせることができますか。

笹 川:
戦争の問題というのは世界中に大きな爪痕を残しております。これを経験していない国、あるいは内戦、地域紛争など、そういうものを経験していない国はありません。わたしたち人類は科学技術では大きな進歩をしてきました。

しかしながらそういう社会科学の面における人間の進歩、中国ではいま孔子に学べということですが、2000年前の孔子の時代より社会科学面での人類の進歩というのはあったんでしょうか。わたくしは大変疑問に思っております。そういう意味におきましても、これは日本と中国二千年という長い歴史、マクロで見た時に一時期こういう今の中国の若者が抱えている問題点ということについては、やはり我々のような歴史を経験した人間がもっともっと積極的に彼らと触れ合って、理解を求め続けるということが大変重要ではないかと思います。

また、これからの日中間ということを考えますと未来思考で若者が新しい日中関係を作っていくんだ、自分たちが主役なんだ、自分たちがこれから世界平和のために尽くすんだという気持ちを中国の青年が持っていってほしいです。

そして、先ほど言いましたように世界第二位の経済大国になるんですから、世界の中での責任と義務を果たしていくためには自らの主張だけでは世界の理解は得られないと自覚しなければなりません。そういう意味において、もっと積極的に中国の若者は自信をもって世界のために、世界の平和のために貢献していただきたいですね。

もう一つだけ申し上げたいのは、実は、日本人は戦争において加害者であると同時に、大きな被害者でもあったんです。日本とロシアは戦争をしない条約を締結しておりました。不可侵条約といいます。にもかかわらず、日本が敗戦した直後に60万人の日本人をロシアに連れ去って強制労働につけて6万人が死んでしまいました。

こういう日本の家族も悲しみを乗り越えて、新しい平和な日本をつくるために努力してまいりました。わたくしは中国の多くの被害を受けられた方にも決して歴史を忘れてくれとは申しませんが、悲しみを乗り越えて子孫のために、新しいこの世界の平和のリーダーとして中国の青年たちが世界の人々に勇気と希望を与えるために努力していただきたいというのがわたくしの願いです。

司会者:
笹川先生、どうもありがとうございました。
同じテーマについて趙剛先生のご意見もお伺いしたいのですが、

趙 剛:
まず、一番目の問題にお答えいたします。すなわち、日中間にどんな障壁があるのかについてです。障壁といえば、たくさんあると思います。先ほど、司会者も、笹川先生も取り上げましたが、例えば台湾問題や、東シナ海問題や、歴史問題等があります。これらの問題は比較的に大きい問題です。

その他に最近生じました知的所有権の問題や、環境問題等もあります。これらの問題は未解決です。これらはゼロサムゲームではありません。双方は、平常心で対等に対処すれば解決できるはずです。その後に、両国がどのように平和的に発展していくかですね。これは一般市民レベルで話すテーマではありませんが、ただ一点だけいえるのは、相互理解が必要だということです。理解とは、まさに先ほど笹川先生がおっしゃった文化背景についての理解です。双方は、それぞれの文化背景が違います。

こんなに近くても文化的には差異があります。共通性もあり、原理原則の違いもあります。双方は、根本的に相互理解をしなければなりません。第二は、中国の言い方では、遠く、先のことを見ることです。後ろだけを見てはならない。多くのことについては未来をみなければなりません。特に若い人は未来を見なければなりません。

先ほど司会者から聞かれた問題について補足したいと思います。すなわち、中国の改革と開放の30年間について認識の問題です。二方の日本人の先生は、非常に適切な意見を聞かせていただきました。私も多くのご意見には賛成します。

しかし、60年代最後の年に生まれた人間として改革と開放を経験しました。個人としての認識、感想をお話しましょう。私自身は、中国においてはお金持ちの階層には絶対に該当しませんが、中産階級といえます。少なくとも3点を取り上げられます。

まず一点目は、中国は豊かになったことです。改革と開放の30年間、毎日が子供時代に待ち望んでいた正月のような生活をしています。今は毎日正月です。少なくとも80%の中国人はこのような生活をしています。

2点目は、国際化の進展です。上海生まれですが、上海は中国の改革と開放の最前線にあります。子供の時、外国人が前に歩くと、多くの上海人は後に付いていきます。このような場面はいま中国の農村にも見られないでしょう。すなわちこれは国際化の浸透です。

3点目は思想の開放です。中高年の再婚、離婚の問題です。中国の離婚率が高いですが、決していいことではありませんが、特に中高年の再婚等は、中国のような儒教の国において容認されることはこの短い30年間に踏み出した大きな一歩と言えます。これらについて私達が認識しなければなりません。

そして中国のGDPは今年において日本を超えることについては中国の最高指導部の認識は非常に冷静です。李克强副総理は、この前もトータルばかりを見てはならない、一人平均をみなければならない、日本人は、一人平均4万ドル、中国人は、一人平均では4,000jしかない、との発言がありました。従って最高指導部はこれについて非常に冷静に見ています。

特にここ7年間連続して中国共産党中央は毎年1号通達を公布し、農村経済のことを話しています。なぜですか。中国人口の70%から80%は農民だからです。中国の工業化発展の過程において、農民問題を解決してはじめて中国の根本問題の解決になります。この点については、中国の最高指導部にして大多数の国民にしても共通認識を持っています。

この点についてぜひ日本の友人にもご理解いただきたいと思います。日本の工業化の過程においても多くの経験が蓄積されました。私達はまだ勉強不足です。もっと謙虚に日本から学習しなければなりません。今後数十年の問題を解決するには、日本の経験は非常に参考になります。

司会者:
趙剛先生、非常に素晴らしいご分析、ありがとうございました。

手元に民間交流が日中関係の改善にとって重要であることのデータがあります。2009年に第5回日中共同実施のアンケート調査において中国側の90.7%の学生と86.2%の市民は日中民間交流が日中関係の改善について重要、あるいは比較的に重要だと答えました。同じ観点を有する日本側の有識者と市民の比率がそれぞれ95.8%と74.8%です。これらのデータにより、民間交流が日中関係の改善における重要性については大多数の民衆の見方は一致しています。これについては笹川先生のご見解を是非お聞きしたと思います。

笹 川:
一つ大きなテーマは先ほど出ましたように日中の相互理解は政治家だけのものではない、国民・人民レベルでの相互理解がより広く深まることが重要だということが出てまいりましたが、昨今、中国の方々の日本への入国はビザなし渡航ということが可能になりまして、多くの方に日本にお越しいただいておりまして、あるいは日本のマンガやアニメというものが中国の若者に日本理解の促進に役立っているということもうかがっております。

そういうことで、両国のお互いの違いを理解しながらも、夫婦なら離婚すればいいんですけれど、地政学的に隣同士で別れるわけにもいかないですから、どのようにして未来思考で両国がより良い関係を築いていけるかということに一人一人が努力する時代にもなっていますし、中国だけで生きていくことはできません。日本だけで生きていくわけにもいきません。

世界の中の中国であり、世界の中の日本という位置づけにいまやグローバリゼーションの時代はなっているわけですから。そういうなかで隣国同士というものがお互いに手を取り合って補完関係を形成しつつ、国民レベルの相互理解を進めていくということが、より安定した中国にもつながりますし、日本の安定にもつながりますし、ひいては日中両国の安定平和にもつながり、世界平和につながると、こういう大きな気持ちを若い方々にぜひ持っていただきたいと思います。

あなたがたが思ってる中国と今は違うんです。世界が中国の経済発展を認めてるんです。したがってそのなかには責任と義務が生まれてるということも理解をしていただきたいと思いますね。

司会者:
どうもありがとうございました。笹川先生、日本財団傘下の笹川日中友好基金は、数多くの日中友好交流事業を助成したと聞きました。日中友好交流事業には青少年間の交流も含まれていますがこのよう形の交流事業についてどんなご感想がございますか。将来、何か新しい事業が企画されているならば是非ご紹介いただきたいと思います。

笹 川:
わたくしはもう70を超えましたから、そろそろあの世に旅立つ時期が迫ってきております。いつの時代も世の中を変化させるのはあなたがた、若者です。わたくしは若者の人材教育・人材養成いうものに残りの人生をかけていきたいと思っております。

司会者:
続きまして暢游女史にお聞きしたいと思います。「強国論壇」を長く運営していて多くのネット利用者がいると聞きましたが、日中両国の交流において青少年は何をやればいいかを是非ご見解をお伺いしたいのですが。

暢 游:
今回のインタビューに関して「強国論壇」でアピールしました。それに対して多くのネット利用者は、意見をフィードバックしました。これらの情報をまとめると、二点にまとめられます。一つは、このような両国間の民間交流の方式が多ければ多いほどいいと思います。中国は豊かになり、多くの若い人が日本を訪問したい、このような交流チャンネルがさらにスムーズにできれば効果が更に大きいです。

中にはよく議論されているのは、態度、交流の誠意です。決して狭くない交流の態度です。日中両国は、歴史においても、文化においても、地理や経済においても分けようとしても分けられない密接な関係にあります。どちらも一方的に独占できません。したがって過去の認識をいったんおいて交流しなければなりません。あるネット利用者の話をお借りしていえば、「日中関係に対して“基于义,止于礼(義に基づき、礼に止まる)”義の忠誠、熱気、強さに基づき、礼の迫力、智恵、遠見に止まることをしなければならない。」ことです。

司会者:
ネット利用者の言葉を伝えてくれたことに感謝します。
このインタビューもネットユーザーから熱い注目を集めています。
それでは、この番組の後半には、ネット利用者から笹川先生へのご質問になります。2006年に日本の名古屋でも世界博覧会が開催されました。今年は上海博覧会も開催されますが、上海博覧会は、中国にどんな新しい変化をもたらすのか、博覧会は日本にも影響を与えるでしょうか。

笹 川:
中国が北京オリンピック以来、国際社会にこの中国の発展をみせたいという意味で北京オリンピックは大成功でありましたし、上海万博も成功するでしょう。これは中国の方々が自信と誇りを自らの国にもつために素晴らしいイベントであったと私たちは理解しておりますし、新しい中国を多くの日本人が上海の万博を通じて見る機会を得ることによって、また一層中国に対する日本人の理解が進むわけでございますので、わたくしは恐らく過去の万博にない世界新記録の入場者を確保する万博になるものと期待をしております。

司会者:
終わる前にもう一人のネット利用者からの質問を加藤先生と趙剛先生に答えていただきます。日本の新聞には、日本政府が中国人の観光ビザの制限を緩めるよう検討しているとの記事があります。この措置の要点は二点あります。

一点は、中国人の年収25万元の制限の廃止、二点目は数次ビザの発行です。一回取得したビザは一年間以内に何回も使えます。民間観光は、経済効果もあり、民間交流も促進できます。ネット利用者は、年収25万元がない人も日本を訪問したいと話しています。

加藤先生、趙剛先生、この報道についてはどんなご意見、アドバイスがございますか。

趙 剛:
それは本当なのかは知りませんが、本当ならば非常にいいことだと思います。もともと日本に観光に行くのにどうして25万元の年収を設ける必要があるのか、この25万元の概念はどこから来たのでしょうか。

それ自体も非常に曖昧なことです。まだ就職していない人、例えば大学生は親のお金で日本を旅行しようとする場合、25万元は高い入り口になります。実現できません。交流を強化するために、この入り口が高すぎてはよくありません。ただし日本側もやりにくい面があり、あるいはさまざまな理由があると思います。この25万元の制限を撤廃すれば日中両国の民間交流も日本の観光業の発展も促進されるでしょう。

司会者:
趙剛先生、どうもありがとうございました。加藤先生は如何ですか。

加 藤:
そうですね。その記事は本当なのかどうか分かりませんが、先ほど、趙先生からお話しのありましたように、このように徐々に開放していくならば、日中間の経済にも日本国内の内需拡大にも助かります。中国の観光客は非常に消費性向が高いこともよく知られています。数百名の中国青年が日本に来ることは非常に良い外交になります。

政府サイドでビザをある程度開放すれば、多くの中国の観光客は日本を訪問すると思います。例えば馮小剛氏が監督した映画「非誠勿擾−誠意がなければ邪魔しないでください」に対して麻生太郎前首相は自ら監督に謝意を述べました。

実際にはこのようなことは日中交流にとってさらに重要だと思います。日本政府はこの問題については慎重であることは、それなりの苦渋と考慮があります。徐々に解決しなければなりません。将来、これらの制限を徐々に撤廃していけば、中国人の日本に対する印象の改善にある程度役立つでしょう。両国の実質的な交流も促進されるでしょう。私は、これが時間の問題だと思います。その日は必ず来ます。



(次回3月15日は、「日本の官僚」です)
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コメント
 資本主義社会では、正しいことをおこなう人たちのところに、お金が集まるような仕組みを実現したいですね。民衆の意識改革も含めて…。
 どうか、これからも頑張ってください。
Posted by: 角皆優人  at 2010年03月12日(金) 09:21