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笹川陽平(ささかわようへい)の国内外における活動の記録。このブログを通じて、私の毎日を覗いてみてください。

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中国の海外派遣国費留学生15,000名計画と日本の海外留学生 [2009年12月11日(金)]

アイビー・リーグ校の一つ「コロンビア大学」


「中国の海外派遣国費留学生15,000名計画と日本の海外留学生」


中国は日本を抜いて世界最大の外貨を保有する国になった。その運用益を実に見事な方法で使っている。

国家教育基金を設立し、それを教育基金委員会という組織に任せ、海外留学を通した人材育成事業に当てているのである。

その計画は膨大なスケールで、毎年国立トップ大学の博士課程から優秀な人材5,000名を厳選し、留学資金を提供。「海外の一流大学、一流学科の一流の先生についで学ぶ」ことをスローガンに、大々的に留学生派遣事業を展開しはじめた。

年間5,000人、それも博士課程で、連続して3年間の留学経費を提供するシステムなので、常時15,000名という膨大な数の博士留学生を派遣することになる。

ところが困ったのは、アイビーリーグのような世界トップクラスの高等教育機関である。もともとトップクラスの大学の数は限られており、その中の一流学科も人数は知れている。

更に一流の学者となると数えられるほどの人数しかいない。この限られたキャパシティでは、中国から派遣される優秀な博士課程の留学生15,000名にはとても対応しきれないのが現状ある。

下手をすると、トップクラスの教授の下に来る博士課程の留学生は全部中国人になってしまう恐れもあり、中国在外公館の教育担当者からの強い要請に、断るケースが多発しているようである。

人材養成は国の基である。今日の日本の若者は内向き志向で、外務省に奉職しても海外勤務を敬遠する傾向すらあるという。また、政治、経済をはじめ、あらゆる分野でスケールの大きい人材の不足を嘆く声も多い。

人材は勝手に育つものではない。
「10年、木を植える。100年、人を育てる」という。
時間と金がかかるのである

無資源国・日本の唯一の資源は人材であることを忘れてはならない。

*アメリカの大学・大学院に在籍する留学生総数 671,616人(2008.9)
*留学生の出身国上位5ヶ国(2008.9)
 1位:インド 103,260人
 2位:中国   98,510人
 3位:韓国   75,065人
 4位:カナダ  29,607人
 5位:日本   29,264人

*1994年度から1997年度までは、日本人留学生が第1位を占めていたが、インド・中国からの留学生が急増した結果、現在5位となっている。

*出典:2009年度:IIE(Institute of International Education)


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コメント
私が在籍するカンザス州立大学においても、中国人留学生がここ2,3年で急激に増加しています。その中でも、特に大学院修士課程及び博士課程の学生の学力の高さには本当に驚きます。アメリカの大学では、日本に比べ研究費が潤沢であるために、学生への金銭的援助が大きい反面、限られた定員に対する熾烈な競争が行われます。その中でも、中国人学生は優秀な上に、学問や競争に対して貪欲なため、温室育ちで貪欲さに欠ける日本人学生は多くの場合生き残りに苦戦しています。

また、日本の場合、人材育成ということで、官僚が国費で米国の一流大学に留学するケースがありますが、少し前までは、彼らの多くが留学後すぐに退官し、留学したにも関わらずその知識が国のために生かされないという、日本の教育投資の問題点もありました。私は、最近話題になっている事業仕分けにおける科学技術予算削減など、日本が誇る分野に対する投資が減少傾向にあることも問題だと思いますが、それと同時に、そのような予算が適正に使われてこなかったという点も、大きな問題であると思います。

カンザス州立大学 鈴木智也
Posted by: 鈴木智也  at 2009年12月19日(土) 10:08