「中国人民ネットに90分生出演」 [2009年07月10日(Fri)]
中国人民ネットのスタジオにて(2009年6月・中国) 「中国人民ネットに90分生出演」 6月9日、今年9年目を迎える防衛省・自衛隊と中国人民解放軍との佐官級交流団(少佐、中佐、大佐クラス)を引率し、中国を訪問した。 その際、中国最大のネットである中国人民ネットに90分間、単独生出演した。 読者ご高承の通り、新聞「人民日報」は中国共産党の機関紙で、党中央の政策を反映した記事が多く、読者も党や行政機関の官僚が目を通す程度。一般大衆の評判は極めて厳しく、地方新聞の元気さに比べ権威の維持に汲々としているのが現状である。 それに比べ人民ネットは、中国における急速なネット社会の発展の中で、大衆の率直な意見が反映されると好評で、3億人のネット・ユーザーのうち1億人はアクセスするという巨大なサイトである。読者は200以上の国・地域に分布しており、大きな影響力を行使している。 英語、日本語、フランス語、スペイン語、ロシア語、アラビア語、朝鮮語、チベット語、モンゴル語による外国への情報発信は、写真、動画、フォーラム、ブログ、アニメ、ライブ放送と、毎日24時間、全世界のユーザーに発信し続けている。 それに比べ、日本の海外への情報発信は惨たるものである。 特にフォーラム「強国論壇」は、中国のインターネット・メディアが初めて開設したネット上の時事・政治フォーラムで、胡錦濤国家主席も出演したことから人気はウナギ登り。中国の党・行政の幹部も常にこのサイトに注目している。 人民ネットは社員600人、平均年齢29才と若く、私の出演はインタビュアーとカメラ一台の質素なスタジオで行われた。 初回でもあり、世界での活動、特に中国との関係についての質問が多く、あまり突っ込んだ質問はなかったが、私は「中国は日本の税金制度を見習い金持ちを作らないこと。富の平均化こそ社会の安定の重要条件である」ということだけは力説した。 次回は「憤青」(恐れる若者)といわれる中の反日家の青年たちと論争したいので、是非、再度出演させてほしいと依頼した。犬の遠吠えは良くない。機会を与えてくだされば、日・中間の将来のため、一人で彼らと論争したいと願っている。 小泉政権時代、中国の指導者は「政冷経熱」だと不満を述べていたが、「政治が機能しなくても経済関係で補完関係が成立しつつあることは喜ばしいことでは」との私の反論に、政治優先の中国では「政治家の活動の場がない・・・」と、若干困惑の表情を浮かべた方もおられた。 しかし、両国間の意見の一致などあるわけもなく、国民レベルの論争によってお互いの考えの相違点を知り、地道に相手国をよく知る努力を続けることが肝要である。熱くなれば冷めたくもなり、山高ければ谷深くなる。日・中間はほどほどの関係をもってよしとすべきである。 それにしても政治家の発言や政策で、日・中両国の在り方が損なわれることのないよう願いたいものである。 良い機会を提供してくれた人民ネットの勇断に感謝したい。 このサイトで見られます。 http://j.people.com.cn/94478/96695/6673368.html |