「エコ・サイクリング」 [2009年01月28日(Wed)]
温室効果ガスの削減について話すメルビン駐日大使 「エコ・サイクリング」 先般、デンマークのフランツ=ミカエル・スキョル・メルビン大使がお出でになった。 「地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減には、市民レベルの認識と協力が不可欠であり、そのためには自動車より自転車を大いに活用すべし」とのことであった。 デンマークでは、環境だけでなく健康のためにも、全ての家庭に自転車があり、3000kmに及ぶ国有の自転車専用道路が整備されている。サイクリング用に特別に作られているため、車や歩行者に気をつける必要もなく、世界でも数少ない自転車専用信号も設置されている。又、自転車を公共の交通機関に持ち込むことも出来る。 コペンハーゲンのような都市では、住民も観光客も、配置されている2000台の自転車を20デンマーククローネ(約340円)のデポジットを払い使用出来、行く先の近くの指定の場所に乗り捨てることが出来る。 フランスのパリ市内でも貸自転車は大ブームで、約20,000台の自転車と1500箇所の駐輪場があり、利用者の評判も良く、大成功のようである。 日本はバス、電車、地下鉄と、網の目のような交通手段があるので、どの程度有効かはわからないが、中国においては大いに活用すべきである。 中国政府は、北京オリンピック開催に際して自動車の規制を強化した。現在も自動車番号の奇数、偶数で北京地域への出入りを規制するほど、交通渋滞はおびただしい。 30年程前、北京の朝夕の勤め人の銀輪部隊は、北京名物として壮観であった。皮肉なことだが、中国が一大車社会になった今日、デンマーク、フランスをはじめとして、自転車の効用が再認識されはじめた。中国もかつての銀輪部隊の復興こそ、北京の環境保全と石油エネルギーの節約に多大の成果が期待されると思うのだが、如何なものだろうか。 |