「たばこ一箱1000円、タバコ1箱1000円」その31 [2008年07月06日(日)]
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「たばこ一箱1000円、タバコ1箱1000円」その31 ―日本経済新聞社・社説「たばこ一箱500円ならいかが」を読む― 「たばこ一箱1000円」がほとんどのマスコミで取り上げられ、国民レベルで税金や健康問題の議論が活発化したことは問題提起者として望外のことである。 読者ご高承の通り、全ての議論は「たばこ一箱1000円」で沸騰している。1000円という数字が象徴的であり、喫煙派と禁煙派、そして喫煙派の中の絶対継続派、本数減継続派、この際禁煙と、さまざまな議論を呼んでいる。 いずれ出ると予測していた「足して2で割る500円説」がとうとう出た。私は新聞の社説などあまり読んだことはないが、たまたま目に入った。 別紙は日本経済新聞6月18日付朝刊の社説である。社説は元来、社会の木鐸として新聞社の公式見解であり、論調は明解にして、見出しも命令調や断定型が多い。 しかし、この社説の見出しは「たばこ一箱500円ならいかが」と読者に伺いをたてている。内容はどこかの省庁の応援団のようで誠に歯切れが悪い。 「喫煙者は今や社会的に弱い立場にある。だから増税しやすい発想があるなら、それはイジメに近い。他人に迷惑をかけず喫煙する人の権利も考える必要がある。マイルドセブン一箱まずは500円でどうだろう」とある。 これは日本経済新聞社の社説というよりどこかの省庁の代弁と思われても仕方ない。毎日新聞6月17日付夕刊「足して2で割るな」と読み比べてもらいたい。公平を期するために全文を下記に披露する。 =============================================================== 「たばこ一箱500円ならいかが」 6月18日 日本経済新聞「社説」 病気の予防や税収拡大のため、たばこ税を引き上げようという議論が高まっている。増税により一箱300円のマイルドセブンなら千円にするための議員連盟も生まれた。 喫煙者は今や社会的に弱い立場にある。だから増税をしやすいという発想があるなら、それはイジメに近い。一気に一箱千円にするというのも愛煙者に厳しいかもしれない。 とはいえ、喫煙者だけでなく周りの人の健康被害も考えると、増税による禁煙の応援は必要だ。私たちは2年前のたばこ増税の前に、早くから増税の主張をした。今回も、一箱500円程度になるような増税なら、やむをえないと考える。 たばこの煙は約200種類の有害物質を含み、肺気腫や肺がん、心臓疾病の原因になるが、やめられない人はなお多い。男性の喫煙率は40%弱で、米国(同24%)や英国(同27%)を大きく上回る。 原因はやはり値段の安さにある。財務省によると、英国では20本入り一箱が1297円(うち、たばこ税などが802円)、米ニューヨーク市は759円(同396円)。174円という日本のたばこ関係税は著しく低い。 これは日本たばこ産業や葉タバコ農家、販売店への政治的配慮が働いてきたためだ。最近、政治家から増税論が出てきたのは、来年度の消費税増税を避ける狙いがある。 年金制度改革により来年度から国庫負担の拡大が決まっている。消費税1%相当分の必要財源、約2兆3千億円をほかから調達しようとすればたばこ税しかないというわけだ。 国と地方のたばこ関係税の税収は今年度見通しで2兆2千億円。「一箱千円」が実現し、需要があまり落ちなければ、増収効果は8兆円以上、と議員らは期待する。 だが大幅に増税すれば喫煙者が減って税収はいずれ減るかもしれない。消費税増税までの「つなぎ」としてならともかく、年金の安定財源としてたばこ税に期待するのは無理がある。年金財源問題とは基本的に切り離して考えるべきだ。また他人に迷惑をかけず喫煙する人の権利も考える必要がある。 マイルドセブン一箱、まず500円でどうだろう。増収効果は2兆4千億円程度である。 足して2で割るな 6月12日 毎日新聞朝刊 たばこを増税し、1箱(20本)300円ぐらいから1000円に値上げしようと政治家が言い出した。パリのカフェも今年から屋内禁煙になったし、いよいよ年貢の納め時かなと観念しかけたが、何か釈然としない。 喫煙室で同僚に聞いてみた。海外取材の多い男性記者は「欧米では当たり前だから」と意に介さない様子。女性記者の1人は「一気に1000円なら禁煙を考えるが、中途半端な値上げはずるい。優良な納税者に対する敬意が必要よ」と鋭い。 たばこと塩の博物館(東京・渋谷)によると、たばこの伝来は江戸初期だ。当初は薬用で、種も一緒に幕府に献上されたという。しかし、国内栽培が始まると、農家に直接売買の機運が生まれる。年貢を納めさせる税制の崩壊を危惧した幕府は売買・耕作禁止のおふれを何度も出した。税とたばこの因果はこの辺が原点らしい。 政治信念で1000円にするのなら真剣に向き合う。「足して2で割って600円」などと決心がにぶるようなことなら勘弁願いたい。【因幡健悦】 |










