日本財団 新年度挨拶 [2008年04月15日(火)]
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※4月2日に日本財団の役職員に対し、新年度の挨拶をいたしましたので、その内容を掲載いたします。
「日本財団・新年度挨拶」 2008年4月2日 11:00 日本財団ビル2階会議室 5人の素晴らしい若者と、東京都と横浜市の教育委員会から一年間、研修のために2人の教諭をお迎えしました。1日も早く財団に溶け込んでいただけるよう皆様の協力をお願いします。 皆様には機会あるごとに日本財団の戦略について説明してきました。先日、日本財団の事業評価をしているR&D社のインタビューを受けました。 そのときに日本財団をどのような方向に導こうとしているのかビジョンを示して欲しいといわれ、話したところ、職員のインタビューではそのような話はなかった。職員に会長の意志が伝わっていないのは問題ではないかと問われました。 私は金太郎飴のように私の考えを全ての職員が同じような切り口で、またはオウム返しで理解するという硬直した姿勢を決して好ましいとは思っていません。そのため、職員が理解をしていないということに悲観しているわけではありません。しかし、少しくらいは理解していた方が共に仕事をしている立場では良いのではないかという気が致します。 従来、世のため、人のための仕事は政府や役所が行うものと理解されてきました。国民は税金を納め、あとは国家や行政が責任をもって仕事をしてくれると思ってきたのです。 しかし私たちは、問題提起というか、何故、民が公の仕事をしてはいけないのか、民が公の仕事をすればどのようなことができるのかということを立証したいということで、長年努力をしてきたわけです。 そして、今や日本財団は日本では唯一最大規模の民が公の仕事をする組織体であります。この成果の評価については、国民にその判断をゆだねなければなりません。 今日、国のできる仕事には財政的に限りがあります。また地方においては、財政破綻の状況にある自治体が多くあります。限られた予算で日本国を運営していくには既に限度がきています。 社会保障その他にしても破綻の一歩手前という中で、日本国は果たしてこのままで良いのかということを考えれば、当然、国民の力でこの国を良くしなければならないわけです。残念ながら戦争に敗れて以来、憲法も自由も民主主義もあらゆるものが国から与えられてきました。 そのような社会に私たちは慣れ親しんできたため、国民が自主的に何をすべきか、自ら何ができるのかということに対する視点も責務も努力も怠ってきました。そのつけが社会のいたるところで歪として出てきているわけです。 このような問題に対し、私たちの持つノウハウと限られたお金を活用することで国民を覚醒させ、そして自分たちの国やコミュニティは自分たちで守るという意志や行動を引き出していくことが日本財団に与えられた基本的な使命であります。 年間300億円弱のお金ですので、あれもこれもできるわけではありませんが、少なくとも世の中を変えていくための引き金になる十分なお金です。このお金を最大限に活用することによって、世の中に変化をもたらすことは十分に可能だと思います。 財団の活動の基本である「七つの鍵」(注・下記参照)を見ていただければ、どのような手法を講じるかは理解できるのではないでしょうか。 ここに集う私をはじめ全ての職員が、常に社会全般について、あるいは世界に広く問題意識を持って立ち向うことが大切なことです。組織に入って仕事が与えられると、その分野の中でのルーティンワークにとらわれてしまい、ともすれば広く世間を見るという視点が欠けてしまいます。 私たちは常にその危険性について考えていかなければならないわけです。そして、問題意識と物事に対する強い好奇心を持つことが、世の中の問題についての理解にもつながるわけです。これは世の中を変える一つのきっかけになるということです。 日本財団は今までも数多くの問題について、世の中に変化をもたらせてきたと私たちは自負しています。私たちに課せられた使命というのは、大変大きく、やりがいがある仕事です。 世のため、人のために民の立場から活動できることは、すなわち自分のためでもあります。 社会活動のできる組織に職を得たということは、私たちの人生にとって大変充実したものになるのではないかと私は理解しています。 もちろん製造会社に勤めるなど、さまざまなビジネスに就くことも大切なことでしょうが、私たちは志を持って、毎日の仕事に研鑽しなければならない職場にいるのです。 100人足らずの集団というのは、物事を機動的に、かつ素早く柔軟に対応できる理想的な人数です。さまざまな組織の変更や改革も行ってきました。 火曜日には職員と直接意見を交換できる場も作ってきました。とにかく100人がコミュニケーションをよくして、討論し、より良いアイディアを作り出し、それを仕事に反映させていく必要があります。 遠慮することはありませんので、他の部署の人にも相談してほしいと思います。組織もグループ方式に変わりました。今年度は職員に年俸制を導入したいと考えています。 これは仕事がしにくくなるのではなく、仕事の成果をより具体的に理解できる方式に変えていく必要があるからです。世の中が変化する中で、私たちの組織のあり方も方法論も全て大胆に変化させていく必要があります。 私たちの組織は助成財団と同時に過去を振り返ればわかるように、社会問題を解決するための組織も自ら作ってきました。私たちが問題意識を持ってつくった組織の評価は高いものがあります。 日頃、申請書を見るだけでなく、私たち自身が気づいた問題を私たち自身で組織化し解決していくという手法に力点を置くことも重要です。よって100人の人間の知恵と努力によって物事は決まっていくといわざるを得ないわけです。 一人ひとりが資質を磨いていくという努力を日常的に積み重ねていかなければ、この財団の将来に面白くない事態が起こる可能性もあります。 日本の社会や世界が日本財団に注目をしている現在、責任の重さを一人ひとりが背負っていただき日常業務に励むことで、さらに輝かしい日本財団になるのみではなく、大きな社会変化を生む呼び水、そしてトリガーの役割を果たせるのではないかと期待しています。 この1年も大いに議論し、意見を交わし、より良いプログラムをつくり、世の中の人に問いかけていきたいと願っています。 −『七つの鍵』− (注) 1.あまねく平等にではなく、優先順位を持って、深く、且つ、きめ細かく対応すること 2.前例にこだわることなく、新たな創造に取り組むこと 3.失敗を恐れずにすみやかに行動すること 4.社会に対して常にオープンで透明であること 5.絶えず自らを評価し、自らを教育すること 6.新しい変化の兆しをいち早く見つけて、それへの対応をすること 7.世界中に良き人脈を開拓すること |










