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日本財団会長 笹川陽平ブログ

写真:ハンセン病の現場から「アフリカ・ピグミー族」

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「アメリカ出張」 [2017年01月18日(Wed)]
「アメリカ出張」


明日1月19日より、アメリカ・ワシントンDCに出張、第45代ドナルド・ジョン・トランプ大統領就任式に出席します。

帰国は22日です。


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「福島放射線と健康問題」その2―現実化しつつある5年前の杞憂― [2017年01月18日(Wed)]
「福島放射線と健康問題」その2
―現実化しつつある5年前の杞憂―


前回のブログでも触れたが、私は東日本大震災が起きた2011年末、産経新聞の「正論」欄で、1ミリシーベルト以上を除染の対象とした国の方針について「実現可能な数字なのか」と疑問を投げ掛けた経過がある。

さしたる反響を呼ばなかったのは、放射能に対する恐怖が極限に達した当時の状況の中で止むを得ない面もあったが、実はこの問題、福島原発事故から5年以上経過した現在も8万人を超す被災者が帰還できず、復興が大きく遅れる一因になっている。

昨年2月には、丸川珠代環境大臣(当時)が講演先で「1ミリシーベルトは誤り」、「民主党の政策の失敗」と発言したのに対し、1ミリシーベルト決定当時、民主党政権で環境大臣だった細野豪志衆院議員(民進党)が後日、衆院予算委員会で激しく抗議するなど、政治判断の当否・責任をめぐる論争もいまだに続いている。

決定に先立ち当時の内閣府の有識者会議には、「当面20ミリシーベルトを目標に除染を進め、長期的に1ミリシーベルトを目指す」とする雰囲気が強かった。国際放射線防護委員会(ICRP)が、一般人が平常時に受ける放射線量の限度を、自然放射能や医療での被ばくを除いて1ミリシーベルトとする一方、事故発生など緊急時の目安を「年間20〜100ミリシーベルト」としたのを受けた考えとみられるが、1ミリシーベルトを強く求める福島県内の市町村議会など地元の反対で結局1ミリシーベルトになった。

放射能に対する住民の恐怖は当然で、その声に政治が押し切られたのも当時の混乱からすれば、理解できないわけではない。残念なのは、当のICRPのメンバーもその年(2011年)9月に福島で行われた第1回の国際専門家会議に参加、「チェルノブイリに比べ福島の被ばく線量は低く、このレベルでリスクはない」、「1ミリシーベルトの除染は無意味」といった指摘をしていたのに、こうした見解が広く共有されなかった点だ。

除染作業は表土や樹木を集めて捨て、家屋を洗い流して進められる。膨大な堆積物の中間貯蔵施設の整備も遅れてり、世界平均で2.4ミリシーベルト、日本平均で2.1ミリシーベルトに上るとされる自然放射能の存在を考えると、1ミリシーベルトの除染が完了する目途は全く見えてこない。

膨大な除染対策費が一部の建設業者を潤すことはあっても、福島県や福島の農産物に対する偏見・差別はなくならず、被災者の帰還は遅れ、避難先での災害関連死もさらに増える。「正論」での指摘が現実となりつつある現実を憂慮する。

除染の基準は見直すべきである。今からでも遅くはないはずだ。それが政治の責任と思う。参考までに当時の拙稿を掲載し、ご批判を仰ぎたい。

**************


2011年12月19日掲載
【正論】日本財団会長・笹川陽平 
1ミリシーベルトは実現可能な数字なのか

2011年11月29日
産経新聞 東京朝刊

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 「福島の状況はチェルノブイリに比べ限定的で被曝(ひばく)線量も低く、怖がる必要は全くない」、「福島の子供たちの甲状腺での線量は低く、このレベルで何らかのリスクがあったケースはない」−。日本財団がこの9月、福島県立医科大で開催した「放射線と健康リスク」に関する国際会議に出席した内外第一線の専門家は、2時間を超す長時間記者会見でこう言い切った。

 ◆チェルノブイリとは違う
 2日間にわたる会議では、全県民を対象に福島県が実施する健康調査の重要性や政府と地方自治体、国際機関などによるタスクフォースの設置など8項目を内容とする「結論と提言」をまとめ、会議を後援した政府にも提出した。

 日本財団では1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の後、20万人を超す子供の国際調査を10年以上支援。会議は、この中で培われた世界保健機関(WHO)や国際原子力機関(IAEA)、国際放射線防護委員会(ICRP)など専門機関とのネットワークを利用して実現し、両事故の違いが会議の焦点のひとつとなった。

 チェルノブイリ事故では大爆発した炉が2週間にわたって燃え続け、ロシア、ウクライナ、ベラルーシを中心に広大な地域に放射性物質が飛び散った。自身も被災者であるウクライナ医学アカデミーのチュマック博士は「福島の状況はチェルノブイリとかなり違う」とした上で、避難を余儀なくされた場合の悲惨さとストレスを指摘、「住民が福島を離れるのは害の方が大きい」と語るなど、冒頭の見解が大勢を占めた。

 ◆遠のく故郷に戻る道
 前置きが長くなったが、私はかねて、正反対と言っていいほどに開きがある難解な原発論議の現状が国民の不安を助長し、国や行政の選択肢を狭める結果になるのを危惧してきた。環境省が先に打ち出した除染の基本方針を見ると、この懸念が現実になった気がする。環境省はこの中で、年間の被曝線量が20ミリシーベルトを超える地域を「特別除染地域」に指定し国が除染を行う一方、20ミリシーベルト以下〜1ミリシーベルト以上の地域は自治体が除染を行い国が財政支援する、とした。当初、5ミリシーベルト以上を下限としていたが、自治体や住民の反対で1ミリシーベルト以上に広げたという。

 果たして1ミリシーベルトが実現可能な数字だろうか。国が除染の対象とした以上、誰もがこの数字を安全性の基準と見る。作業が遅れれば不安が広がり、環境省がいくら年20ミリシーベルト以下の地域の避難は不要と呼び掛けても被災者が故郷に戻る道は遠のく。

 除染が不要と言っているのではない。しかし、除染にはただでさえ気が遠くなるような時間がかかる。チェルノブイリの除染作業は2065年の完了を目標に現在も続けられている。5ミリシーベルト以下から1ミリシーベルト以下にしたことで、福島県内に限られた対象地域は周辺の栃木や茨城、群馬、千葉にも広がる。莫大(ばくだい)な費用を見通すのも難しく、作業を担う自治体や住民の負担も重くなる。

 福島大が東電福島第1原発の周辺8町村の全世帯を対象に行ったアンケートで、回答を寄せた人の4分の1以上、34歳以下では過半数が「自宅に戻らない」と答え、その理由(複数回答)として8割以上が「除染が困難」を挙げるなど、住民が除染の難しさを先取りしている面もある。

 ◆福島で住民と向き合え
 加えて、年1ミリシーベルトとなると世界平均で年2.4ミリシーベルトとされる自然放射線との兼ね合いも出てくる。国際会議でもICRPのゴンザレス副委員長はインドをはじめ世界各地に高い放射線を発する地域がある点を指摘、「年20ミリシーベルトは危険な数字ではない」と語った。

 今は平時ではない。依然、非常事態が続いている。1ミリシーベルトは平時の目標値であり得ても、非常時の選択としてはあまりに実現困難な数字ではないのか。当初の5ミリシーベルトならともかく、1ミリシーベルトに広げたことで、復興への道のりが見えなくなったような気さえする。英紙フィナンシャル・タイムズも11月10日付の特集で、仏核物理学者の見解として、住民が避難すべき基準を年10ミリシーベルト以上とするとともに1ミリシーベルトを「非現実的」と指摘した。

 世界では多くの国が今後も原発を必要とし、老朽化が目立つ施設も多い。広島、長崎の原爆に加え、原発事故も経験した日本がこの危機をどう乗り越えるか、世界は注目している。その経験と教訓は世界の共有財産ともなる。

 事態を前進させるには、学者・専門家が広島、長崎やチェルノブイリのデータを基に「信頼のおける統一見解」を示すことで、国民の不安を少しでも緩和するしかない。会議では「自分たち科学者は住民が分かるようなコミュニケーションがうまくない」との反省の言葉も出た。専門家は今こそ被災地に入り分かりやすい言葉で住民の疑問に直接答えるべきである。

 住民が不安から故郷を離れるのは原発事故の最大の悲劇である。福島県民の絆を保つためにも国、自治体、専門家は一致して協力する必要がある。
(ささかわ ようへい)

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1月17日(火) [2017年01月17日(Tue)]
1月17日(火)

7:25 財団着

9:30 辰巳雅世子 笹川中東イスラム基金室室長

11:00 イギリス里親支援機関
    コアアセット ジム・コックバーン会長

17.01.17 イギリス コックバーン会長.JPG
笹川の右側がジム・コックバーン会長


12:00 米澤 敬 工作舎編集長

13:00 グローバルアピール スピーチ打合せ

15:30 前原誠司 衆議院議員 

16:00 韓国 沈炯来監督 
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1月16日(月) [2017年01月16日(Mon)]
1月16日(月)

7:20 財団着

11:50 渡邉秀央 日本ミャンマー協会会長

13:00 国際青年会議所会長との面談打合せ

13:30 石川裕己 海上保安協会会長

14:00 黒野匡彦 運輸総合研究所会長

15:00 ラジェンドラ・シン インド沿岸警備隊長官

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ラジェンドラ・シン インド沿岸警備隊長官


18:00 小高幹雄 ボートレース振興会
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「福島放射線と健康問題」その1―竜頭蛇尾の報道― [2017年01月16日(Mon)]
「福島放射線と健康問題」その1
―竜頭蛇尾の報道―


東日本大震災での福島第一原発事故(2011年3月11日)を受けて始まった「放射線と健康についての福島専門家会議」の第5回会議を昨年9月26、27の両日、福島市で開催した。「福島における甲状腺課題の解決に向けて〜チェルノブイリ30周年の教訓を福島原発事故5年に活かす〜」と題した会議には国際原子力機関(IAEA)や世界保健機関(WHO)、福島県立医科大など内外の専門家24人が参加、会議後の討議を経て提言をまとめ、12月9日、内堀雅雄・福島県知事に提出した。

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「第5回放射線と健康についての福島国際専門家会議」開会式で挨拶

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記者会見では多くの質問がなされた

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昨年12月9日、福島県知事に提言書を提出


一つの節目を迎え、これまでの経過を振り返ると、原発問題の難しさ、根深さを改めて痛感する。福島原発事故は、日本人が信じていた原発安全神話を打ち砕いたばかりか、広島、長崎の原爆体験も結びつき、多くの国民が恐れ戦(おのの)く事態となった。

深刻な事態と放射線の恐怖を強調する報道の前に時の政府は無策であった。そこで私は、山下俊一教授(長崎大学副学長兼福島県立医科大学副学長)と連絡を取り、事故発生6ヶ月後の9月11日、世界的な放射線専門家32人を招聘して福島市で第1回の福島専門家会議を開催した。

というのも日本財団は、チェルノブイリ原発事故(1986年)後、当時のソビエト連邦最高指導者ゴルバチョフ氏の依頼を受け10年間にわたり救援活動に取り組み、最新の診療器具と医療技術を駆使して村々を廻わる診療から数百人に上る放射線専門医の養成まで幅広い貢献をした。この第一線で獅子奮迅の活躍をされたのが山下教授で、放射線と健康問題にもっとも精通した学者でもあった。

第1回の会議では、終了後、メディア関係者だけでなく、不安を募らせる県民に少しでも正しい情報を伝えるために、時間無制限で記者会見を行うことで関係者の了解を取り、極力、難解な用語を避け、3時間半にわたって懇切丁寧に説明してもらった。

弟の死の翌日、悲しみをものともせず出席してくれたチリのゴンザレス博士が、「福島の悲劇は放射線ではない。これが原因で故郷を離れ、友人、知人、そして家族と離れ離れになることこそ最大の悲劇である」と発言されたのを、今も鮮明に記憶している。

福島原発事故では、行政や関係者の努力もあって、汚染された食物が体内に入る内部被爆はゼロ。外部被害も、チェルノブイリはもちろん、インド・ケララ州の自然放射線量20ミリシーベルトや、1回で10ミリシーベルトを超えることもある医療現場のCTスキャンに比べ低い。にもかかわらず現実には、ゴンザレス博士が心配された通り、多くの人が故郷を捨てた。

私は第1回の会議の結論を基に2011年11月29日付けの産経新聞「正論」欄で、「福島の状況はチェルノブイリに比べ限定的で被爆線量も低く怖がる必要は全くない」との専門家の結論を紹介、「1ミリシーベルト以上を除染作業の対象とするのは非現実的」と指摘した。しかし反応はほとんどなく、「福島で被爆した人が北海道で甲状腺ガンを発病した」と大大的に報道した全国紙もあった。

5回目となった昨年の国際会議でも議論は5年前と同様、住民の健康問題、とりわけ放射線と甲状腺ガンの関係が中心となった。本稿では後段に提言内容を掲載したが、私が内堀知事に説明した内容を先に記させてもらった。放射線の恐怖に対し、今も多くの県民がさまざまな精神的ダメージを抱えている。その思いを少しでも低減させるためにも、まずは、多くの国際的専門家の見解(提言内容)をそのまま伝えてほしかった。

事件発生直後、あれだけ大きく報道された問題である。仮に提言内容に問題があるということなら、その旨を記事に盛り込んでもらったらいい。その方が、県民が問題の本質を理解する上でも役立つ。しかし現実には、福島の地元紙やテレビ、全国紙の地域版以外ではほとんど報道されなかった。本稿の副題を「竜頭蛇尾の報道」としたのはそのためだ。

▼内堀知事への筆者の説明内容は以下の通り。

1) 提言は、会議に参加された国内外の専門家の科学的知見に基づいて作成され、参加された先生方が何回も推敲を重ねて作成したものである。
2) 福島事故による一般住民の被ばく線量はチェルノブイリ事故に比べてはるかに低いことが実証されている。
3) 福島における甲状腺異常の高い頻度は、高性能な超音波診断機器を導入したことによる集団検診効果のあらわれである。
4) 甲状腺異常の高い頻度は、福島第一原発事故に起因するとは考えられない。
5) 同様な検査方法で、小児を対象にした調査が青森、山梨、長崎の3県で行われたが、結果は福島と同様であった。
6) 喫緊の課題は、甲状腺異常という診断名により、検査対象者に精神的なストレスが生じ、精神衛生状態や生活の質への悪影響が懸念されることである。検診プログラムについてのリスクと便益を評価する研究を行うことが今後の参考となろう。

「将来に向けて」

1)甲状腺超音波検査の今後については地域の利害関係者の課題であり、リスクと便益などを分析し考慮することが必要である。
2)検査は自主参加を原則とするべきである。
3) なぜ検査が行われているのかについての明確なコミュニケーションが検査対象者との間に行われる必要がある。同時に検査を受ける人が偏見や差別を受けないように検査を受けない一般住民に対しても良質なコミュニケーションが必要である。
4) 国際機関と国内組織との協力体制が強化され、課題解決に生かされるべきである。
5) 原子力災害後の健康モニタリングのあり方、特に、甲状腺の課題解決を図るために専門作業部会を立ち上げるべきである。

*****************


提言

第5回放射線と健康についての福島国際専門家会議
「福島における甲状腺課題の解決に向けて〜チェルノブイリ30周年の教訓を
福島原発事故5年に活かす〜」

■ 背景
第1回と第3回の福島国際専門家会議に引き続き、日本財団の主催、福島県立医科大学、長崎大学、笹川記念保健協力財団の共催によって、第5回会議が 2016年9月26日と27日の両日福島市で開催された。会議の主題は、1986 年に起きたチェルノブイリ事故から30 年間にわたって蓄積された知識を活かし、『福島への教訓とその甲状腺課題の解決』とした。
東日本大地震、津波、そして福島第一原発事故は、社会のつながりを崩壊させ、放射線被ばくによるリスクへの不安を引き起した。この不安は、健康と福祉において深刻な影響を与えている。これらの事象を受けて、福島県は福島県民健康調査事業を開始した。本事業は住民の不安に対して、長期に健康を見守るための科学的な調査を基本としている。本調査事業はいくつかの構成項目からなり、個人被ばく線量の推計、精神・身体の健康調査、妊娠と出産ケアに関する調査が含まれている。その調査の一つに甲状腺超音波検査が含まれ、2011年10月から開始され、事故当時 0〜18 歳の小児を対象にすでに 30万人が検査を受けている。本会議では、この甲状腺超音波検査結果が中心テーマであった。

■ 会議の要約
会議では、環境中に放出された放射性物質の量と、事故の進展とその影響の観点から、福島事故はチェルノブイリとは大きく異なることが認識された。福島事故による一般住民の甲状腺被ばく線量は、チェルノブイリ事故に比べてはるかに低い量にとどまっている。甲状腺超音波検査の結果についても、甲状腺がんを含む甲状腺異常の頻度は検査対象集団の中では増加しているが、これはスクリーニング(検診)効果と呼ばれるものである。福島におけるこの明らかな甲状腺異常の増加は、高性能な超音波診断機器を導入したために引き起された集団検診効果であると考えられる。放射線誘発甲状腺がんに関するこれまで 2 の証左と現在の知見からは、この甲状腺がんの明らかな増加が、福島第一原発事故に起因するとは考えられない。
事実、甲状腺超音波検査においては、高感度の超音波診断機器を用いるため、 通常の検査では発見されない無症状の小児にも、結節、嚢胞、がんなどの所見を見出してしまうが、これは検査をしなければ見つからなかったであろうと言える。すなわち、甲状腺異常の増加は、放射線被ばくの影響ではなく、検診効果によると結論づけることを支持する数多くの状況証拠が、下記のように存在する。
※事故の影響から遠くに住む国内の小児を対象とし、同様な検診が実施されているが、福島と同様な結果であった。
※放射線誘発甲状腺がんの潜伏期は、事故後から発見までに長い時間経過を有する。
※チェルノブイリ事故の経験が示唆するものは、放射線被曝による甲状腺がんの増加は、まず事故時に非常に若い年齢(ゼロ歳から4歳)であった児童に発見されるということである。したがって、もし放射線被曝が甲状腺がんの増加を起こしているのであれば、症例の増加はまず、甲状腺超音波検査を受けた中でも年少の児童にみられるはずである。しかし、そのような事実はない。現在にいたるまで、甲状腺がんの症例の多くは、小児とはいえ10 代後半が大半であり、最も放射線の感受性が高い低年齢層でのがん発見は無い。
※甲状腺がんやその疑い症例の頻度は、福島県全域においてほぼ同じである。更に世界の趨勢として、他の集団における甲状腺超音波検査による検診が、明らかに甲状腺がんの頻度(発見率)の増加をもたらす結果となっている。しかしながら、他の国での集団検診が甲状腺がん死亡率の低下には繋がっていない事より、発見された甲状腺がんのうちごく少数のみが予後不良な経過をとる可能性が示唆される。これに対して、甲状腺がんそのものより、手術や放射線ヨウ素治療との併用療法の方が、より高いリスクを有するかもしれない。しかも、 甲状腺異常と診断されることにより、検査対象者への精神的なストレスが生じ、 それに比例して、精神衛生状態や生活の質への悪影響が引き起されていること が喫緊の課題である。従って、甲状腺異常を有するかもしれないが、無症状の対象集団に対しては、便益よりもむしろ不利益が大きい可能性があり、明らか に利益があると考えられる限られた対象集団に対してのみ、甲状腺超音波検査を行なうべきである。検診プログラムについてのリスクと便益、そして費用対3効果を評価する研究が、将来の本プログラムに関する意思決定の助けとなろう。

■ 将来への提言
1)福島県民健康調査事業、特に甲状腺超音波検査の今後については、地域のステークホルダー(利害関係者)、すなわち直接その決定によって影響を受ける関係者の課題である。甲状腺検診プログラムは、個人と集団全体のリスクと便益、公衆衛生上の人的ならびにその他の資源の需要、他の国々の同様なプログラムなどの分析を考慮した上で決定されなければならない。健康調査と甲状腺検診プログラムは自主参加であるべきである。
2)甲状腺異常が発見された場合の対応や治療方法も含めて、将来起こり得る予後とリスクについて、何故検査が行なわれているのかについての明確なコミュニュケーションを行うことが、検診を受ける対象者とその家族には 不可欠である。これは、現在実施中の検査の一部として、顔の見える関係でなされるべきである。このコミュニュケーション戦略を支えるネットワ ークづくりと合わせて、訓練を受けた人材、すなわち事情を理解した参加者、実施者、医療専門家が、それぞれより多く必要となる。この調査に参加している人たちが、偏見や差別を受けないように、検査を受けない一般住民とのコミュニケーションについても改善策が必要である。
3)放射線と健康問題に関する国際機関の豊富な経験に照らし合せ、WHO(世界保健機関)、IAEA(国際原子力機関)、ICRP(国際放射線防護委員会)、NCRP(米国国立放射線防護審議会)、UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)そして IARC(国際がん研究機関)などの機関との国際協力が重要である。福島の経験を国際社会と共有するために、国際機関と国内組織との共同事業が奨励され、強化されるべきである。
4)福島県は、国内外の関係機関と協力し、過去と現在において学んでいる教訓から、如何に最善の対応策を生み出せるかを熟考することで、これら関 係機関と強靭で調和のとれた協力関係を長期にわたり効果的に続けること ができる。 一つの可能性として、福島原発事故の健康影響の低減と健康モニタリングに関する課題を取上げる専門作業部会の招集がある。専門作業 部会の一つとして、「原子力災害と健康モニタリング」が考えられ、特に、 甲状腺問題に焦点を絞ることで、現在の福島における甲状腺超音波検査の将来について、専門的な提言を提供できる可能性がある。この国際的な合4意は、政府や福島県、県内市町村、被災した地域の住民代表などすべての 利害関係者と共有され、現在の甲状腺超音波検査プログラムの改善につなげるべきである。

2016年10月31日
(原文英語)

■ 第5 回福島国際専門家会議組織員会(代表)
笹川陽平:日本財団会長(委員長)
喜多悦子:笹川記念保健協力財団理事長
丹羽太貫:放射線影響研究所理事長
山下俊一:長崎大学理事・副学長
Jacques Lochard:国際放射線防護委員会副委員長
Geraldine Anne Thomas:インペリアル・カレッジ・ロンドン教授

■ 提言作成会議で協議した招聘専門家
Zhanat Carr:世界保健機関
(World Health Organization)
Wolfgang Weiss:ドイツ連邦放射線防護局
(Federal Office for Radiation Protection, Germany)
Christoph Reiners:ビュルツブルグ大学
(University of Wurzburg, Germany)
Christopher Clement:国際放射線防護委員会
(International Commission on Radiological Protection)
John Boice:米国国立放射線防護審議会
(National Council on Radiation Protection and Measurements, US)
Abel Gonzalez:アルゼンチン原子力規制委員会
(Argentine Nuclear Regulatory Commission, Argentina)
Malcolm Crick:原子放射線の影響に関する国連科学委員会事務局
(United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic
Radiation)事務局長
Ausrele Kisminiene:国際がん研究機関
(International Agency for Research on Cancer)
長瀧重信:長崎大学名誉教授

■ 本提言づくりに参加した組織委員会委員および専門家は、必ずしもそれぞれの所属する組織の決定や政策、あるいは見解を代表するものではなく、専門家の立場とその責任の下で貢献したものである。


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1月13日(金) [2017年01月13日(Fri)]
1月13日(金)

7:20 財団着

9:00 中澤 武 国際海事大学連合事務局長

10:00 クレオパトラ・ダンビア・ヘンリー 世界海事大学学長  

13:00-1:30 佐藤可士和 クリエイティブディレクター

15:00 ライター 置塩 文様
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「中国の小話」その107―災い転じて福となす― [2017年01月13日(Fri)]
「中国の小話」その107
―災い転じて福となす―


最近、河南省の許昌市で、乱闘事件で公安に捕まった若者がいた。

彼は人口政策の厳しい時代に計画出産の枠外で生まれたので、戸籍登録ができず、政府が国民に配った身分証も持っていなかった。

公安は、まず彼の両親の身分証を参考にして彼に身分証の番号を割り当て、骨などを鑑定した結果、彼は18歳未満の未成年者であることが判明。裁判の結果、1年の実刑を言い渡されて刑務所で刑に服した。

公安は彼の身分証番号を使って、刑務所に彼の戸籍を登録した。

息子の話を聞いて彼の父親は、「私は15年間、死にもの狂いで頑張ったが、息子の戸籍登録を実現できなかった。それなのに息子は自力で、たった一回の喧嘩で、如何にも簡単に難しい戸籍登録を実現した」と、感無量で涙を流したという。

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1月12日(木) [2017年01月12日(Thu)]
1月12日(木)

7:20 財団着

10:00 太田英昭 産経新聞会長 

12:00 羽田発

13:10 伊丹着

16:00 平成29年度ボートレース新春市長会

19:30 新大阪発  

22:03 東京着
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1月11日(水) [2017年01月11日(Wed)]
1月11日(水)

7:20 財団着

7:30 伊東高廣 ボートレース振興会常務理事

8:00 鳥海美朗 日本財団アドバイザー

9:00 2017年度助成事業打合せ

10:00 于 展 笹川日中友好基金事業室特任室長

11:00 伊勢彦信 イセ文化基金代表理事

11:30 山田祐作 下関ボートレース企業局局長

14:00 インド出張打合せ

15:00 浅野直広 テレビマンユニオン・プロデューサー
        
16:00 甲斐正彰 内閣官房総合海洋政策本部事務局長
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産経新聞【正論】年頭にあたり 大いなる楽観が国の将来を開く [2017年01月11日(Wed)]
年頭にあたり 大いなる楽観が国の将来を開く


産経新聞【正論】
2017年1月6日


 ≪確実に増える未来志向の若者≫
 私はかねて、日本の現状や将来を悲観的に見る知識人の考えに疑問を持ってきた。多くの課題を抱えているとはいえ、日本は世界で最も豊かで安定した国であり、何よりも素晴らしい未来志向を持った若者が確実に増えてきているからだ。

 確かに現状では、将来を悲観的に見る若者の方が圧倒的に多い。内閣府が2013年、日本を含めた7カ国の13〜29歳の男女を対象に行った意識調査でも、自分の将来に「希望がある」と答えた日本の若者はわずかに12.2%。2番目に低かったフランスの半分、最も高かった米国の4分の1以下で、「どちらかといえば希望がある」を加えた数字も各国と20〜30ポイントの開きがあった。

 背景には少子高齢化や地方の過疎化、国債や借入金など国内総生産(GDP)の約2倍、1050兆円にも上る国の借金など不安要因の増加がある。毎年1兆円近い社会保障費の膨張が年金や医療制度の将来に不安を投げ掛けている点も見逃せない。

 世界の富の半分をわずか1%の富裕層が独占するとされる中、「平等社会」といわれた日本でも格差は拡大傾向にあり、われわれが行った調査では子供の6人に1人が貧困状態にあり、このまま放置した場合、生涯の社会的損失は42兆円に上ると推計されている。

 しかし事態は、先の見えない混乱が続く中東は別にしても、移民問題などで「極右」勢力が台頭する欧州連合(EU)や大統領選で世論が大きく割れた米国などの方がはるかに深刻である。

 ≪内向きと決めつけるのは早い≫
 だから日本の未来の方が明るいと言うのではない。私が、わが国の未来に希望を持つのは、近年の若者世代の新たな変化に期待してのことだ。厚生労働省の調査によると、大卒者の就労3年以内の離職率は3割にも上っている。

 仕事で全国各地を回り、ボランティア活動などに取り組む若者と話すと「普通に生活できるのであれば、社会に役立っていると実感できる仕事にかわりたい」と語る若者が驚くほど増えているのを実感する。「一流大学を出て一流会社に就職する」といった若者の価値観は確実に変化し始めている。

 昨年9月に都内で開催した「ソーシャルイノベーションフォーラム」にも全国から2千人を超す若者が詰め掛け、人口減少など、この国の将来について3日間にわたり熱い議論を行った。

 自民党青年局長を務めた小泉進次郎衆院議員も出席、「悲観的な考えしか持てない人口1億2千万人の国より、将来を楽観し自信に満ちた人口6千万人の国の方が、成功事例を生み出せるのではないか」と語り、会場から拍手が起きた。

 わが国は戦後、一貫して行政主導で発展してきた。しかし社会が複雑多様化する中、国や自治体だけであらゆる課題に対応するのはもはや、不可能。行政の側にも若者を中心とした「民」との協力を模索する動きが強まっている。

 こうした新しい動きが若者の社会参加を促し、社会づくりに向けた若者の意欲・責任感も一層高まる。国の将来にとってこれに勝る力はない。海外への留学生の減少といった一事で「若者は内向き」と決め付けるのは早計である。

 ≪日本が変わる好機ととらえよ≫
 わが国には総額340兆円、連続25年間、世界一を記録する対外純資産もあり、国債残高もギリシャなどと違い90%以上を国内の投資家が保有する。失業率も3%台と各国に比べて低く、豊かな自然、治安の良さ、先端的な省エネ技術など新しい時代を切り開く知恵も豊富にある。

 加えて世界有数の災害多発国として育まれた安全意識や思いやり、協調性、親切心といった世界でも稀(まれ)な特性がある。地震や台風など大災害で助け合い、協力して復興を目指す日本人の姿こそ社会づくりの基本となる。

 近年、CSR(企業の社会的責任)に代わる企業の社会貢献策として注目されるCSV(共通価値の創造)も、江戸時代に近江商人が確立した経営哲学「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)が、その精神を先取りしている。株主の利益を第一とする外国企業と違い、日本企業の多くは300年を経た現在も定款で「社会貢献」をうたっており、CSVの受け皿は十分、整っている。

 「悲観論者はあらゆる好機の中に困難を見つけ、楽観論者はあらゆる困難の中に好機を見つける」(ウィンストン・チャーチル英元首相)という。新たな秩序確立に向け国際社会が激動する中、日本が大きく変わる好機である。

 恵まれたこの国の特性や、次代を担う若者の意識の高まりを前にすれば、日本の将来を悲観する必要は全くない。

 大いなる楽観こそ、この国の将来を切り開く、と確信する。高齢者も含め、皆が明るい希望を持って努力すべきときである。

(ささかわ ようへい)


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