『N女の研究』〜地方の「N女(?)」の視点から[2017年04月02日(Sun)]
中村安希『N女の研究』フィルムアート社(2016)
気になっていたけれどなかなか手を付けられなかった本、やっと読みました。
時間のないに方は第4章・第5章がおススメです。
立ち位置が違えば見える景色も異なりますので、地方でNPOで活きながらえさせていただいているアラフォー女としての感想を記載します。
●世の中は変わったのかもしれないし、かわっていないかもしれない
・すごい人がいるものだなあと思う一方、そういえばNPO法施行当時から超高学歴で海外経験もあるハイスペック女子が地方のNPOにもいました。ただそのころは「そんなに高学歴なのにもったいない」「物好きな人だ」という扱いでした。最近は「こんなひとにきていただいて!!」という扱いに変わってきているようですね。だが、ハイスペックゆえに切り替えも早く、ひとつの組織にずっといることは稀で、華麗に転身していく人が多かったように記憶しています。
●違和感
・全体として、取り上げられた事例(特に前半)がハイスペックすぎて、私には「N女」を名乗る資格はないのだと思いました。これは東京在住の方を対象とした事例が多いためかもしれません。
・また、取材後1年で半数の方がキャリアを変更しているということも私から見える景色とは大きく異なるものでした。統計は取れていませんが、5年10年継続している人も多くいます。ここでなくてもスキルに自信があって渡り鳥をして生きられる人と、ここでしか生きられない人の壁を感じました。
・NPOで働く人を「コア人材(ミッションへの共感・経営参画を期待)」「スタッフ人材(スキル提供を期待)」に区分して人事を行なうという考え方がありますが、今回はスタッフ人材として超高度なスキルを持った人に光を当てている視点が強いように思われました。上司からみて、組織としての評価もきいてみたいです。
・経済的評価以外の評価軸をどう考えるか?この世界には経済的評価以外の評価軸はないのか?
(暴力的にわかりやすいが、サードセクターも企業セクターと同じ評価軸でいいのか?そこと違う価値を求めてきているのに、元の評価軸に戻ってきていることをどう理解したらよいか)
・著者の思想の背景、特に旧N女に対する批判的な記述の裏にあるものが気になりました。
・そもそも「N女」ってポリティカルコレクト的に問題ないだろうか?(といったら当事者先輩N男O氏に「男じゃ売れないから」と言われましたが)
●ワタシならこういうのを知りたい
・地方のN女、NN女(名古屋のN女)、MN女(味噌くさいN女)
・地方でも、大企業や海外経験なしでも、ハイスペック夫なしでもやれる道
・NPOにいたからこそ身に付けられたスキルやキャリア(とくに小さな組織では「若いから」「女だから」といっている余裕はなく、何でもやらないといけない。結果として、その人のチャレンジにつながって、小さな失敗をしながら学ぶ機会は多いように思われる)
・新旧N女比較〜いわゆる第1世代・第2世代・第3世代のN女比較
・N男(えぬお)。男性の寿退社は今は昔で、最近はNPO男子の結婚・子育てもきくようになってきたので
・「あの人は今」・・・これは実際は難しいだろうけれど
ということで、刺激的な設定であったために、
いろいろと妄想力をかきたてられました。こういう本ってすごいですね。
ちなみに、名古屋市市民活動推進センターの図書コーナーで借りることが可能です。
【参考】「NPOライフデザイン〜NPOでキャリアを積む5つのモデル〜」東大手の会
https://blog.canpan.info/higashiote/archive/158
気になっていたけれどなかなか手を付けられなかった本、やっと読みました。
時間のないに方は第4章・第5章がおススメです。
立ち位置が違えば見える景色も異なりますので、地方でNPOで活きながらえさせていただいているアラフォー女としての感想を記載します。
●世の中は変わったのかもしれないし、かわっていないかもしれない
・すごい人がいるものだなあと思う一方、そういえばNPO法施行当時から超高学歴で海外経験もあるハイスペック女子が地方のNPOにもいました。ただそのころは「そんなに高学歴なのにもったいない」「物好きな人だ」という扱いでした。最近は「こんなひとにきていただいて!!」という扱いに変わってきているようですね。だが、ハイスペックゆえに切り替えも早く、ひとつの組織にずっといることは稀で、華麗に転身していく人が多かったように記憶しています。
●違和感
・全体として、取り上げられた事例(特に前半)がハイスペックすぎて、私には「N女」を名乗る資格はないのだと思いました。これは東京在住の方を対象とした事例が多いためかもしれません。
・また、取材後1年で半数の方がキャリアを変更しているということも私から見える景色とは大きく異なるものでした。統計は取れていませんが、5年10年継続している人も多くいます。ここでなくてもスキルに自信があって渡り鳥をして生きられる人と、ここでしか生きられない人の壁を感じました。
・NPOで働く人を「コア人材(ミッションへの共感・経営参画を期待)」「スタッフ人材(スキル提供を期待)」に区分して人事を行なうという考え方がありますが、今回はスタッフ人材として超高度なスキルを持った人に光を当てている視点が強いように思われました。上司からみて、組織としての評価もきいてみたいです。
・経済的評価以外の評価軸をどう考えるか?この世界には経済的評価以外の評価軸はないのか?
(暴力的にわかりやすいが、サードセクターも企業セクターと同じ評価軸でいいのか?そこと違う価値を求めてきているのに、元の評価軸に戻ってきていることをどう理解したらよいか)
・著者の思想の背景、特に旧N女に対する批判的な記述の裏にあるものが気になりました。
・そもそも「N女」ってポリティカルコレクト的に問題ないだろうか?(といったら当事者先輩N男O氏に「男じゃ売れないから」と言われましたが)
●ワタシならこういうのを知りたい
・地方のN女、NN女(名古屋のN女)、MN女(味噌くさいN女)
・地方でも、大企業や海外経験なしでも、ハイスペック夫なしでもやれる道
・NPOにいたからこそ身に付けられたスキルやキャリア(とくに小さな組織では「若いから」「女だから」といっている余裕はなく、何でもやらないといけない。結果として、その人のチャレンジにつながって、小さな失敗をしながら学ぶ機会は多いように思われる)
・新旧N女比較〜いわゆる第1世代・第2世代・第3世代のN女比較
・N男(えぬお)。男性の寿退社は今は昔で、最近はNPO男子の結婚・子育てもきくようになってきたので
・「あの人は今」・・・これは実際は難しいだろうけれど
ということで、刺激的な設定であったために、
いろいろと妄想力をかきたてられました。こういう本ってすごいですね。
ちなみに、名古屋市市民活動推進センターの図書コーナーで借りることが可能です。
【参考】「NPOライフデザイン〜NPOでキャリアを積む5つのモデル〜」東大手の会
https://blog.canpan.info/higashiote/archive/158