クリニクラウンが病棟に入り、廊下をコミカルに歩いていくと、
遠くからその姿を見ただけで泣き出した女の子がいました。
その女の子は以前、スタッフから訪問前のカンファレンスで、
「とても怖がりな子なので部屋から出ないようにします」
と、聞いたことのある子どもでした。
「そっちには行かないから大丈夫だよ」
クリニクラウンは、彼女の気持ちを尊重して時間をおくことにしました。
しばらくたってから、彼女のいる部屋を覗いてみると、
彼女はまた顔をクシャッとしかめ、泣き出しました。
むっくが
「大丈夫だよ。これ以上近づかないからね。安心してね」と伝えてから
「聴いて欲しい音楽があるんだ」と
ハーモニカを取り出し吹いてみました。
すると彼女は泣き止んで
「あっその曲知ってる!」
とベッドの上に立ち上がり関心を示してくれたのです。
少し怖かった気持ちが和らいだようだったので
彼女にクリニクラウンの存在を受け入れてもらえるように、
まずは、同室の子どもと関わっている様子を見てもらいました。
すると彼女は、クリニクラウンと子どもの遊びをじっとみつめ
クリニクラウンに興味を持ち、安心した表情に変化していきました。
彼女の気持ちの変化をかんじとり、声をかけると、
一緒に、会話を楽しめるようになりました。
むっくも楽しくなって病室の中をグルグル移動すると、
そのコミカルな姿をみて
彼女は大喜びでした。
さっきの不安な表情とは別人のように、大笑いをしていました。
クリニクラウンは常に子どものパーソナルスペース、
子どものその時々の気持ち、心の変化を大切にして関わります。
このくらいが、心地良い距離、というのを見極めることが
子どもの安心感につながるのです。
むっく
2013年09月05日
距離感からうまれた安心感
posted by cliniclowns at 14:06| クリニクラウン