• もっと見る
中嶋れん(日本共産党 宮城県委員会政策委員長)のブログ
« ●駆けある記 | Main |  +核兵器廃絶 »
プロフィール

中嶋廉のブログさんの画像
中嶋廉のブログ
プロフィール
ブログ
カテゴリアーカイブ
タグクラウド
<< 2024年01月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
リンク集
月別アーカイブ
最新コメント
QRコード
https://blog.canpan.info/renn/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/renn/index2_0.xml
女川原発に規制基準「違反」が。再稼働は延期・中止に! 宮城県議選の争点【仙台市泉区】[2023年09月08日(Fri)]
 女川原発の電線ケーブルの一部に、規制基準が定めている火災影響軽減対策の要件を満たしていない箇所があることが分かりました。
 私が参加して8月21日に日本共産党が県に申し入れを行い、東北電力に説明を求めました。その後も調査を重ねて、明らかになったものです。
 東北電力は8月25日、宮城県、石巻市、女川町の担当者に説明したようです。8月31日に、女川原発環境保全監視協議会で若干の説明をしました。しかし、その際に基準「不適合」であることには言及しませんでした。
 東北電力は、7月31日に追加工事のことを初めて発表しましたが、その時に基準不適合にあることを隠さずにキチンと説明して、なぜそうなったのか、経過・原因まで、明らかにすべきだったのではないでしょうか。
 新潟県では、県独自の審議会である技術委員会があり、火災影響軽減対策のことが9月1日の会合で報告されました。
 女川原発の安全対策に関わる情報公開を進め、重大事故を招かないように安全対策を進めるため、私は宮城県に対して、新潟県のように、県独自の「安全性検討会」(仮称)を設置すべきだと提案を続けてきました。いよいよ、それが求められています。

 現状では、女川原発は基準不適合です。少なくとも、追加工事が終了するまでは再稼働すべきではありません。
 追加工事で基準不適合が解消されるのでしょうか。キチンと説明するよう求めます。間に合わせの対策では、県民は納得できません。

 女川原発は、再稼働予定の原発のなかで、最も古い型式の原発です。そして、世界一地震の影響を受けやすい原発が、女川原発です(2011年10月にアメリカ原子力学会に研究者が発表)。
 原発がなくても電気は十分です(原発を除く発電所の能力は2億6千万キロワット、電気需要が最大の時でもその3分の2が稼働すれば電力はまかなうことができます)。
 原発は、電気代を高止まりさせています。原発は省エネと再エネ開発の障害になっており、気候危機を打開するために、一日も早く原発ゼロを実現することが求められています。
 処理不能な「核のゴミ」を増やし、将来の世代に巨大な負担を残す愚行になる原発再稼働は、キッパリやめなければなりません。
 女川原発は再稼働中止に!

20230908_blog.jpg
【仙台市泉区】女川原発に基準不適合があるのでは? 不合格の状態で再稼働させてはならない 村井知事あてに調査を申し入れ 火災防護対策の追加工事に疑問が浮上 宮城県議選の争点になる可能性[2023年08月21日(Mon)]
 宮城県の村井嘉浩知事に8月21日、火災防護対策の追加工事をやることになった経過と追加工事の内容について、東北電力に説明を求めるよう緊急の申し入れを行いました。
 これは、関西電力と九州電力が工事計画のとおりに工事を行っておらず、追加工事でも規制基準に適合するようになった原発が一つもなかったからです。関西電力と九州電力の原発計11号機は規制基準不適合の状態で、再稼働は停止すべきです。
 東北電力には、規制基準に適合させる責務が課せられており、追加工事について説明する責任がありますが、7月31日の樋口康二郎社長の記者会見は、工事計画のとおりに工事をやってきていたか、女川原発2号機が追加工事で基準に適合するようになるのか、この肝心な点の説明を避けていました。
 要するに、女川原発が「不合格」のまま再稼働することはないのか、という大事な問題です。少なくとも追加工事が終わるまで、再稼働は延期するのが当然です。
 県原子力安全対策課は、「説明を求める」と答えました。
 宮城県議会の9月定例会の争点になる可能性があります。
 申し入れの全文は、以下のとおりです。

宮城県知事 村井嘉浩様
女川原子力発電所2号機の火災防護対策に関する調査の申し入れ
  2023年8月21日

 東北電力の樋口康二郎社長が7月31日の定例記者会見において、女川原子力発電所2号機で安全対策の追加工事を行っていることを発表しました。追加の工事は、「電線管の火災防護対策」に関わるものですが、なぜ追加工事をすることになったのか、記者会見ではその経過についての説明がありませんでした。また、追加工事の内容についての説明も、不十分です。
 新規制基準は、火災防護について、火災発生の防止、火災の迅速な感知と消火、火災の影響軽減―の3つの対策を定めています。また「位置、構造及び設備に関する基準」で、原発の非常用電源設備などの機能喪失を防ぐために、電線管の系統分離を求めています。規制基準を具体化している技術指針(審査指針)では、火災発生の防止に関して、難燃性の電気ケーブルを使用することを定めています。そして、系統分離に関しては、火災防護対象ケーブルを電線管に収容して互いの系列間の水平距離が6m以上あるようにする、または耐火性能のある隔壁で分離する、などを詳しく規定しています。
 ところが関西電力と九州電力で、認可された工事計画のとおりに工事を行なっていなかったことが発覚し、原発の計11号機が基準不適合の状態です。このため追加工事をやらざるをえなくなっていますが、火災防護対象ケーブルが長い原発ではすべてを系統分離するまで数年かかるとされ、規制基準が有名無実になっていることが問題になっています。
 東北電力は、追加工事が必要になった経過と理由、女川原発2号機での系統分離に要する電線管の総延長はいくらか、どのようにして技術基準を達成しようとしているか、などを詳細に説明し、とくに、再稼働後まで基準不適合の箇所が残るかどうかについては、明確にすべきだったのではないでしょうか。
 県民の命と安全を守り、原子力行政に対する信頼をとりもどすために、東北電力に以下の事項について説明を求め、9月定例会の前までに報告していただくことを求めます。
 合わせて、安全協定を締結している市町や県民に情報が公開されるようにするため、まもなく開催される予定の女川原子力発電所環境監視保全協議会に、電線管の火災防護対策と追加工事について報告するよう、東北電力に要請することを求めます。

<東北電力に説明を求めてほしい事項>
1、追加工事を決定したのはいつか、その理由は何か。
2、樋口社長が記者会見で述べた「国の指摘」とは、「火災防護対策ケーブルの系統分離に係る原子力規制検査の現状報告及び今後の対応方針」(原子力規制委員会、2023年3月29日)が該当すると思うが、他にどのような文書が含まれるか。
3、東北電力に対して、国の機関から、追加工事についての直接の要請があったか。
4、追加工事に関わって、原子力規制庁との間で行われた連絡および協議について。
5、追加工事は、2021年12月23日に認可された工事計画に記載されていた工事か、記載されていなかった工事か。電源ケーブルの火災防護対策に関して、当初の工事計画から途中変更した箇所。
6、女川原発2号機の火災防護対象ケーブルの総延長、系統分離に必要な電線管は何メートルか。
7、技術基準を満たして系統分離をするために、どのような方策を講じようとしているか。
8、予定している再稼働までに、対策が必要なすべての火災防護対象ケーブルの系統分離を終えることができるか。仮に、一部に対策が残るケーブルがある場合は、その総延長はいくらか、再稼働後まで系統分離をしないで残す箇所の選別はどのような考え方で行うのか。
9、保安規定について、火災防護対策の追加工事に関わって変更した箇所、および変更を予定している箇所。

日本共産党宮城県委員会 
委員長  中島 康博
日本共産党宮城県会議員団
団長   三浦 一敏

230821_a_blog.jpg

230821_b_blog.jpg
東北電力の株主総会 脱原発を求める株主が「3兆円を越す負債を抱えている会社に原発再稼働を任せていいのか」[2023年06月28日(Wed)]
 東北電力の株主総会が6月28日に行われましたが、テレビ局各社の報道が、脱原発を求める株主の主張を取り上げたことが特徴的でした。

<NHK仙台放送局>
 東北電力は28日、株主総会を開き、樋口康二郎社長は燃料価格の高騰で経営が悪化していることを説明し、今月から家庭向けの電気料金を値上げすることなどによって今年度の黒字化を目指す考えを示しました。
 東北電力の株主総会は28日、仙台市青葉区の本店で開かれ会場にはおよそ180人の株主が出席しました。
 このなかで樋口社長はロシアによるウクライナ侵攻などの影響で火力発電に使う燃料価格が高止まりし、昨年度のグループ全体の最終的な損益は1200億円余りの赤字と、過去2番目の大きさになったことを説明しました。
 このため、今月から家庭向け電気料金のうち、契約者が多い「規制料金」と呼ばれる主要プランについて、平均で25.47%値上げするとともに、来年2月に計画している女川原子力発電所2号機の再稼働などによって収益を改善し、今年度の黒字化を目指す考えを示しました。
 このあと、一部の株主から再稼働に向けた安全対策工事などの費用が経営に負担をかけていることや再稼働が電気料金の値下げにつながる根拠が明らかではないとして原発からの撤退が提案されましたが、採決の結果、賛成少数で否決されました。
 出席した株主の1人は「本当に原発を再稼働させて大丈夫なのかということを確認するために出席した。株主提案はすべて否決されて残念だが、問題提起はしっかりできたと思う」と話していました。
 また、別の株主は今月から値上がりする電気料金について「電力会社が存続できなくなる可能性もあるので、いまの状況ではやむをえないと思うが引き続き経営努力は行っていくべきだ」と話していました。
 株主総会のあと、樋口康二郎社長は定例の記者会見で「厳しい財務状況について経営責任を問う声もあった。今後はいただいた貴重な意見を事業に生かしながら、経営の改善に取り組んでいきたい」と述べました。
 その上で、今月からの電気料金の値上げについて「さまざまな物価が上がっているなかでさらなるご負担をおかけしている。お客様に対してはより安くなるプランの提案など真摯に対応していきたい」と改めて理解を求めました。
 また、女川原発2号機の再稼働について「ことし11月の工事完了に向けてしっかりと現場を指導していきたい。地域の理解を得ながら早期の再稼働を目指していく」と述べ、再稼働に向けて安全対策を最優先に取り組む考えを示しました。

<東日本放送>東北電力株主総会 電気料金値上げに関連する株主提案は否決
 東北電力の株主総会が開かれ、一部の株主から電気料金の値上げに関連し発電コストの公開を求める提案が出されましたが、否決されました。
 総会では、原発に反対する株主から厳しい意見が出されました。
 株主「6月から25%も値上げをして庶民を苦しめているわけです。庶民の苦しみに乗じて原発の電気は安い、原発再稼働で電気代が抑えられるといった偽りの宣伝がなされている」
 原子力を含む発電方法別のコストの公開を求めましたが、会社側は競争力に関わるため公開できないとした上で、女川原発の再稼働に理解を求めました。
 樋口康二郎社長「女川(原発2号機)の再稼働によりまして燃料費の削減、そしてCO2の削減、電力の安定供給に貢献できる」
 また、株主から競合他社の顧客情報を送配電子会社の端末などを使い不正に閲覧していた問題に関連し、再発防止策として子会社株の売却が提案されました。
 これに対し会社側は、電力の安定供給などを理由に現状維持を訴えました。
 採決の結果、会社提案が可決された一方、株主提案は全て否決されました。

<東北放送>
 東北電力の株主総会が28日、仙台市内で開かれました。一部の株主が、経営状況の悪化などを理由に女川原発2号機の再稼働の中止を求める議案を提出しましたが、反対多数で否決されました。
 東北電力本店で行われた株主総会には株主185人が出席しました。この中で樋口康二郎社長は、従業員214人が東北電力ネットワークが管理する新電力の顧客情報を不正に閲覧していた問題について謝罪しました。
 この後、一部の株主から東北電力ネットワークの株式を売却し別会社とすることを求める議案や、女川原発2号機の再稼働の中止を求める議案などが共同で提案されましたが反対多数で否決されました。

脱原発東北電力株主の会篠原弘典代表:
「いま東北電力は最悪の財務状況で、3兆円を越す負債を抱えている。こういう会社に原発再稼働を任せていいのかどうかと疑問が残る」
230628_shinohara.jpg

 その後の会見で樋口社長は原発の再稼働に向け「地域住民の理解を得るため安全対策に力を尽くしたい」と強調しました。

東北電力樋口康二郎社長:
「原子力の再稼働にあたっては、なんといっても地域の皆さまからの理解があってこそ。安全最優先で早期の再稼働を目指して頑張っていきたい」

東北電力は女川原発2号機について来年2月の再稼働を計画していて今年11月までに安全対策工事の完了を目指しています。

<仙台放送>
 東北電力はきょう株主総会を開き、取締役の選任などの議案を可決しましたが、「脱原発」などを求める株主提案の議案はすべて否決しました。
 株主総会には185人の株主が出席し、会社提案として提出された取締役選任の議案などが賛成多数で可決されました。一方、株主提案では、来年2月の再稼働を予定する女川原発2号機について、「原発への投資が経営の負担になっていることは明らかで、値上げの一因にもなっている」とし、再稼働断念を求める議案などが提出されました。また、送配電部門を担う子会社が持つ新電力会社の顧客情報の不正閲覧問題を受け、「所有権を分離した別会社とする」議案も提出され、これらの株主提案はすべて、否決されました。

脱原発東北電力株主の会・篠原弘典代表
「今、東北電力は最悪の財務状況なんですね。電力会社が置かれている状況を、浮き彫りにするような総会にはできたのでは」

東北電力樋口康二郎社長
「当社の厳しい収支、財務状況についての経営責任を問う意見をいただいている。ひきつづき様々な経営課題にしっかりと取り組んでいきたい」
女川原発再稼働の地元同意 「支持せず」59% 「河北新報」は世論調査の結果を報道[2021年03月31日(Wed)]
 きょう地元紙の「河北新報」が1面で報道しました。

210331_blog.jpg
女川原発の再稼働ストップ! 1千万署名と政権交代を求める運動で実現めざす―脱原発運動が記者会見。[2021年03月08日(Mon)]
 女川原発の再稼働ストップをめざす今後の市民運動について、みやぎアクション世話人の篠原弘典さん、多々良哲さんといっしょに3月8日13時から、宮城県庁内で記者会見を行いました。
 女川原発の再稼働ストップをめざすチラシが完成すること(一面の写真は下に)、3月27日の「さよなら原発集会」などの一連の企画を紹介。原発問題住民運動宮城県連絡センターが1千万署名を呼びかけ、政権交代を求める対話と一体で運動を推進していることを説明しました。

210308_a_blog.JPG

















210113_b.JPG




















チラシ.jpg
「福島第一原発事故10年の再検証ー原子力政策を批判し続けた科学者がメスをいれる」がいよいよ発売に。[2021年02月17日(Wed)]
 日本科学者会議の原子力研究委員会委員長の岩井孝さんから、『福島第一原発事故10年の再検証ー原子力政策を批判し続けた科学者がメスをいれる』が刊行されるというお知らせが届きました。岩井孝さん、舘野淳さんをはじめ4人の共同執筆で、A5判、168ページ。本体価格は1800円です。
 店頭に並ぶのは3月3日の予定という案内ですが、出版元の「あけび書房」は申し込みの受付を始めています。ISBN978-4-87154-185-5 C3036.

 福島第一原発事故から10年が経過しますが、影響は未だに続いており、廃炉作業は国の計画通りには進んでいません。事故機から燃料デブリを全量取り出し、建屋を解体撤去し、土壌汚染を除去して更地にするという廃炉計画は実現できるのでしょうか。本書は対案を提案しています。
 女川原発1号機をはじめ、廃炉が続々に実施されますが、使用済み核燃料と放射性廃棄物処分場の目処が立っていません。それでも、更地方式の解体撤去を進めるのが良いのでしょうか。本書は「墓地方式」と長期保管監視を提案しています。
 破たんが明白な核燃料サイクルからは、潔く撤退すべきであり、百害あって一利なしのプルサーマルは即刻止めるべきです。
 女川原発をはじめすべての原発の再稼働中止、「原発ゼロ」を願う人々に、一読をお薦めします。

●チラシ・申込書のダウンロードはこちら右矢印1210216 『福島第一原発事故 10年の再検証』.pdf

akebi_blog.jpg
福島県沖地震による女川原発への影響ー記録と問題意識[2021年02月16日(Tue)]
 2月13日23時08分、福島県沖で最大震度6強の地震が発生しました。
 女川町の高野博さんから、女川町で海岸のエプロンが陥没し、20センチ以上の段差が数十メートルにわたって発生し、漁船に車が横付けできなくなっている様子が発信されました(写真)。
 女川町から、震度は4、加速度は137ガルだったと発表されました。

 女川原発について、東北電力から2月14日、「地震発生による女川原子力発電所の設備点検結果について」が発表されました。

 女川原発は、プレート間地震とプレート内地震の影響が大きく、とくに短周期の揺れが大きな影響を及ぼすことが知られています。今回の地震はプレート内地震、地下60kmで発生したもの。発生した場所は100km以上離れた福島県沖ですが、結構な影響があったことがうかがえます。

 発表文は以下のとおりです。

 昨日(2月13日)23時08分に宮城県内で最大震度6強の地震が発生しました。
 女川原子力発電所においては、安全上重要な設備に異常はなく、周辺への放射性物質の影響もありませんでした。
 なお、地震後の現場パトロールにおいて以下の状況を確認し、復旧作業を実施しております。
1.変圧器避圧弁※1
 地震により変圧器内の絶縁油が揺すられ当該弁が動作したもので、当該弁の点検を行い、必要に応じ新品と交換する。
2.女川3号機タービン建屋ブローアウトパネル※2
 地震により当該パネルが開状態になったもので、点検を行い元の状態に復旧する。
3.女川2号機および3号機放水口モニタ※3
 地震により2号機および3号機のサンプリング用の取水ポンプが停止したことに伴い、同号機の放水口モニタが欠測した。点検の結果異常がないことを確認し、本日4時00分のデータから伝送を復旧した。
4.大容量電源装置※4
 地震発生後、1台で故障を示す警報が発生したことから、今後、点検を実施する。
5.女川3号機除塵機※5
 地震発生後、電源が入らない状態となったことから、今後、点検を実施する。

※1避圧弁:変圧器内の事故による器内圧力上昇時、機器の損傷を防止するため内部の絶縁油やガスを外部に放出する安全弁
※2ブローアウトパネル:建屋内の圧力が上昇した時に押し出され、建屋内の圧力を減圧するためのパネル
※3放水口モニタ:発電所の放水口から放出される液体中の放射性物質の有無を、連続的に測定している設備
※4大容量電源装置:震災後に緊急的に設置した電力を供給するための設備
※5除塵機:冷却用として取水する海水中の塵かいを取水時に取り除く設備

210216_blog.jpg
女川原発に関わる質問書を東北電力に提出。安全対策、老朽化後まで酷使する「20年延長」、3号機の再稼働、使用済み核燃料の保管場所、発電コストなどについて。みやぎ原発センターの取り組みで。[2021年02月03日(Wed)]
 東北電力に、「女川原子力発電所の安全対策等に関わる質問書」を提出しました。
 原発問題住民運動宮城県連絡センターの取り組みです。世話人の高野博氏(女川町)、木伏研一氏(塩釜連絡会)が同行しました。
 同センターは、チェルノブイリ原発事故の調査に参加した日本科学者会議、全国保険医団体連合会の有志からの「原発の安全性を問う運動が重要だ」という提案を受け、1994年秋に発足した運動団体で、科学者、弁護士等の個人および市民団体・労組、地域の会等17団体が参加しています。
 東北電力は、女川原発2号機の設置変更許可を得て2022年度の再稼働をめざしていますが、世論調査では依然として再稼働反対の意見が多数です。安全性に関わる疑問や、重大事故時の避難に関わる不安がその根底にあります。
 電気事業のあり方に関する国民的論議が進むことを願う取り組みです。
 1ケ月くらいで回答していただくことを要望しました。
 質問事項は以下のとおりです。

<安全対策等について>

【1】女川原発2号機の「60年運転」について
 高浜原発の「60年運転」に、高浜町が同意したことがニュースになりました。
 貴社は、脱原発運動団体に、女川原発2号機の「60年運転」を考えていることを述べたことがあります。「60年運転」の方針の検討状況について、ご説明ください。

【2】3号機の再稼働申請について
 貴社は、報道機関の取材に対し、女川原発2号機の再稼働に続いて、3号機の再稼働も準備していることを回答してきています。3号機の設置変更許可を申請する時期について、どのように考えているかをご説明ください。

【3】フィルターベントについて
 女川原発2号機に設置したフィルターベント装置は、日本の原発に導入されるのは初めてで、実績がありません。宮城県の「女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会」で、委員から「再稼働の前にテストをしてほしい」という要望がありました。再稼働の前にテストをすることは可能でしょうか。またテストを行う考えはあるでしょうか、ご説明ください。

【4】耐圧強化ベントについて
 女川原発2号機には過酷事故時に使用する耐圧ベントが設置されていますが、貴社は炉心損傷後に使用した場合に、新規制基準の100TBqを大幅に超える360TBqのCs137が放出されるという解析結果を明かにしています。そこで貴社は、「炉心損傷後には使用しない」(2019年10月4日の事業者ヒアリングに提出した『自主対策設備に関する補足説明』)ことを約束して2号機の「合格」をもらいましたが、本当に使用しないのであれば、耐圧強化ベントは撤去すべきではないでしょうか。また、本来なら女川原発2号機は不合格だと考えられますが、見解をご説明ください。

<1号機の廃炉について>

【1】使用済み核燃料の乾式保管庫について。
 女川原発1号機の廃止措置において、使用済み核燃料を保管する乾式保管庫を「敷地内外」に設置する計画であることが発表され、報道されました。「敷地内」だけでなく「敷地外」にも設置を必要とする事情は何でしょうか。また「敷地外」とは、どこを想定しているでしょうか。その検討状況についてもご説明ください。

【2】L3の放射性廃棄物のトレンチ処分計画について。
 L3の低レベル放射性廃棄物はトレンチ処分する計画ですが、工事はいつ頃に着手する予定でしょうか。L3の放射能汚染のレベルは、福島第一原発事故で発生した指定廃棄物に相当するもので、遮断型処分場での管理・処分が望ましいと考えているのですが、素掘りの穴に埋めて土をかぶせるというトレンチ処分に住民や漁民の理解は得られると判断しているのでしょうか、ご説明ください。

【3】廃炉作業について
 廃炉作業に従事する人員、廃炉に要する経費について、その内訳と経費を積算する際の基礎になるデータも含めてご説明ください。

<発電コストと採算性について>

【1】女川原発2号機の発電コストについて。
 龍谷大学の大島堅一教授は、安全対策工事に約3400億円をかけたとして、女川原発2号機の発電コストは1kWhあたり16円80銭という試算を公表しています。
 また、再稼働させるよりも、再稼働しない方が経費は少ないという試算も公表しています。見解をご説明ください。

【2】夜間電気の優遇処置の打ち切りについて。
 夜間電気を優遇してきた処置を3月末で打ち切るのは、経営状況の悪化が原因でしょうか。理由をご説明ください。

210203_b.JPG
女川原発構内の新型コロナ感染防止対策の徹底を東北電力に要請ーみやぎ原発センターの取り組み。[2021年02月03日(Wed)]
 東北電力本社を訪問し、「今後の女川原子力発電所における新型コロナウイルスの感染防止の徹底を求める」要望書を提出しました。
 原発問題住民運動宮城県連絡センターの取り組みで、世話人の高野博氏(女川町)、木伏研一氏(塩釜連絡会)が同行しました。
 女川原子力発電所の勤務者で1月13日、初めて新型コロナウイルスへの感染が判明しました。協力企業の従業員2人ですが、その後も14日に1人、17日に2人、23日に1人、25日に1人と続きました。
 専門家は「感染リスクが高まる5つの場面」を避けることを指導していますが、女川原発構内で安全対策工事に携わっている従業員の送迎バスを見て、「不安を覚える」という訴えがあります。女川原発構内では連日2千人を超す人々が長時間の作業に従事しているといいます。
 女川原発の勤務者でこれまで判明した感染者は計7人ですが、土木作業、電気設備工事、事務業務と、特定の現場ではなく、異なる作業に従事している従業員が感染しています。
 政府は2回目の緊急事態宣言を発出した後、主として飲食店での感染抑制をとり、新規感染者は全国的に減少し始めています。新型コロナの感染抑制の戦略では、無症状の人を発見して保護・隔離することがカナメですが、今後の対応では、感染者数をいったん大幅に少なくするために、医療・介護施設などで繰り返しのPCR検査を実施するなど、施設における感染拡大防止へ検査を大幅に増やすことが求められています。過日、九州電力の玄海原発構内でクラスターが発生しましたが、原発構内についても問題意識をもつ必要性があると考えたものです。
 要望した事項は、今後、女川原発で感染者の判明が続く場合は、新規作業員を対象に実施しているPCR検査を社員および協力会社従業員の全員に拡充することや、工事を一時中止する措置をとるなど、感染拡大の防止に万全の対策をとっていただくことです。

210203_a.JPG
新潟県知事に技術委員会委員への再任を求めた立石雅昭氏の「声明」全文を紹介します。[2021年01月21日(Thu)]
 新潟県の花角知事が20日、原発事故の検証にあたっている技術委員会委員14人のうち7人を不再任にすることを明らかにしました。原発の永久化をめざす自民・公明の菅政権の成長戦略を背後に感じます。
 立石雅昭氏が1月21日に記者会見で発表した「声明」は以下のとおりです。

2021年1月21日
新潟県知事 花角英世殿
 新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会
 委員 立石雅昭(新潟大学名誉教授)

 声明「技術委員会委員の再任を求める要望」

 先般、新潟県原子力安全対策課から、次年度、私と鈴木元衛氏を表記技術委員会委員に再任しない旨の通告がありました。その根拠として、委員の任命/再任にあたって、平成10年度に制定、昨年改訂した「新潟県附属機関等設置及び運営基準要綱ならびに同要綱制定および運営について(通知)」を適用するというものです。
 私は、東京電力柏崎刈羽原発が2007年の中越沖地震によって被災したことを受け、その翌年から新潟県技術委員会委員の委嘱を受け、専門的知見を生かすという立場からその任に当たってきました。また、元原子力研究開発機構の鈴木元衛氏は、シュラウドひび割れ問題が起きた後の2003年、すなわち、技術委員会の設置時から委員を務めてこられました。
 私たちは2011年の福島原発事故後は、福島第一原発の現地視察を含め、事故の要因を検証する課題に真摯に対応してきました。現在、技術委員会は柏崎刈羽原子力発電所の安全性の確認にその検証結果をいかに活かすか、さらに、柏崎刈羽原子力発電所の安全性に関わる問題としてどのような課題があるかを各委員から提出し、議論を進めているさなかです。また、検証総括委員会の報告が出るまでは、技術委員会の検証の役割が継続しているものと考えます。一方、東京電力や経済産業省資源エネ庁が柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を急いでいます。
 そのさなかに技術委員会委員を交代させるということは、これまで技術委員会で積み上げてきた検証潰瘍や審議の経過、現に進行中の議論の継続性をないがしろにするものと考えます。鈴木氏も同意見です。
 県民・国民の命と暮らしを守るうえできわめて重要な課題であるからこそ、技術委員会で積み上げてきた議論を活かすために、ここに、新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会委員への私と鈴木元衛氏の再任を求めます。

再任を求める立石雅昭氏.jpg
地元同意の強行に激しい怒り なんと114人も署名。女川原発の再稼働中止、「原発ゼロ」基本法の制定を求める初めての街頭署名。[2020年12月16日(Wed)]
 原発問題住民運動宮城県連絡センターが、「原発ゼロ」基本法の制定を求める全国署名に仙台市の街頭で初めて取り組み、女川原発の再稼働中止と原発のない日本の実現を呼びかけました。
 今日の参加者は14人。横断幕を広げるや否や署名に立ち止まる人が続き、なんと1時間で114筆に。「まったく、何を考えているんだか!」「再稼働なんて、ダメに決まっている!」ー激しい怒りをぶつける人が多いことに驚きました。チラシと署名用紙を持ち帰る人がずいぶんいました。この署名は、取り組む構えをもっと大きなものに変えなければならないのではないかと痛感しました。
 次回は平和ビル前で、2021年1月13日(水)12時から13時までを予定しています。

201216_blog_a.JPG



















201216_blog_b.JPG
大飯原発の設置許可を取り消し 大阪地裁判決[2020年12月05日(Sat)]
 福井県や近畿地方の住民ら127人が、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について国の設置許可を取り消すよう求めた行政訴訟の判決で、大阪地裁が12月4日、設置許可を取り消すという判決を下しました。
 もっとも、許可取り消しの効力は、判決が確定しなければ発生しません。国は関西電力などと協議し、控訴する方向です。
 ただし、国による安全審査の妥当性が否定されたことが非常に重要で、女川原発など他の原発の基準地震動が妥当なのかが問われています。
 原発の設置許可を巡る訴訟では2003年、敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」について、名古屋高裁金沢支部が原子力安全委員会(当時)による審査に重大な誤りがあるとして設置許可を無効とする判決を出したことがあります(2005年の最高裁判決で覆された)。

 この裁判では、原発の耐震設計の目安となる「基準地震動」の妥当性が争点になりました。た。地震動は、それを予測する計算式の結果とは乖離があるので、原子力規制委員会は 審査ガイドでバラツキを考慮するよう求めています。2018 年 12 月 19 日付「新規制基準の考え方[改訂版]」において、「当該経験式の前提とされた観測データとの間の乖離の度合いまでを踏まえる必要があることを意味している」と、解説しています。つまり、平均式より大きい地震規模が発生する可能性があるということです。
 関西電力は「不確かさ」を考慮した場合の最大加速度は 856 ガルとし、原子力規制委は2017年5月、新規制基準に適合するとして設置変更許可を出していました。
 原告は、それにさらに「ばらつき」の標準偏差を考慮すれば 1,150 ガルになるとして、現在の原子炉では耐震性を満たしていないと主張していました。
 判決は、関電が算定に使った計算式は過去の地震データの平均値に基づいており、実際に発生する地震は平均値からかけ離れて大きくなる可能性があったと指摘。耐震性を判断する際、想定する地震規模を上乗せして計算する必要があったのに、関電や規制委が「何ら検討しなかった」と批判。規制委の判断に「不合理な点がある」として設置許可を取り消したものです。

●判決 全文
●判決 別紙(関係法令など)
●原告団声明
●弁護団声明

判決要旨は以下のとおり。

平成24年(行ウ)第117号発電所運転停止命令義務付け請求事件
裁判官 森健一 齋藤毅 豊臣亮輔(言渡日 令和2年12月4日)

1 事案の概要

(1) 原子力規制委員会は、平成29年5月24日付けで、被告参加人(関西電力)に対し、大飯原発3号機及び4号機(本件各原子炉)の設置変更を許可した(本件処分)。
 本件は、福井県等に居住する原告らが、本件処分に係る参加人の許可申請(本件申請)が当時の「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則」(設置許可基準規則)で定める基準に適合するものでないにもかかわらず、本件処分がされたものであることなどから、本件処分は当時の核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律43条の3の6第1項4号等に反し違法である旨主張して、その取消しを求める事案である。

(2) 本件の争点は、本件各原子炉の耐震性判断のための基準となる地震動(基準地震動)を策定(想定)するに当たり行われた地震規模(地震モーメント)の設定が、新規制基準に適合している旨の原子力規制委員会の判断に不合理な点があるか否かのほか、原告らが主張するその余の違法事由(基準地震動を想定するための経験式(入倉・三宅式)の選択の違法、制御棒挿入時間の基準超過、F−6破砕帯を活断層と判断しなかったための地盤安定性の見誤り、基準津波の設定の誤り、重大事故時の溶融炉心冷却段備及び放射性物質拡大抑制設備の不 備)が認められるか否かである、

2 判断の概要
 裁判所は、概要、以下の理由から、本件申請について、基準地震動を策定するに当たり行われた地震モーメントの設定が新規制基準に適合している旨の原子力規制委員会の判断に不合理な点があるとして、本件処分は違法である旨判断した。
なお、原告らが主張するその余の違法事由はいずれも採用することができないものと判断した。

(1) 判断枠組み
 原子炉施設の安全性に関する判断の適否が争われる発電用原子炉設置(変更)許可処分の取消訴訟における裁判所の審理、判断は、原子力規制委員会の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われるべきであって、現在の科学技術水準に照らし、原子力規制委員会の調査審議において用いられた具体的審査基準に不合理な点があり、あるいは当該発電用原子炉の設置(変更)許可申請が上記具体的審査基準に適合するとした原子力規制委員会の調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤、欠落があると認められる場合には、原子力規制委員会の判断に不合理な点があるものとして、その判断に基づく上記処分は違法であると解するのが相当である(伊方原発事件に関する最高裁平成4年10月29日判決)。

(2) 新規制基準における基準地震動の策定に関する定め
ア 設置許可基準規則4条3項は、発電用原子炉施設のうち、一定の重要なものは、その供用中に当該施設に大きな影響を及ぼすおそれがある地震による加速度によって作用する地震力(基準地震動による地震力)に対して安全機能(設置許可基準規則2条2項5号参照)が損なわれるおそれがないものでなければならない旨を定める。
イ 基準地震動の策定に当たっては、敷地に大きな影響を与えると予想される地震について、震源の特性を主要なパラメータで表した震源モデルを設定しなければならない。この点について、設置許可基準規則を受けて原子力規制委員会が定めた内規である当時の「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則の解釈」(規則の解釈)は、基準地震動の策定過程に伴う各種の不確かさ(震源断層の長さ、地震発生層の上端深さ・下端深さ、断層傾斜角等の不確かさ並びにそれらに係る考え方及び解釈の違いによる不確かさ)については、敷地における地震動評価に大きな影響を与えると考えられる支配的なパラメータについて分析した上で、必要に応じて不確かさを組み合わせるなど適切な手法を用いて考慮する旨を定める。
ウ そして、設置許可基準規則及び規則の解釈の趣旨を十分踏まえ、基準地震動の妥当性を厳格に確認するために活用することを目的として原子力規制委員会が定めた「基準地震動及び耐震設計方針に係る審査ガイド」(地震動審査ガイド)は、「震源モデルの長さ又は面積、あるいは1回の活動による変位量と地震規模を関連づける経験式を用いて地震規模を設定する場合には、経験式の適用範囲が十分に検討されていることを確認する。その際、経験式は平均値としての地震規模を与えるものであることから、経験式が有するばらつきも考慮されている必要がある。」(I.3、2、3(2)、本件ばらつき条項)と定める。

(3) 本件ばらつき条項の意義
 経験式は、二つの物理量(ここでは、震源断層面積と地震規模)の間の原理的関係を示すものではなく、観測等により得られたデータを基に推測された経験的関係を示すものであり、経験式によって算出される地震規模は平均値である。そこで、実際に発生する地震の地震規模は平均値からかい離することが当然に想定されている。地震規模(地震モーメント)は、震源モデルの重要なパラメータの一つであり、その他のパラメータの算出に用いられるものであって、基準地震動の策定における重要な要素であるといえる。そうすると、経験式を用いて地震モーメントを設定する場合には、経験式によって算出される平均値をもってそのまま震源モデルにおける地震モーメントとして設定するのではなく、実際に発生する地震の地震モーメントが平均値より大きい方向にかい離する可能性を考慮して地震モーメントを設定するのが相当であると考えられる(例えば、経験式を導く基礎となったデータの標準偏差分を加味するなど)。ただし、他のパラメータの設定に当たり、上記のような方法で地震モーメントを設定するのと同視し得るような考慮など、相応の合理性を有する考慮がされていれば足りるものと考えられる。また、経験式が有するばらつきを検証して、経験式によって算出される平均値に何らかの上乗せをする必要があるか否かを検討した結果、その必要がないといえる場合には、経験式によって算出される平均値をもってそのまま震源モデルにおける地震モーメントの値とすることも妨げられないものと解される。
 本件ばらつき条項の第2文は、以上の趣旨をいうものと解される。このような解釈は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発の事故を受けて耐震設計審査指針等が改訂される過程において、委員から、経験式より大きな地震が発生することを想定すべきであるとの指摘を受けて、本件ばらつき条項の第2文に相当する定めが置かれるに至った経緯とも整合する。

(4) 原子力規制委員会の調査審議及び判断の過程における過誤、欠落 参加人は、本件申請において基準地震動を策定する際、地質調査結果等に基づき設定した震源断層面積を経験式に当てはめて計算された地震モーメントをそのまま震源モデルにおける地震モーメントの値としたものであり、例えば、経験式が有するばらつきを考慮するために、当該経験式の基礎となったデータの標準偏差分を加味するなどの方法により、実際に発生する地震の地震モーメントが平均値より大きい方向にかい離する可能性を考慮して地震モーメントを設定する必要があるか否かということ自体を検討しておらず、現に、そのような想定(上乗せ)をしなかった。
 原子力規制委員会は、経験式が有するばらつきを考慮した場合、これに基づき算出された地震モーメントの値に何らかの上乗せをする必要があるか否か等について何ら検討することなく、本件申請が設置許可基準規則4条3項に適合し、地震動審査ガイドを踏まえているとした。このような原子力規制委員会の調査審議及び判断の過程には、看過し難い過誤、欠落があるものというべきである。
女川原発の再稼働に関わる市町村長会議(11月9日)の会議録が公開されました。反対・異論が出されていたこと、村井知事が強引に一任を取り付けた経過がよくわかります。 県民は同意していない! 市町村長も同意していない![2020年12月04日(Fri)]
 宮城県のホームページに、市町村長会議(11月9日)の会議録が公開されていました。
 3月2日に経済産業大臣が村井知事に「東北電力株式会社女川原子力発電所2号炉の再稼働へ向けた政府の方針について」理解を求める要請を行い、市町村長会議はこの要請に対する回答を行うにあたり、市町村長の意見を聞くことを目的として開催されました。
 柴田町の滝口町長が、この市町村長会議の性格について、「あくまでも首長が意見を述べるだけの会議」「一定の方向性をまとめる会議ではないということをちょっと確認させていただきたい」と発言。美里町、色麻町の町長が再稼働に反対する意見を述べ、避難計画の実効性を不安視する発言も相次ぎました。「読売新聞」の報道によれば、この場で同意の方向を打ち出すシナリオもあったようですが、遠藤副知事が「今回は意見を頂戴する場」と言わざるをえなくなりました(会議録の15ページ)。
 県のホームページには、「宮城県、女川町、石巻市の首長の三者で行う会談における結論を市町村長会議の総意とすることが了承されました」と書いてありますが、村井知事が一人を提案して拍手を求め、パラパラと拍手が起こったところで間髪を入れずに「どうもありがとうございます」と発言して、「秒殺」した様子が会議録からも浮かび上がってきます。

●市町村長会議の会議録(2020年11月9日)

 写真は、市町村長会議が行われた江陽グランドホテルを取り囲むようにスタンディングする県民。
201109_blog.JPG
女川原発の再稼働「県民は同意していない!」の街宣に、たくさんの市民がうなづいていました。たいへん励みになりました。再稼働中止の新たな闘いを呼びかけました。[2020年11月23日(Mon)]
 宮城県内の脱原発運動が共同で本日12時から、仙台市青葉区の平和ビル前で街頭宣伝を行いました。「県民は同意していない」!「町長からの反対意見、市長からの慎重判断を求める意見も村井知事に封じられた!」という訴えに、うなづく市民がたくさんいました。参加者は25人、用意したチラシ400枚がほぼなくなりました。
 たいへん励みになりました。参加されたみなさん、お疲れ様でした。

201123_a_blog.jpg
雑誌『議会と自治体』12月号に、女川原発の再稼働中止と「原発ゼロ」の日本をめざす展望を寄稿しました。[2020年11月22日(Sun)]
 雑誌『議会と自治体』に、「女川原発の再稼働をキッパリ断念し、再エネ資源を活かす政治を」と題する記事が掲載されました。11月24日発売です。
 宮城県民は女川原発の再稼働に同意してはいません。市町村長会議は、物事を決定する場ではなく、反対・慎重の意見が続出したため、村井知事はその場で同意を表明することができませんでした。
 寄稿した記事は、「原発ゼロ」の希望ある未来をめざす道と、原発・石炭火力に固執する道との対決になっている現状を浮かび上がらせようとしたもので、沸騰水型原発の安全対策があてにはならず、女川原発は本来は「不合格」にすべきだったことを述べています。
 女川原発が東日本大震災で重大事故を免れた偶然について、敷地高が14.8bであったことを平井弥之助・東北電力副社長の卓見によるものだという「都市伝説」について、首藤伸夫・東北大学名誉教授(津波工学)がこれを否定する見解を表明しています。検証こそ求められていると考えています。
 住民運動が、2号機・3号機増設の際の公開ヒアリングで要求し、原発の面前の女川湾を4b浚渫させました。これが女川原発の重大事故を防ぎ、東日本壊滅の事態を回避することができた要因だった可能性が浮かび上がっています。原発の安全性を問い続けることが、いかに重要かを示しています。
 女川原発の再稼働中止、「原発ゼロ」の日本を求める闘いが、希望ある未来に地続きでつながっていると確信しています。
 
201121_a.jpg





















201121_b.jpg





















201111_b_blog.jpg
| 次へ
最新記事
検索
検索語句